御車山祭り




富山県高岡市の高岡御車山(みくるまやま)祭りは、高岡関野神社の春季例祭として毎年5月1日に行われている伝統的な行事で、国の重要有形民族文化財、無形民俗文化財の両方に指定されるとともに、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
この御車山は全部で7基あって、それぞれに別々の神々が宿っているとされ、優雅な囃子とともに車輪の独特な軋み音を響かせながら高岡の旧市街を練り歩く姿は、400年以上も昔にタイムスリップするようで、北陸新幹線が開通して間もないこの地にあって往時が偲ばれます。
今から遡ること1588年に初代加賀藩主前田利家が豊臣秀吉から御所車を拝領しました。
そして、二代目加賀藩主前田利長が高岡の地に高岡城を築城した際に、築城の記念としてこの御所車を高岡の町民に与えました。
それがきっかけとなって以降、高岡の伝統的な金工、漆工、染色工の技術の粋によって7基それぞれに異なる鉾を立てるなどして、日本でも屈指の華やかな御車山として生まれ変わったのです。
つい先ごろ行われた今年の御車山祭りは素晴らしい好天に恵まれて、全国から大勢の観光客で大変に賑わいました。