加藤昌治著 『考具』 -- 何度も言うけど、アイデアとは組み合せ
「必要なのはアイデアだ!」って言葉を聞いた記憶があります。いつ、どこで、誰から、どういう状況の話としてなのか殆んど覚えていないけど、この言葉だけは何故か印象に残っています。
なので、記憶というよりも想像に近い感じですが、「優れたアイデアさえあれば、その実現に必要なお金や人はいくらでも集まってくる」ってな話だったんじゃないかな。
“アイデア” って一括りで言ってしまうと、広がり過ぎてボヤーってしてしまうけど、ま、大体の印象は伝わるでしょう。
わたし自身もアイデアを必要とする場面がたくさんある(アイデア欠乏症に陥ってる?)ので、このブログでも、アイデア関連の本は何冊か紹介してきました。
有名なところでは、古典的名著と言われるジェームス・W・ヤングの 『アイデアの作り方』とか、フレドリック・ヘレーン 著 『スウェーデン式アイデア・ブック』という本も紹介したことがあります。
あるいは、小山薫堂さんの『考えないヒント』や、安達元一の 『視聴率200%男』という、放送作家を生業(の一つ)としている方々の本を紹介したこともありますが、これも“アイデア”の本でした。
“アイデア” について何度も繰り返し紹介しているのは、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」というジェームス・ヤングの言葉。
そしてアイデアとは、「神の啓示の如く、ある日突然降ってくる物」ではなくて、自動車の製造と同じように一定の明確な過程であり、従ってその「方法」は訓練することが出来るんです。
2003年発売の本なので、既に10年以上経っていますが、いまだにAmazon 売れ筋ランキングの「ビジネス企画」というカテゴリで5位に入っています。
(因みに『アイデアの作り方』は、「心理学入門」なんてカテゴリに入っているし(7位)、『スウェーデン式アイデア・ブック』は「外国のエッセー・随筆」に分類されてました)
本書は、(この手の本によくある?)単なる精神論や企画書の書き方を教えるものではありません。
目指したのは、スキーのインストラクターのように、「ほら、こうやって身体を動かしてみて!」といった具体的な方法論。
そういったこともあってか、内容的には「おお、これは斬新!」というものではなく、一つひとつの「考具」は誰もが一度や二度は聞いたことがあるものなんじゃないかな。
でも、こうやって整理して目の前に提示してもらうと、自分でもこれを使って素晴らしいアイデアを生み出せるかも、って気になります。
アイデアや企画は、[WHAT]と[HOW]という2つの要素に大別されるとのこと。「何を」、「どうするのか」、ということですね。どんな課題を、どうやって解決するのか、という言い方も出来るかな。
そして、アイデアや企画を考えるには、順番があるそうです。それは、
という順番。最初に「自分の思い」があって、その思いを「社会に適合」させていく順序が大切。最初から相手に合わせてしまうと、出てくるアイデアがショボくなってしまうから。
ここでもう一度、ジェームス・ヤングの言葉を繰り返しますね。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
要は、ゼロから生まれるアイデアは存在しないということ。どれほど素晴らしいアイデアであっても、その発想の素になったアイデアがあるのです。
そして、「新しいアイデア」って言われると、誰も考えつかなかったような大発明を探してしまいますが、それは意味がないんだと。
なぜなら、私たちが欲しいのは「自分」の仕事や生活で役立つ実践的なアイデアや企画だから。
つまり自社にとって、あるいは自分の生活にとって新しければ、それは「新しい」ということ。たとえば書店業界に、スーパーマーケット業界のノウハウを持ち込んだら、それは「新しい」のです。
「新しい組み合わせ」ということを理解すれば、天から素晴らしいアイデアが降ってこなくても、十分に新しいアイデアを生み出すことができるのです。
著者は、「アイデアは企画の素である」という定義をしています。「素」だから、完璧さは不要ですし、どんなに下らなくても、実現不可能でもOKなんです。
良く言われることだけど「一行でもOK」。でも、その代わりに必要なのは「量」。「量が質を生む」というのは、やっぱり真理でしょうね。量って、5~6個ではなくて、最低でも20~30は必要かな。
そして、大事なのは、下らなくても、実現不可能そうでも、何でも、必ず全部「紙に書く」ということなんだと。紙に書かないと、消えて行ってしまうから。
一方の「企画」とは、「予算と準備と時間さえあれば、実施できる目処が立つ計画」のこと。「企画の素」であるアイデアに、実現性を持たせると「企画」になるということです。
そして、この「企画書」には、あなたの新しいアイデアが盛り込まれていないと「新しく」ないのです。でも、一つの企画が、新しいアイデアばかりで構成されている必要もありません。
企画の核となるアイテムが、あなたや会社にとって新しければ、それで十分だということです。
ってことで、いきなり企画が生まれることはないんです。何十、何百というアイデアの残骸を乗り越えて、選び抜かれたアイデアが中心の核になって初めて、そこに「企画」が生み出されるのです。
本書の “さわり” というか、外堀の紹介だけで終わらせる積りでしたが、久しぶりに読んでみると忘れていた「考具」がいくつもあって、また使ってみたくなったので、次回へと続きます。
なので、記憶というよりも想像に近い感じですが、「優れたアイデアさえあれば、その実現に必要なお金や人はいくらでも集まってくる」ってな話だったんじゃないかな。
