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大そうじへの備え
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福留さんがシャンプーを「シャンプーを3倍に薄めて使うだけでのも環境破壊を遅らせることがでるのです。」などと言ってるので*1、薄めてはいけない理由をあげてみる。 手にとったときにこぼれる 市販のシャンプーは扱いやすいようにわざとある程度の粘度が付与してあります。もしシャンプーが水のように低粘度であればうまく手に適量を保持することができず、手からこぼれる量が増えて結局は無駄になってしまう量が増えるでしょう。ポンプ式の場合だと、粘度が低い場合には勢い良く出すぎてうまく手にとれないこともあります。 シャンプーを水で薄めてしまうと粘度が低下して取り扱いやすさが低下するのでこのような無駄が増えます。 分離する 一部の成分は分離するかもしれません。たとえば、もともと透明なシャンプーの外観に光沢感を付与するために脂肪酸グリコールエステルなどの微結晶が用いられたりします。この微結晶は、シャンプーと同じ比重の
前のエントリでもとりあげた日本市民の化学ネットワーク(JPCCN) 設立委員会ですが、サムライ商法?をやっていたようです。まあ生きるのに金は必要ですよね。 http://blog.livedoor.jp/chemconsulting/archives/13155662.html より。 (引用開始) http://www.jpccn.org/admit/ JPCCN化学情報技術士 資格認定試験のご案内 JPCCNでは、市民活動や企業・公的機関などでの環境品質マネジメントを技術面で支援する優れた化学情報解析技術とコミュニケーション能力を有したリーダースタッフを育成するため、「JPCCN化学情報技術士」資格認定制度(公益活動団体による民間資格)を設けています。この資格を取得されますと、 JPCCN活動の一環として、JPCCN化学情報技術士資格取得者を標榜した活動を展開することができ、活動の技術
シャンプーや化粧品の全成分を表示を見て、どの成分は安全だとかどの成分が危険だとか、そんなこと書いてるブログやサイトや本がたくさんありますよね。でも、ほとんど意味はありません。 だって、彼らは量的概念がすっかり欠落しているから。パラケルススが言ったように「毒かどうかは用量による」のですが、彼らは用量を考慮していません。 そこで、ここではシャンプーを例にどのように量的評価が行われているかを説明してみます。 まず、全身毒性(systemic toxicity)ですが、欧州で安全性の評価を行っている科学委員会が採用している数値を採用します。消費者製品の科学委員会によれば、シャンプーの場合、一日使用量は8g、また、リテンションファクター(残留ファクター)は0.01とされているので、80mgが残留することになります*1。ここで、成分Aがシャンプー中に1%含まれているとすると、成分Aは800μgが残留し
農薬ポジティブリスト制度の一律基準の値(0.01ppm)がどうやって決定されたか、あまり知られていないようです。 http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20100126/207184/?P=5 からの引用です。 ――農薬や飼料添加物などで「個別に残留基準が定められてない」ものに対し、絶対に安全量としてもっとも厳しい値である0.01ppmに決められたものですね。 唐木 この0.01ppmという一律基準は異常な厳しさで、隣の畑で撒いた農薬が風で流れてきて野菜に付いただけでも基準違反になる。これを科学的根拠に基づいた正常な基準値に、早く改める必要がある。 この0.01ppmという基準は「毒性学的懸念閾値」という概念を用いて算出されているものです。科学的根拠が無いというわけではありません。 わたしたちは数万〜数十万の化学物質に囲まれて生活しています。分析技術の発
変異原性(Mutagenicity)と遺伝毒性(Genotoxicity)はよく似た概念です。簡単に言えば、変異原性は「突然変異を引き起こす性質」のことで、遺伝毒性は「DNAや染色体などの遺伝形質を担う物質に影響をおよぼす作用」のことですが、何が違うのか、どうつかいわけるのか、というのはわかりにくい部分でもあります。 Wikipediaでも非常に混乱したことが書かれていたり、食品安全委員会の委員でさえも両者の使い分けに混乱していたり*1します。おそらく一般の人や初学者にはさっぱりわからないでしょう。適当なネット上の文献もみあたらないので説明を試みます。 混乱している原因は、この両者の使い分けは時代とともに、あるいは人によって定義が変遷しているためかもしれません。歴史的には、突然変異を発生させる性質として「変異原性」が用いられ、その後、突然変異を直接検出するわけではないが、指標となるようなも
