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「カラーバス効果」って知ってた? これは応用範囲が広いかも

加藤昌治さんの『考具』の紹介の続き。今回は面白そうな「考具」を2、3紹介しようかと思います。

本書の中では、「考具」を大きく次の3つのカテゴリーに分けて紹介しています。
  • 情報が頭に入ってくる考具
  • アイデアが拡がる考具
  • アイデアを企画に収束させる考具
一つ目に紹介する考具は、「情報が頭に入ってくる考具」から「カラーバス」なるもの。

color bath と言っても、「色」限定ではなくて

これは、カラーバス効果という心理用語からきているものでしょう。英語で書くと「color bath」で、直訳すると「色を浴びる」ってこと。

これは「ある一つのこと」を意識すると、その意識していることに関する情報が無意識のうち、自分の手元にたくさん集まるようになる心理現象なんです。

理解しやすいように「ある一つのこと」を色(例えば赤色とか)に例えているだけで、「color」に限定したものではありません。

「今日は赤っ!」と考えて街にでると、普段は目の前にあっても気がつかなかった赤い看板が目に入ってくるとか、赤い車ばかりに気が向くとか・・・なんてことを説明はしやすいでしょ。

色鉛筆

先日、長年乗ってきたオデッセイを手放すべきか、もしかしたらまだまだ乗れるかな、なんて迷っていた時に街を歩いていたら、やたらとオデッセイが目に入ってきました。これもカラーバス効果。

あるいは、以前に小林正観さんの 「『そ・わ・か』の法則」という本を紹介しましたが、この記事の中の「朝起きて、ベッドから出る前に、『ありがとう、ありがとう、ありがとう・・・・』と100回言うと」って話も、いま考えてみると、これもカラーバス効果だったってことに気がつきます。

「ありがとう」を意識すると、脳は「ありがとう」の合理的な理由を探し始めるんですね。

ということで、意識するものは「色」でも、「クルマ」でも、「ありがとう」でもOKだし、もちろん「形」や「位置」、「音」なんかでも構わないんです。意識するものを一つ決めて、街中を歩くだけ。

すると、私たちの頭や脳は「これが知りたいな」と半ば無意識に思っていることを命令として捉えて、勝手に探してくれるのです。

アイデアを考えようとするとき、何よりも一番大切な心構えは、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」ってこと。何度も繰り返してますが、とにかくコレ。

でも、例えばクルマに関するアイデアを考えようとする時、クルマ周りのことだけで考えてしまうといった感じで、アイデアを探す範囲が狭くなってしまうという落とし穴があります。

それが、カラーバスを使って、「○○色」とか「○○な形」なんてことを意識しさえすれば、注意力の方向をクルマ以外に向けることが簡単に出来るんです。

「赤」の共通項で括られると、自分の想像をはるかに超えたアイテムたちが集結することになります。靴下と回転寿司の看板なんて、一緒に想起することってまず間違いなくないでしょ。

一見関係なさそうなものたちが自然に集まってしまうことが、カラーバスの最大の効能なんです。

歩くのも街中と限ったわけではなく、例えばショッピングモールとか、トイザラスとか、あるいはダイソーとか、狭い範囲で限定してしまうのも、それはそれで新しい発見があるかもしれません。

8つの入り口から入ると、そこには64個の入り口が現れて・・・

続いて、私もよく使っている「マンダラート」を紹介しましょう。

脳の働きというのは、通常のノートのように直線で行って、戻ってというようなものではなくて、放射状に展開していくイメージってのは、なんとなく理解できますよね。

そうした頭の動き方をトレースしたノート法がマインドマップとかマンダラートなわけです。

どちらも、ご存知の方は多いことでしょう。私自身もマンダラートを年初の目標設定などに使ったりしていますが、改めて紹介すると、マンダラートとは正方形を縦3列×横3列に区切ったもの。

正方形を縦3列×横3列に区切ると9つのマスが出来ますが、この真ん中にテーマを書きます。例えば「2015年の目標」とか、アイデア出しに使うなら「マグカップ」とか。

そのテーマに関連すること、あるいはテーマから出題された問いかけに対する答、例えば新商品企画の手がかりになりそうなことを周辺の8つのマスへと書き込んでいきます。

テーマが「マグカップ」とすると、形状、色、取っ手、価格、飲み易さ、強度、柄、重量、なんて感じ。考えていけば、まだまだいくらでも出てきそうです。

これで、マグカップの「商品コンセプト=切り口」が少なくとも8つは登場したことになります。

マンダラ

後は、これを繰り返すだけ。8つの切り口(入り口)から更に奥へ奥へと潜り込んで行く作業です。周辺に書いた8つのマスの内の一つひとつを更に展開させていくんです。

例えば、次のマンダラの真ん中には「取っ手?」と書く。そして、このコンセプトを新商品に発展させるためには何が必要なのか? この問いに対して周辺の8つのセルを再び埋めていく。

「指が2本入る」「子供でも持ちやすい」「人間工学」・・・・・。

8つの切り口があって、それぞれをまた8つ展開できたら「8×8=64」の新商品企画につながる要素が生まれたことになりますよね。

大きくしたり、小さくしたり、もしかしたら他のものに使えないかな?

「マンダラート」は、「アイデアが拡がる考具」の一つですが、このカテゴリから最後にもう一つ、「オズボーンのチェックリスト」なるものに軽く触れておきましょう。

この「オズボーンのチェックリスト」とは、アイデアを生み出すための要素の組み合わせ方、その基本パターンを網羅したものなんです。

なので、アイデア出しに行き詰ってしまったときに有効な考具な訳ですが、このチェックリストは全部で以下の9か条です。

◆転用したら?
  →現在のままでの新しい使い道は?
◆応用したら?
  →似たものはないか? 真似はできないか?
◆変更したら?
  →意味、色、動きや臭い、形を変えたらどうなる?
◆拡大したら?
  →大きくする、長くする、頻度を増やす、時間を延ばすとどうなる?
◆縮小したら?
  →小さくする、短くする、軽くする、圧縮する、短時間にするとどうなる?
◆代用したら?
  →代わりになる人や物は? 材料、場所などを代えられないか?
◆置換したら?
  →入れ替えたら、順番を変えたらどうなる?
◆逆転したら?
  →逆さまにしたら? 上下左右・役割を反対にしたらどうなる?
◆結合したら?
  →合体、混ぜる、合わせたらどうなる?

オズボーンのチェックリストを使うことで、ある情報やアイデアのヒントを色んな角度から見ることが出来るようになります。同じ情報源からアイデアが生まれる可能性を何倍にでも出来るわけですから、これは強力な武器になりそうじゃないですか。

ってことで、アイデアの作り方、その手法はいたってシンプル。今も昔も変わらないんです。違うのはその方程式に入れるデータな訳で、そのデータは時代や環境に応じて変化し続ける・・・・・

だからこそ、アイデアが尽きる、ということは有り得ないってこと。

さてさて、本書に限りませんが、今回も著者に指摘されてしまいました。

    ここまで読み進めてくれたあなたにとっての最大の問題は、
    「読んで、分かって、やらないこと」


まずい、言い返せない!


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