増量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 15:31 UTC 版)
2006年のシステマティックレビューは、増量を推奨する証拠がないことを確認した。パロキセチンの増量は、血中濃度では増加するものの、セロトニン受容体での占有率を増加させていないため、著者はSSRIの増量は推奨できないとしている。フルオキセチン(日本では未認可)、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、セルトラリン、フルボキサミンでのメタアナリシスで、反応率は通常の開始用量の50.8%に対して高用量で開始した場合は54.8%であり、有害事象による中止率は通常量9.8%に対して高用量16.5%であり、有害事象のリスクのほうが高まった。 三環系(イミプラミン、クロミプラミン)、四環系(マプロチリン)、SSRI(フルオキセチン(日本では未認可)、シタロプラム、フルボキサミン、ミルナシプラン、セルトラリン、パロキセチン、ベンラファキシン)、MAOIs(イソカルボキサジド、フェネルジン(英語版)、モクロベミド(英語版))、非定型抗うつ薬(ネファゾドン(英語版)、ミナプリン(英語版)、ロリプラム)を、イミプラミン等価換算で有効性をメタアナリシスした研究があり、高用量は改善率を上昇させないが有害事象の発現率を上げていることが示されている。 17種類の抗うつ薬のイミプラミン等価換算での有効性の比較(PMID 10533547より作成)投与量偽薬群100mgまで200mgまで250mgまで250mg以上改善率 34.8% 46.0% 53.3% 46.3% 48.3% 有害事象発現率 1倍 1倍 1.5倍 1.63倍 2.18倍 高用量の抗うつ薬によるハミルトンうつ病評価尺度の改善度は、9.97点であったのに対し、低用量では9.57点であり、臨床的には無視できるほどの差であった。解析に使用されたのは、フルオキセチン(プロザック(日本では未認可))、パロキセチン(パキシル)、セルトラリン(ゾロフト)、ベンラファキシン(イフェクサー))、ネファゾドン(サーゾーン)、およびシタロプラム(セレクサ)のデータである。
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