いろいろ考えたらずいぶん経ってしまったのですが、とりあえず載せときます。 今更感があるのですが、日経サイエンス2月号で茂木健一郎氏と伊勢田哲治氏が対談されていたのですが、つっこみが入ってました。 TV番組で(たぶんあいのりで)茂木氏がコメントした「男女の脳の解剖学的所見や機能の差からみた男女の恋愛戦略の違い」に関してです。それはあくまで推測であって、実際のアドバイスに使うにはその結果が何を意味するかもっと慎重にすべきだが、番組では一気にハウツーまでもっていったのはどうか、という伊勢田氏の指摘です。それに対する茂木氏の答え。 茂木 確かに科学的とかいえない。ただ、科学論文は一般の人にとっては無味乾燥なものです。しかも、人間はすべて科学的根拠で生きているわけではない。どう生きようかと考えているときに、ヒントとなるアイデアを提供できたらいい。いわば、ここから先は生命哲学の問題だと考えています。
引用します。http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081007k0000e040069000c.html から。 名古屋市中川区のスーパーで9月、袋詰めのつぶあんを買って食べた同区内の男性がめまいを起こし、気分が悪くなったと中川保健所に訴えた。保健所が残っていたあんを調べ、今月2日に有害物質のトルエンと酢酸エチルを検出した。あんは静岡県の会社が輸入した中国製で、市は同県を通じてこの会社から商品の輸入時期や流通経路を聴くとともに、農薬などがあんに混入していなかったかどうかも調べている。 市によると、男性宅に残っていたあんからは、トルエン0.008ppm、酢酸エチル0.16ppmが検出された。また、近くのスーパーで売られていたあんからもトルエン0.008〜0.010ppm、酢酸エチル0.11ppm〜0.28ppmが検出された。食べた男性はつぶあんの袋をす
前エントリーではげっ歯類ベースのHERPについて書いたんですが、そんなことはすっかり忘れて今回はラットとヒトとは違うという話です。 ラットからヒトへの種間外挿する場合ですが、単純に体重あたりの摂取量(g/kg体重)で比較すればいいものでもありません。ラットは一日に体重の約5%の飼料を食べるのですが、体重60キロのヒトにあてはめれば、一日3kgになり、食べすぎです*1。発がんリスクを評価する場合の種間外挿には、3/4乗則(代謝率は体重の3/4乗に比例する)を用いることが一般的で、ラットからヒトへの外挿には係数4*2が用いられることが多いです。だからヒトへ外挿する場合の摂取量は4で割っておかないといけません。 また、動物実験では高用量での結果であるので、実際のヒトの摂取量に近い低用量に外挿しないといけないのですが、これにはさまざまな方法が用いられています。たとえば、10%あるいは1%の変化を誘
かなり出遅れてしまった感があるがアフラトキシンについて何か書いてみる。 最近かび毒であるアフラトキシンの記事をよく見かけるのだが、Wikipediaにはこんなふうに書いてある。 アフラトキシンは地上最強の天然発癌物質とされ、その毒性はダイオキシンの10倍以上といわれる(詳細はIARC発がん性リスク一覧参照)。 他にも、名古屋検疫所のページ*1にも同様のことが書いてある。 アフラトキシンB1の毒性:ダイオキシンの10倍以上 10倍以上・・って何ぞ。詳細はIARC発がん性リスク一覧参照・・・とか書いてあってもそこにはそんなことは何も書いないので困った。Wikipediaは出典不明な記述が多すぎて困る。ダイオキシンの毒性ってAhR(aromatic hydrocarbon receptor)を介して発現する*2のだけど、種によって毒性が8000倍以上違ったりする。8000倍に比べたら10倍なんて
