■がっこーのせんせーです

都内の私立高校に勤務している教員です。

かれこれ5、6年は勤務しており、仕事にも満足しています。

給料は同じ大学の友人より安いですし、

部活などの休日出勤も多いので決して待遇は良くないですが、

好きな仕事を選んだので仕方ないと割り切っています。

ただ、最近、これから先、この仕事のなり手がいるのか不安です。

私は朝5時に起きて7時には出勤しています。

定時は8時から17時ですが、始業前の準備や時間外設定の会議を考えると

7時から18時くらいにはなってしまいます。

それでも遅くまで残業している職種の方に比べれば大したことはありません。

定休日も2日はありますが、部活などで休日出勤が続くと30連勤くらいは普通です。

夏休みなどがあるからと思われるかも知れませんが 、

部活や合宿の引率、夏期講習などを差し引くとお盆休みがあるだけなので

一般的な職業と大差ないかと思います。

総合すると給料水準は求められる資格や学歴に比して安く、

その他の待遇は普通の業種と同じかそれ以下といったところです。

一方、教員に求められる業務は増加しています。

文科省の方針はコロコロ変わりますが、

その都度、カリキュラムの改変や専門外科目の勉強を迫られます。

また、未だに手書きの公文書が多いことも業務を圧迫します。

なにより一番は生徒対応や保護者対応です。

私はどんな理由があっても体罰には反対です。

暴力で解決するのは教員の仕事ではありません。

昔は一発のゲンコツで済んでいたのかもしれませんが、

根気強く諭すしかありません。

それでも事と次第によっては、声を張り上げて叱ることもあります。

しかし、最近ではそうした行為も恫喝やパワハラだと批判されることもあります。

教員の肩を持つ気はさらさらありませんが、

先日も福井で中学生が自殺した事件で、

教員の叱責が原因であるという批判がなされています。

授業妨害をする生徒や提出物を繰り返し出さない生徒に

「他人の邪魔をするなら学校辞めろ」

「勉強したくないなら高校に来るな」

と、叱ったこともあり、これも不適切な指導になるのかと悩みます。

また、保護者の要求も肥大化しています。

自己都合で休日の出校を求められたり、

電話で暴言を吐かれることもあります。

もちろん大多数の保護者は協力的で理解してくださっていますが、

問題児の保護者ほどいわゆるモンスターペアレントの傾向は強く、

学校での問題を保護者に報告しても、

逆に教員の指導が悪いと管理職にクレームが入ります。

一番、ショックだったのは宿題を忘れたことを怒鳴るわけでもなく叱ったら、

「人殺し」とクレーム電話が来たことでしょうか。

こういう状況でも大多数の生徒や保護者が支持してくれ、

生徒が志望校に合格したり、卒業生が遊びに来てくれると嬉しく、

やはりやり甲斐を感じる仕事です。

ただ、今は経済状況もよく、あえて低賃金重責任長時間労働の

仕事に就く意味はなく、「奇特な人」がやる仕事になっていくように感じます。

また、少し先の見える学生さんであれば少子化の日本において、

教育市場は縮小していくので、定年まで雇用があるかも心配するでしょう。

このような状況では優秀な人材は教員にならなくなっていき、

教育現場は荒廃していくと思います。

文科省は「やり甲斐をアピールする」と言っていますが、

業務量の整理や待遇改善、モンスターペアレントから守ることなど、

目に見えた対策を取らないと現状の打開は難しいと思います。

現役教員の目から見たこれからの教育現場、

これからの日本への不安でした。

これを読んで少しでも教育について考えてくださったら嬉しいです。

Permalink | 記事への反応(2) | 07:31

ツイートシェア