インボイスで声優・アニメーター廃業も
インボイス制度で声優の2割が廃業も? インボイス反対のVOICTION甲斐田裕子氏に聞く
ーーなぜインボイス制度に反対なのでしょうか?
甲斐田裕子氏(以下敬称略) 私にとって仕事の核は、いい作品を作り続けることです。
ところが、20~30年続く不景気によって声優業界でもどんどん予算が削られて、
声優のギャランティも20年前のままです。
作品の質よりも、売れるかどうかとか、
声さえ入っていればいいという作品作りを見かけることが増えてしまいました。
生活が厳しくて(声優を)辞めてしまうベテランの人もいますし、
新人が安いギャラで使い捨てにされてしまうのも目の当たりにしています。
原因の根本は長年続く不景気にあります。
そこに追い打ちをかけるのがインボイス制度です。
一度文化や技術がついえてしまったら元には戻りません。
日本の文化の灯火を消すようなことを、国が進めていいのでしょうか?
ーーインボイス制度のどういった点が負担になるのでしょう。
甲斐田 この業界では半数が年収300万円未満です。
頂点にいる一握りの人は1000万円以上稼げていますが、
そうでない人は生活するのでやっと。
そういった人たちが、税理士を雇えるかといえば、雇えません。
自身で作業をしなくてはならない中で事務作業が増大します。
もらった領収書が使えるのかどうか
(※消費税の仕入税額控除が可能な適格請求書かどうかを確認すること)、
自分で仕分けをしなくてはなりません。
福宮あやの氏 ギャランティを受け取るときも手数が増えることになります。
現状は、事務所が計算して銀行口座に入金して、それだけで終わっていますが、
インボイス制度が始まると、請求書を出す必要があります。
事務所が書面を用意して、声優側はそれを確認して提出するという流れになると思いますが、
簡単ではありません。
請求書の回収だけ考えても、事務所側もたいへんになります。
甲斐田 インボイス制度は負担しか増えない、
細かいことの積み重ねで身動きが取れなくなる制度です。
若いときにやってほしいのは、自分の中の糧を蓄えていくことですが、
事務作業は糧になりません。
その時間を本当は作品に向けたり、自分に向けたりしてほしいと思います。
ーーインボイス制度は、売り上げ1000万未満は免税事業者になることができ、
消費税を収めなくてよいという益税問題の解消という側面があるといわれます。
甲斐田 私も最初は「益税問題」というものがあるのだと思って調べてみました。
でも実際は益税というものは存在していません。
そもそも消費税を含めた価格が本体価格です。
売り手がいくらの値付けをしようと、その11分の1を収めるのが消費税。
免税事業者はそれを免除されているだけです。
しかし免税を理由に値引きされ価格転嫁できていない業界も多いんです。
消費税は価格に転嫁できて初めてはじめて間接税として機能します。
転嫁できなければただの重い直接税です。
国にとって都合のいい、集めやすい税金をどうしても導入したかった。
そのために譲歩してきた部分(※免税事業者の設定)が歪みとなり、
導入から30年の間にそれありきの取引が行われ、さらに歪みました。
いびつになった消費税を、見た目だけきれいにするために、
臭いものには蓋をしようとしたのが今回のインボイス制度だとしか思えません。
長いんですが抜粋です。どうぞサイトへ行って全部読んで下さい!
甲斐田さん好きだなぁ。
声優さんって立場弱いから、こういうことやるの本当に勇気がいったと思うんですよ。
私はインボイスは既定路線だったんじゃないかと思っています。
売上税をやろうとした時、企業から激しい反対運動にあって、
その代わりに甘い言葉で騙して始めたのが消費税。
じりじりと税率を上げ、免税事業者の上限金額を下げてとどめがコレ。
インボイス制度の登録は任意でも、それをやらないと仕事はほぼもらえない。
そして、登録したらヒモ付けされて税金の取りっぱぐれなし。
脱税はそりゃアカンけど、お役所にとってこんなイイ制度ないっしょ。
インボイス制度について調べていくと、
どうしても消費税の話に行き着いてしまうとおっしゃった甲斐田さん。
その辺の事は【VOICTION】の上げている記事などをご参考にしてくださいませ。
とのことです!
自民党議員に直接訴えたいけど会ってもらえないそうです。
だから話を聞いてもらえる野党議員とコンタクトを取って活動されているのですが、
こういう積み重ねを甘く見てると自民選挙で大負けしちゃうよ!
最悪なのは、
自民が政権から転げ落ちても、その後釜が結局インボイスやっちゃうこと!
インボイスで声優・アニメーター廃業も