シックハウスの住環境測定教会というNPOがあるのですが、そこのシックハウスコラム掲示板が非常に味わい深く、新しい発見でいっぱいで、毎日楽しみにしております。掲示板といいつつ、たぶん中の人が交代で短いコラムを投稿する、という趣のようです。異なる文体が混在しているので、中の人はおそらく二人以上です。というわけでいくつか紹介しますね。 6/29 化学物質と生命 生命体は天然エネルギーの連鎖によって変移したものであるがこのエネルギーの連鎖を見事に断ち切っていくのが人工的に造られた化学物質である。元素転換はもちろんもっと小さな天然エーテル体へのエネルギーの変移の連鎖を農薬や化学肥料、化学物質が総て断ち切り介入し負の連鎖を広げていく。100年以上前からこれらは多くの善良な科学者、研究者によって訴え続けられている。しかし悲観することも無いのはその解決の糸口である改善方法も善良なそれらの研究者から受け継が
以前書いた、水からの伝言に関連する論文(Double-Blind Test of the Effects of Distant Intention on Water Crystal Formation)、ざっくり読んでみた。 日本語の解説はこのあたり。こちらも。 ポジティブな意思を送ったほうがきれいな結晶になってるんだが、結論から言えばブラインド化が不十分で50%の確率で有意に、きれいな結晶が出るようになっている様子。脱力した。 A,B,C,Dのボトルを使い、A,Bにポジティブな意思?を入れ、C,Dをコントロールとして置き、これらはブラインド化されている。しかし、ボトルから結晶を作成して写真を撮る人が同一です。このときはコントロールが存在することを知らされているし、「どれかのボトルからできる結晶はきれいなはず」っていう先入観があれば、意識的にせよ無意識的にせよ、そのような写真をとってしまう
環境サヨクウォッチング。ダイオキシン・環境ホルモン対策会議のニュースレター 第49号から*1。 家具、家屋には、様々な化学合成の塗料、防水剤、防腐剤が使われている。なかには、シックハウスやアレルギー、癌の原因になるものもあるといわれている。一方、松煙、柿渋、ニカワなどの自然素材を用いた防水・防腐効果のある塗料も、ほんの半世紀ほど前には盛んに使われていた。それらは、シックハウスや発がん性と無縁だった。 発がん性と無縁だったって本当か?「松煙」は、松の根を燃やしてつくった煤なのだけれど。まず、木材のほこりには発がん性がある*2と評価されているし、木材の抽出物にも変異原性が確認されているので何か残ってたら発がん性あるかもね。そして、煤だけど、煤は1920年代にロンドンの煙突掃除の人が陰嚢がんにかかる原因物質とされた由緒ある発癌物質である多環芳香族炭化水素(PAH)を含んでいます。そして、煤の主体
※大変危険ですので、指マッチを行う際は経験者の指導の下に行って下さい。 化学系の隠し芸の一つに、指マッチというものがあります。(http://www.catvy.ne.jp/~sig/experiments/exp_03_1.html など。)指をマッチに見立てて指先に火を灯してみせるという技ですが、うまくやれば全く熱くありません。一般的には、以下の手順で行われるようです。 指を一本、水に十分ひたす。 軽く水を切り、エタノールなどの有機溶媒を指先につける。 着火し、指をまっすぐ上に向ける。 指を上に向けるのがポイントで、上に向けていないと立ち上る炎で熱いかもしれません。指が熱くない理由については水の膜があるだとか蒸発潜熱だとかの説明がなされているようです。 これはこれで面白いのですが、もっと派手な方法がないものでしょうか。あまり紹介されていないようなので、ここでは、学生時代にいろいろ試して
※3/10 一部修正しました。 科学の世界には査読(ピアレビュー)という制度があります。論文を学術雑誌に投稿して掲載する際に、同じ分野のほかの研究者に評価やコメントをもらい、その結果に応じて論文の修正を求められたり、掲載する/しないが決定される制度です。この制度によって、論文の明らかな間違いをチェックしたり、どうしようもないゴミ論文があふれかえるのを防ぎ、一定の品質を保っています*1。科学の世界では、最も重きを置かれるのは査読を経た論文です。学会発表しただけとか、査読の無い雑誌等に掲載されただけとかは重要視されません。特許を取っただけとか、ニュースで報道されただけとか、どこかのプレスリリースだけっていうのはもっと下であって、通常相手にされません。 一般の人には、あるいは専門家以外には、あるものが科学か、科学っぽいけれど別ものか、区別がつきにくいと思います。考えるためのひとつの基準は、それは
