2025-06-22

anond:20250621145936

A:先ほどからアジャイルガバナンス」の問題について話していましたが、なぜこんな議論法学界で受け入れられているのか不思議です。

B:それは実は、最近日本法学界の変化と関係があるかもしれません。

A:変化というと?

B:かつての日本法学は、伝統的な議論との連続性をとても重視していました。新しい理論を導入するときも、従来の学説とどう整合するかを慎重に検討していた。

A:それって、保守的すぎるということですか?

B:確かにそういう面もありました。新しいアイデアが出にくかったり、権威ある先生意見に若手が従わざるを得なかったり。

A:なるほど。それが最近は変わってきたと。

B:そうです。より自由議論できるようになったし、新しい視点理論積極的に導入されるようになった。これ自体は良いことなんです。

A:でも、何か問題もあるんですか?

B:新規性独創性がとても重視されるようになって、時には伝統的な議論の蓄積が軽視される傾向も見られるんです。

A:具体的には?

B:例えば、「これまでの法学では対応できない」「全く新しいアプローチ必要」といった主張が、十分な検証なしに受け入れられやすくなっている面があります

A:それって、自然科学の影響ですか?新しい理論が古い理論を置き換えるような。

B:その通りです。他の社会科学の影響もあるでしょうね。でも法学は少し特殊なんです。

A:どう特殊なんですか?

B:法学では、新しい理論で古い理論を完全に置き換えるというより、蓄積された知恵を継承しながら発展させることが重要なんです。

A:なぜですか?

B:法的概念が頻繁に変わると、法の安定性や予測可能性が損なわれてしまます。それに、長い間使われてきた概念には、歴史的経験が込められていることが多いんです。

A:なるほど。「法の支配」みたいに。

B:まさにそうです。800年以上の歴史がある概念を軽々に「アップデート」していいものか、もっと慎重に考える必要があります

A:でも、時代に合わせて変化することも必要ですよね?

B:もちろんです。ただ、何を変えて何を変えないか判断重要なんです。根本的な価値原則継承しながら、具体的な制度運用改善していく。

A:そのバランスが難しいということですね。

B:そうです。そして、最近は「新しいから良い」という発想が強くなりすぎている面があるように思います

A:それが「アジャイルガバナンス」のような議論につながっていると?

B:一因になっている可能性はあります。新奇な概念や横文字理論に対して、批判的に検討する前に「新しくて進歩的」という印象で受け入れてしまう。

A:でも、研究者の方々はもっと慎重じゃないんですか?

B:本来はそうあるべきなんですが...。最近研究評価でも新規性独創性が重視されるようになっていて、そのプレッシャーもあるかもしれません。

A:つまり、目立つ研究をしないと評価されないと。

B:そういう面もあるでしょうね。従来の議論を丁寧に検討する地道な研究より、新しい概念提示する方が注目されやすい。

A:それって、研究質的には問題ですよね。

B:はい特に法学では、基礎的な概念原則についての深い理解が不可欠です。それがないまま新しい理論を導入すると、土台のない建物のようになってしまう。

A:でも、若手の研究者にとっては、新しいことをやりたいという気持ちもあるでしょうし...

B:それは当然のことです。問題は、新しさと伝統価値継承をどうバランスさせるかなんです。

A:そういえば、シンポジウムとかで「アジャイルガバナンス」が議論されているという話もありましたね。

B:ああ、それも問題の一つかもしれません。大学でのシンポジウム研究会で取り上げられることで、学術的に認められた議論という印象が作られてしまう。

A:でも、議論すること自体は悪いことじゃないですよね?

B:もちろんです。ただ、批判検討が十分なされているか重要なんです。新しい概念を紹介するだけで終わってしまうと、結果的にその概念お墨付きを与えることになりかねない。

A:なるほど。学術権威政策宣伝に使われてしま可能性があると。

B:そうです。特に政府機関提唱している政策については、学術機関は慎重な距離を保つべきだと思います

A:でも、社会に貢献したいという気持ちもあるでしょうし...

B:それも大切なことです。ただ、学術議論政策提言区別して考えるべきでしょうね。

A:どういうことですか?

B:学術的には「こういう理論可能性がある」ということと、政策的に「実際に導入すべき」ということは全く別の問題です。

A:確かに理論的に面白くても、実際に導入するには問題があるということもありそうですね。

B:その通りです。特に憲法民主主義の根幹に関わることについては、より慎重さが求められます

A:じゃあ、私たちはどうやって判断すればいいんでしょうか?

B:まず、その議論が本当に学術検証を経ているかを見ることです。批判的な検討も含めて、多角的議論されているか

A:一方的宣伝ではなく、ちゃんとした学術議論かということですね。

B:そうです。そして、新しい理論提示されたときは、それが従来の価値原則とどう関係するのかを確認することも大切です。

A:伝統的な議論との連続性があるかということですね。

B:まさに。完全に断絶した新理論は、法学においては特に注意が必要です。

A:分かりました。でも、研究者の方々にも気をつけてもらいたいことがありますね。

B:おっしゃる通りです。新規性の追求も大切ですが、法学基本的な使命を忘れてはいけません。

A:基本的な使命というと?