“アイデア” って一括りで言ってしまうと、広がり過ぎてボヤーってしてしまうけど、ま、大体の印象は伝わるでしょう。
わたし自身もアイデアを必要とする場面がたくさんある(アイデア欠乏症に陥ってる?)ので、このブログでも、アイデア関連の本は何冊か紹介してきました。
有名なところでは、古典的名著と言われるジェームス・W・ヤングの 『アイデアの作り方』とか、フレドリック・ヘレーン 著 『スウェーデン式アイデア・ブック』という本も紹介したことがあります。
あるいは、小山薫堂さんの『考えないヒント』や、安達元一の 『視聴率200%男』という、放送作家を生業(の一つ)としている方々の本を紹介したこともありますが、これも“アイデア”の本でした。
“アイデア” について何度も繰り返し紹介しているのは、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」というジェームス・ヤングの言葉。
そしてアイデアとは、「神の啓示の如く、ある日突然降ってくる物」ではなくて、自動車の製造と同じように一定の明確な過程であり、従ってその「方法」は訓練することが出来るんです。
アイデアを考えるための道具
アイデアを生産するための訓練方法というか、その過程で使えそうな「道具」を紹介してくれてるのが、加藤昌治さんの『考具』という本。2003年発売の本なので、既に10年以上経っていますが、いまだにAmazon 売れ筋ランキングの「ビジネス企画」というカテゴリで5位に入っています。
(因みに『アイデアの作り方』は、「心理学入門」なんてカテゴリに入っているし(7位)、『スウェーデン式アイデア・ブック』は「外国のエッセー・随筆」に分類されてました)
本書は、(この手の本によくある?)単なる精神論や企画書の書き方を教えるものではありません。
目指したのは、スキーのインストラクターのように、「ほら、こうやって身体を動かしてみて!」といった具体的な方法論。
そういったこともあってか、内容的には「おお、これは斬新!」というものではなく、一つひとつの「考具」は誰もが一度や二度は聞いたことがあるものなんじゃないかな。
でも、こうやって整理して目の前に提示してもらうと、自分でもこれを使って素晴らしいアイデアを生み出せるかも、って気になります。
100組、200組と、新しい「組み合せ」を考えてみる
さて、具体的な「考具」の前に、アイデアや企画を考えるとはどういうことなんだろう?という外堀から埋めていくことに。アイデアや企画は、[WHAT]と[HOW]という2つの要素に大別されるとのこと。「何を」、「どうするのか」、ということですね。どんな課題を、どうやって解決するのか、という言い方も出来るかな。
そして、アイデアや企画を考えるには、順番があるそうです。それは、
「わがまま」→「思いやり」
という順番。最初に「自分の思い」があって、その思いを「社会に適合」させていく順序が大切。最初から相手に合わせてしまうと、出てくるアイデアがショボくなってしまうから。
ここでもう一度、ジェームス・ヤングの言葉を繰り返しますね。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
要は、ゼロから生まれるアイデアは存在しないということ。どれほど素晴らしいアイデアであっても、その発想の素になったアイデアがあるのです。
そして、「新しいアイデア」って言われると、誰も考えつかなかったような大発明を探してしまいますが、それは意味がないんだと。
なぜなら、私たちが欲しいのは「自分」の仕事や生活で役立つ実践的なアイデアや企画だから。
つまり自社にとって、あるいは自分の生活にとって新しければ、それは「新しい」ということ。たとえば書店業界に、スーパーマーケット業界のノウハウを持ち込んだら、それは「新しい」のです。
「新しい組み合わせ」ということを理解すれば、天から素晴らしいアイデアが降ってこなくても、十分に新しいアイデアを生み出すことができるのです。
アイデアは企画の素
ところで、「アイデア」と「企画」の違いとは何でしょうか?著者は、「アイデアは企画の素である」という定義をしています。「素」だから、完璧さは不要ですし、どんなに下らなくても、実現不可能でもOKなんです。
良く言われることだけど「一行でもOK」。でも、その代わりに必要なのは「量」。「量が質を生む」というのは、やっぱり真理でしょうね。量って、5~6個ではなくて、最低でも20~30は必要かな。
そして、大事なのは、下らなくても、実現不可能そうでも、何でも、必ず全部「紙に書く」ということなんだと。紙に書かないと、消えて行ってしまうから。
一方の「企画」とは、「予算と準備と時間さえあれば、実施できる目処が立つ計画」のこと。「企画の素」であるアイデアに、実現性を持たせると「企画」になるということです。
そして、この「企画書」には、あなたの新しいアイデアが盛り込まれていないと「新しく」ないのです。でも、一つの企画が、新しいアイデアばかりで構成されている必要もありません。
企画の核となるアイテムが、あなたや会社にとって新しければ、それで十分だということです。
ってことで、いきなり企画が生まれることはないんです。何十、何百というアイデアの残骸を乗り越えて、選び抜かれたアイデアが中心の核になって初めて、そこに「企画」が生み出されるのです。
本書の “さわり” というか、外堀の紹介だけで終わらせる積りでしたが、久しぶりに読んでみると忘れていた「考具」がいくつもあって、また使ってみたくなったので、次回へと続きます。
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