抗真菌薬
【概要】 真菌(かびの仲間)感染症の治療薬。皮膚感染症以外の深在性真菌症の治療薬は次の通り。
【詳しく】 ポリエン系のアムホテリシンB(商品名:ファンギゾン)は注射、錠剤、シロップ。イミダゾール系ではフルコナゾール(商品名:ジフルカン)は注射とカプセル。ホスフルコナゾール(商品名:プロジフ)はフルコナゾールのプロドラッグで注射剤。髄膜炎など深在性真菌症にも適応。ミコナゾール(商品名:フロリード)は膣座薬と注射とゲル剤。イトラコナゾール(商品名:イトリゾール)は内服薬のみ。クロトリマゾール(商品名:エンペシド)はトローチ、クリーム、ゲル、液、膣錠。ボリコナゾール(商品名:ブイフェンド)は内服薬でアスペルギルス属にも有効。キャンディン系ではミカファンギンナトリウム(商品名:ファンガード)は注射剤。フルコナゾール耐性のカンジダやアスペルギルス属にも有効。代謝拮抗剤であるフルシトシン(5FC、商品名:アルシトシン、アンコチル、スコール)は錠剤で、単独では耐性を作りやすく、アムホテリシンBとの併用効果がある。
抗真菌薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 17:15 UTC 版)
抗真菌薬(こうしんきんやく、英語: antifungal drug)とは、真菌の生育を阻害する医薬品である。真菌症の治療や、農薬として用いられる。真菌の細胞膜の構成成分の1つであるエルゴステロールと結合して細胞膜の機能を阻害するポリエン系抗真菌薬(ポリエンマクロライド系)の他、ラノステロールからエルゴステロールの生合成を阻害するアゾール系抗真菌薬、β-Dグルカン合成酵素を阻害し細胞壁合成を阻害するキャンディン系抗真菌薬、DNA合成を阻害するピリミジン系抗真菌薬などの核酸の代謝に関わる薬物を含む。
- ^ a b c 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.233 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ a b c 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.238 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.236 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ 佐藤 哲男・仮家 公夫・北田 光一(編集)『医薬品トキシコロジー(改訂第3版)』 pp.16-19 南江堂 2006年4月15日発行 ISBN 4-524-40212-8
- ^ 岩川 愛一郎(監修) 水嶋 昭彦(著)『検査数値と病気がわかる 内臓のしくみとはたらき』 p.174 日本文芸社 2013年8月15日発行 ISBN 978-4-537-21126-9
抗真菌薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 21:45 UTC 版)
「抗真菌薬」も参照 ポリエンマクロライド系はエルゴステロールと呼ばれる真菌の細胞膜に特徴的なステロールに結合する。この結合によりエルゴステロールが細胞膜から奪われ、機能を阻害することで真菌に対する毒性を示す。代表例として放線菌の一種Streptomyces nodususが産生するアムホテリシンBが知られ、重篤な全身性の真菌感染症の治療に使用される。 他にも真菌の細胞壁の成分である1,3-β-グルカンの合成を阻害するキャンディン系が知られる。キャンディン系抗生物質のミカファンギンは、福島県いわき市の土壌から分離された真菌の一種、Coleophoma empetri F-11899が産生する前駆物質を修飾して得られる抗真菌薬で、他の抗真菌薬に耐性を示す真菌にも使用される。
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