B:法の安定性や予測可能性を確保し、民主主義人権といった基本的価値を守ること。そのために蓄積されてきた知恵を継承することも重要役割です。

A:新しいことをやりつつ、大切なものは守るということですね。

B:そうです。そして、政策提言については特に慎重になる。学術権威政策宣伝に使われないよう注意することも必要でしょう。

A:研究者社会的責任ということですね。

B:はい特に法学者は、民主主義社会の基盤に関わる重要役割を担っているのですから

A:今回の「アジャイルガバナンス」の件も、そうした観点から見直す必要がありそうですね。

B:そう思います。新しい技術への対応は確かに必要ですが、それが法の基本原則を損なうものであってはいけません。慎重な検討必要です。

  • A(一般市民):経済産業省が出した「アジャイル・ガバナンス」の報告書、読んでみたんですが、なんだか難しくて...。でも何となく「新しくて良さそう」な印象を受けました。 B(法...

    • A:でも、もしこの対話を推進派の人たちが読んだら、どんな反応をするでしょうね? B:予想がつきますよ。「この批判は我々の提案を誤解している」「アジャイル・ガバナンスの本質...

      • A:そういえば、報告書の冒頭で「G7大臣会合でアジャイル・ガバナンスの必要性について合意がなされた」って書いてありましたね。国際的にも認められているということじゃないんで...

        • A:今のお話を聞いていて思ったんですが、経産省のやり方って一貫したパターンがありますね。 B:というと? A:権威付けに使えるものは何でも使う。G7の合意、京都大学でのシンポ...

          • A:そういえば、法律関係の雑誌やウェブサイトで、この「アジャイル・ガバナンス」について紹介している記事をいくつか見かけました。 B:ああ、それもまた経産省の狙い通りなんで...

            • A:先ほどから「アジャイル・ガバナンス」の問題について話していましたが、なぜこんな議論が法学界で受け入れられているのか不思議です。 B:それは実は、最近の日本の法学界の変...

              • A:さて、この報告書は今パブリックコメントにかかっているんですよね?法の支配や民主主義との関係についての根本的な疑問が寄せられた場合、経産省はどう応答するんでしょうか? ...

                • A:それにしても、この「<法>の支配」って何なんですか?なんで法に<>付けてるんでしょう? B:あー、それは従来の法律だけじゃなくて、ガイドラインとかアルゴリズムとかも含...

    • AB会話形式なのに真っ当なこと言ってる

      • 真っ当か? 自分の結論に誘導した過ぎて連投してるの見てもそれ言えるなら凄いけどな

      • 片方の主張だけ見たら「おお、正論じゃん」みたいに見えちゃうのが本当に怖いんすよね 最近の生成AIってすごいなあ、と、、、 B:これがまた問題なんです。報告書では、山括弧付き...

    • 『規制・制裁・責任の一体的改革』じゃなくて古い方なんか?

    • これがどういうことかピンとこない人は 「不安な個人、立ちすくむ国家」 なる経産省パンフレットを読むといいぞ! 陸軍パンフレットを戦後読むとこんな気分だったのかな、とい...

    • A:あ、そうそう。この対話への批判で「所詮はAIが自動生成したものじゃないか」というのを見ましたが、何を馬鹿なことをと思いました。だって私たちは今こうして現に存在している...

      • 自分の頭で考えた結果ネットで真実のSNSフェイクにつられるから権威主義もあながち悪いとは思えないんだよね…😟

      • こんな白痴同士の対話文が読まれると思ってる馬鹿の意見なんか読む価値ないでしょw 内容に自信あるならプロンプトそのまま貼れ

        • A:ところで、この対話について「内容に自信があるならプロンプトをそのまま貼れ」という意見を見かけたんですが、どう思われますか? B:ああ、それは実に愚かな意見ですね。知的...

          • 「AI生成だから信用できない」なんて言ってないぞ? 書いてもいない主張を持ち出して反論するのは「論理的思考の初歩ができていない証拠」じゃないのか? わざわざ白痴同士の対話文...

            • A:今度は「『AI生成だから信用できない』なんて言ってない」「書いてもいない主張を持ち出して反論するのは論理的思考の初歩ができていない証拠じゃないのか」というコメントが付...

              • 「プロンプトを貼れ」という要求自体が、AI生成コンテンツに対する特別な疑念の表れです。それを認めたくないから、言葉尻だけを捉えて逃げているんです。 しょっぱい会話文より...

                • 太郎くん😎: うわwwまたおっさんがなんか吠えてるんだけどww 「プロンプト貼れ」って言われてブチギレてるとか、どんだけ自意識過剰なんだよ( ´Д`)y━・~~💨 「白痴級の馬鹿」...

              • 相手の言葉尻を捉えて議論から逃げてるのは自分だったっていうコント?

    • まだ「法の支配」で消耗してるの?―アジャイル・ガバナンスへのアップデートのススメ 800年前のシステムに固執する時代は終わった! みなさん、こんにちは!今日は超ホットな話題...

    • A:まあ、全部嘘なんですけど。 B:ははは。釣られてやんの。

    • A:今回の「アジャイル・ガバナンス」の件も、そうした観点から見直す必要がありそうですね。 B:そう思います。新しい技術への対応は確かに必要ですが、それが法の基本原則を損な...

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