広 島 市に 拠 点を置く「
株 式 会 社 エムネス(Medical Network Systems の頭文字)」は平成 12 年 10 月に創業。診察から治療に至る一連の医療行為のうち、「画像診断」に特化。病院とアウトソーシング契約を結び、画像診断を代行している。現在、契約病院(健診センターを含む)は 38(広島県内 34、他県 4)。勤務する医師は 19 名(常勤 11 名、非常勤 8 名)。創業者の北村直幸氏を含む全員が画像診断の専門医。常勤の画像診断医の人数は日本国内トップの専門機関
医療業界において、CT や MR Iなどの画像診断に特化しているエムネスは、本年、Google Cloud Platform の導入に踏み切った。また、クラウドの導入を機に、日本で先進的とも言える、放射線画像診断と病理診断を統合した診断システムを構築した。
エムネスが Google Cloud Platform を選択した理由は以下のとおり
1) 短期かつ安価にシステム構築が可能
2) アクセス数の増加にも難なく対応
3) セキュリティと信頼性
4) 優れた検索機能との連動
5) IT 担当者が、アプリケーションの開発に専念することが可能
6) 開発したアプリケーションの動作を直ぐに確認することができるため、「診断医サイドの思い」と「開発サイドで作ろうとしているもの」が同期したシステムを構築可能。
エムネスがクラウド導入を検討していた頃、病理診断の専門医との連携をも模索していた。近年、病理診断は、デジタルファイル上に表示された標本をモニター上で見て、診断できるようになっている。そのため、エムネスは、もともとデジタルだった放射線画像と病理画像を統合した診断システムをクラウド化と同時に開発することにした。画像診断医が病理診断結果を参照し、病理診断医が画像診断結果を参照する。両者がお互いの知恵を共有することにより、より迅速かつ正確に診断できるようになる。
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統合診断システム。
ピンク色で表示されている右のモニターが病理画像、モノクロの中央のモニターが放射線画像。
左のモニターには両者の診断結果や、この患者の病歴や手術記録などが表示されている。 |
画像を診断する際には、多数の検査画像を次々とチェックする必要があるのだが、医師にストレスを与えないよう、画像を開く時間を短縮することは至上命題だった。この難題は、自動的にスケールアウトし高速性のあるGoogle App Engine が解決。さらに、画像診断では、過去のレポートを診断名や患者名などを基に素早く検索できることで、より迅速に、より正確な診断が可能となるのだが、Google の検索機能とそのスピードに期待できるとしている。
日本では画像診断をめぐって深刻なアンバランスを生じている。病院などに設置された、CT や MRI の撮影機器の台数は世界トップクラス。しかし、画像診断医の人数は世界最下位クラス。撮影しても診断が追い付かない、危うい状況。画像診断医が不足する背景の一つは、女性医師の離職。結婚や育児をきっかけに、働きにくい環境に遭遇することがある。今回開発したクラウド診断システムが、その問題解決に寄与するだろうとエムネスの北村氏は考えている。「女性医師は自宅で家事・育児をしながら、そのあいまにクラウド上の画像を診断して、診断結果を送り返します。弊社の女性医師7人は、このワークスタイルを実践しています。在宅介護を求められている医師や、海外留学中の医師も、休職しなくて済みます。もちろん、病理診断医も同じメリットを享受できます。また、広島県は北海道に次いで無医地区が多い都道府県ですが、このシステムを使えば、専門医がいない地区でも、専門医の判断を仰ぐことが容易になります。画像診断と病理診断の壁を取り払い、場所の制約から医師を開放するこのシステムが、医療に新しい1ページを開くものと確信しています。」
事例についての詳細は、
こちらをご参照ください。
Atmosphere Tokyo
基調講演で紹介されたビデオはこちらでご覧になれます。
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