その1のほうもどうぞ。だいたいは1のほうで書いてあります。 MLM周辺は伝言ゲームの様相を呈しているので、いちいち間違っている点を指摘してもきりがない気がします。たとえば経皮性吸収なんて造語を相手にしてもしょうがないし*1・・。そこで、経皮毒研究会の記述をベースにすることにします。この研究会は経皮毒関連の著作がある山下玲夜、稲津教久、池川 明、真弓定夫ら(敬称略)が参加しており、比較的まともだと思われるからです。 そこで読んでみたのですが、およそ科学的検討には耐えられないものばかりでした。たとえば、化学物質の性質として書かれたこのページから。 脂溶性:油に溶けやすい性質。 合成化学物質は脂溶性の性質をもっている。 脂溶性じゃない合成化学物質もたくさんあります。パーソナルケア製品でいえば、たとえばカルボマーとか、カルボキシメチルセルロースなどの増粘剤は油に溶けそうにありません。シリコーン(s
MCSは何かの化学物質に大量に曝露されたり、微量の繰り返し曝露によって発症されるとされる。その後、微量・(化学的に必ずしも関連のない)多種類の化学物質による暴露によって健康障害が引き起こされるとされる。症状は非常に多岐にわたって個人差があるとされるので、http://www.cssc.jp/cs.html#gを参照して下さい。 MCSが化学物質の持つ毒性により引き起こされるとする説得力のある証拠はない。 詳細は以下参照。 http://en.wikipedia.org/wiki/Multiple_chemical_sensitivity http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/CS.html http://www.cssc.jp/ いくつかのレビューを簡単に紹介しますね。 Das-Munshi J, Rubin GJ, Wessely S. Multip
思うところあって、化学物質とか環境系の市民団体とかNPOのサイトを見て回ってます。同じものを見てる(と思う)のにどうしてこんなにも見解が違うのか不思議に思っています。やっぱり政治運動などがからむといろいろあるんでしょうか。中には困ったことに、無断リンク・引用禁止を主張するサイトがありました。100歩譲って仲間内だけで楽しみたい同人サイトならわからなくもありませんが、そのようには書いてないようです。無断リンク・引用禁止、と言われると、困ったことに、内容についての論評が行えなくなります。これは昔、通ってきた道なような気がします。「無断リンクの禁止は表現の自由の侵害」とか。この問題に関しては過去に膨大な量の文書があるはずです。 以下、日本市民の化学ネットワーク設立委員会ホームページ内の、「【知財】著作物不正使用取締を強化中(2007/05/25)」から。自動的にリダイレクトされるらしいので、され
目的 経皮毒とは、化学物質は悪なんだ教の教義のひとつで、たいていの場合は代替製品を売るため、現状の製品を非難する目的で使われます。経皮毒にまつわる本は馬鹿らしくて読んだことは無いんですが、ネットでいろんな都市伝説がでまわってるみたいなので、経皮毒とかその周辺にコメントしてみようと思いました。Q&A形式で。ちなみに私は医者でも薬剤師でもありません。 Q: 皮膚から吸収されるのは事実でしょ? A: 吸収されますが、基本的には皮膚からは入りにくいです。 一般的には、分子量が小さくて適度に脂溶性のものは入りやすいと言われています(適度な親水性・疎水性バランスが必要です)。また、尿素など、角層たんぱく質の構造を変えるなどして物質透過性をよくするエンハンサーの存在が知られています。エステルや脂肪酸や多価アルコールなどたくさんあります。 有機溶剤などを大量に皮膚に被曝した場合、中毒を起こすことも知られて
詳細については中西準子のホームページ、環境ホルモン濫訴事件:中西応援団を見ていただくとして。 環境ホルモン学会からもコメントが出されてます。 私もこの「第7回内分泌攪乱物質問題に関する国際シンポジウム」を聴講していました。 最後のセッションは「リスクコミュニケーション」です。私はひたすらメモをとっていました。大体、発表者一人あたり、ノート1〜1.5ページくらいとりました。 松井三郎氏の講演。全くメモが残っていません。だって、リスクコミュニケーションと関係あることを話さなくて、いつ話すのだろうと思ってたらいつの間にか終了してました。 この人なんでいるんだろう っていうのが正直な感想でした。 次のチャレンジはナノです って松井三郎氏が言ったのですが、何故脈絡もなくとっぴに話が飛ぶのだろう、これはもしかして何かの壮大な前ふりですか?などと思ってたら講演おわってしまったので、真意はよくわからず違和
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