抗炎症薬
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抗炎症薬(こうえんしょうやく、Anti-inflammatory)とは炎症を抑える医薬品の総称である。炎症そのものは異物の侵入や組織の障害といった生体組織にとって好ましくない刺激が発生した時に免疫系が引き起こす局所的な防御反応であるが、生体にとっての非自己の排除を助ける一方で自己である生体そのものにも一定の損傷や苦痛を引き起こす性質も持つ。医療に際して、生体の引き起こした炎症が過剰に人体を傷つけているアレルギー疾患や、外部から炎症を引き起こす生理活性物質が注入されることによって起こるスズメバチ刺傷、ドクガ刺傷などの治療に際してはこの炎症のデメリットを抑制する必要があり、そうした目的で用いられる医薬品が抗炎症薬である。主にステロイド系抗炎症薬と非ステロイド系抗炎症薬の2種類に分類される。
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- 1 抗炎症薬とは
- 2 抗炎症薬の概要
抗炎症薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 02:53 UTC 版)
経口ステロイド薬 1950年代にコルチコステロイドが精製されるとすぐに喘息の治療に用いられた経歴がある。気管支拡張薬で反応しなかった重度の喘息でも極めて有効であったが、長期にわたって全身投与を行うと多くの有害な副作用が出現するため、緊急時の短期間投与のみが行われる。例外としてはステロイド依存性喘息であり、やむをえず、長期ステロイド全身投与を行う。民間療法でステロイドの有害性を過度に強調する情報があるが、これらは吸入ステロイドをはじめとする治療ができる以前の報告である。 吸入ステロイド薬(ICS) 喘息長期管理薬の第一選択として用いられるが、ICS/LABA合剤の一つであるBudesonide/Formoterolは発作治療薬としても使われることがある(SMART療法)。バイオアベイラビリティ(吸収されて血流中に残り、全身に分布する量)が低い薬剤が用いられるため、全身性の副作用(高血圧、肥満、骨粗しょう症、身長の伸びの抑制など)はほとんどないと考えられている。薬物量においても、全身投与ではmg単位必要であるのに対して、吸入ではμg単位で治療が可能である。嗄声、口腔内カンジダなどの副作用は起こりえるが、吸入直後に入念なうがいをして喉と口腔内から薬剤を洗い流すことで防ぐことができる。ICSを低用量から高用量へ増量するよりも低用量ICSにLABAやLTRAあるいはLAMAを併用した方がコントロールが良くなる傾向がある。このような報告や吸入薬は全身影響が少ないこともあり、合剤が販売されるようになっている。ICS/LABA合剤として、アドエア、シムビコート、ブデホル、レルベア、フルティフォーム、アテキュラがあり、ICS/LABA/LAMA合剤において、エナジア、テリルジーに気管支喘息の適応がある。気管支喘息において、これらの合剤は、リスクを上げることなく発作を減らすことが報告されている 吸入器には定量噴露吸入器(pMDI)と自己吸気によるドライパウダー吸入器(DPI)が存在する。フルタイドディスカス・ロタディスク、パルミコート・タービュヘイラー、アズマネックスツイストヘラー、アニュイティエリプタといったドライパウダー製剤、キュバール(ベクロメタゾン)、オルベスコ(シクレソニド)、フルタイド・エアーといったガス噴霧製剤(エアロゾル)がある。またドライパウダー製剤・ガス噴霧製剤などが上手に吸入できない小児などのために、デポ・メドロール(酢酸メチルプレドニゾロン)、パルミコートにはネブライザーで吸入できる吸入液がある。ガイドラインに基づく治療をしている場合はLABA、LAMAと併用を行う場合が多いため、ICS/LABA合剤あるいはICS/LABA/LAMA合剤は、携帯する薬品、吸入回数が減ることで利便性が高い。 ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA) 代表的な経口喘息治療薬。軽症や吸入ステロイド薬の使用が困難である症例においては単独で使用されることが多い。中等症〜重症では一般的には吸入ステロイド薬の併用薬として使用される。リモデリング予防・改善効果、運動誘発性喘息、アスピリン喘息、鼻閉を伴うアレルギー性鼻炎や月経困難症および子宮内膜症の合併では特に使用を推奨されている。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグストラウス症候群)発症のリスクの可能性が指摘されたが、否定的な報告もある。代表的なLTRAには、プランルカスト(商品名オノンなど)、モンテルカスト(商品名シングレアなど)がある。効果発現は薬剤によってことなるが、プランルカストでは2週間、モンテルカストでは1日で自覚症状が改善するというデータがある。アトピー性が多い小児では好まれる。プランルカストは小児の場合は1歳以上に適応があり、カプセル(112.5mg)とドライシロップ(10%)の製剤が知られており7mg/Kg/dayで最大量は450mg/dayである。朝夕に分服する。モンテルカストはチュアブル錠(5mg)が6歳以上15歳未満、細粒(4mg)が1歳以上6歳未満の適応があり、1日1回1錠を就寝前に投与される。特に小児ではJPGL2008ですべてのステップで第一に推奨されている薬剤である。ただしロイコトリエンが関与しない喘息もあり、約60%の患者に効果がみられる。 ケミカルメディエーター遊離抑制薬 クロモグリク酸吸入液(DSCG、インタール等)は肥満細胞の脱顆粒を抑制する薬である。直前に1回吸入するだけで運動や抗原吸入によって引き起こされる気管支収縮を軽減できる。しかし、その効果は吸入ステロイドに劣り、また発作の治療に用いることもできない。非アトピー性が多い成人の喘息では用いる機会はかなり少ないものの、アトピー性が多い小児喘息では比較的効果があり有害な副作用がないということもあり小児科では非常に好まれる薬物である。クロモグリク酸吸入液は(20mg/2ml)で1回1Aで一日3回から4回、電動式ネブライザーを用いて治療を行う。 抗アレルギー薬 スプラタミド、ケタスなどといった化学伝達物質阻害剤、ケトチフェン、アゼラスチンといった抗ヒスタミン剤なども処方されることがある。one airway one diseaseという考え方が提唱されており、喘息とアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を同時に治療すると効果的と考えられている。
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「抗炎症薬」の例文・使い方・用例・文例
- 非ステロイド性の抗炎症薬(商標名カタフラム)
- 経口投与のみの、非ステロイド性抗炎症薬(商標名ボルタレン)
- 非ステロイド性の抗炎症薬(商標名ロヂン)
- 経口で投与される非ステロイド性の抗炎症薬(商標名Torodal)
- 関節炎の治療に使われる非ステロイド性抗炎症薬(商標名メクロメン)
- 関節炎、筋骨格の炎症、および中程度の痛みの治療に使用される非ステロイド性抗炎症薬(商標名ナプロシン)
- ステロイドを含まない抗炎症薬
- 非ステロイド性抗炎症薬はコックス1およびコックス2酵素の活動を抑制する
- 非ステロイド性の抗炎症薬(商標名Daypro)
- 非ステロイド性の抗炎症薬(商標名クリノリル)
- 非ステロイド性の抗炎症薬(商標名トレクチン)
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