伊豆大島(東京都)
758m 北緯34度43分29秒 東経139度23分41秒 (三原新山) (世界測地系)
概 要
北北西-南南東13㎞、東北東-西南西9㎞の火山島。主に玄武岩(SiO2 51~53%)からなる成層火山。頂上部にカルデラと中央火口丘三原山がある。カルデラの直径は3~4.5㎞で東方に開く。三原山の火口(直径800m)内の地形は、火山活動の盛衰に応じ、絶えず変動。
大島火山は、数万年前から活動を始め、緩傾斜の主成層火山体と北北西-南南東方向の割れ目火口から噴出した多数の側火山がある。5、7世紀の爆発的噴火で、山頂部に相接して2つのカルデラが生じた。その後の溶岩はカルデラ底を埋積しながら北東方向に流下し、海岸に達している。カルデラ形成後、1777年まで10回の大噴火(1回の噴出量数億トン)、1777年以後数千万トン程度の中規模噴火が1912、1950年および1986年に始まり(33~38年間隔)、それらの間に20回以上の小噴火がある。大噴火は初期にスコリア放出・溶岩の流出、その後(10年程度?)火山灰の放出が続く。中噴火はスコリア、溶岩の噴出、小噴火は噴石、火山灰の放出など。海岸近くではマグマ水蒸気爆発も起きている。
1552~1974年の噴火は三原山火口か、その周辺のカルデラ底で発生したが、1986年噴火は三原山火口内(A火口)と割れ目火口(カルデラ底:B火口、カルデラ縁外側の山腹斜面:C火口)で起こった。ストロンボリ式またはハワイ式の噴火が特徴。噴火前兆あるいは活動と関係する地殻変動、地震・微動、地磁気、比抵抗等の変化が観測されている。島民約9000名(平成16年)。
最近1万年間の火山活動
伊豆大島には、1万年前以降の火山活動よって主に降下テフラからなる古期大島層群が広く分布しており、95部層に達する。その後、約1500年前に中央部のカルデラが形成された。その際に、島全体を広く覆う火砕流あるいは岩屑なだれ堆積物であるS2層が堆積した。この層をふくむ上位の降下火山灰層は新期大島層群と呼ばれ、24枚の降下スコリアの単位が確認されている。この間の活動で、カルデラ床が埋め立てられるとともに中央火口丘である三原山が形成された。また、側噴火の活動もあり、歴史時代にも9回発生したことがわかっている。伊豆大島の活動は、基本的には降下スコリアと溶岩流が活動の中心であるが、島全体を覆うような水蒸気爆発ないし岩屑なだれの堆積は、約8000年前の041の時期にもあり、S2と同じようにカルデラの形成と関連していると考えられている(田沢,1989;川辺,1991;小山・早川,1996;小山,1998)。
記録に残る火山活動
火山観測
気象庁では、地震計,空振計,傾斜計,GPS,体積歪計 ,光波距離計,遠望カメラを設置し、伊豆大島の火山活動の監視・観測を行っています。
火山活動解説資料
伊豆大島
伊豆大島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 18:25 UTC 版)
伊豆大島では1970年の台風被害で「都立大島公園」内にある動物園の柵が壊れ、逃げ出した十数頭が天敵のない島全域で野生化したとされている。1973年8月には動物園に近い都道で轢死したメスの個体が発見され、妊娠していたとの記録がある。東京都では2007年度から駆除を開始した。2010年度の調査から個体数が約3,250頭と推計されたため、2012年度より毎年1,000頭のペースで捕獲し、5年後をめどに根絶する計画が立てられた。2014年度までほぼ計画どおりに捕獲が進められたが、農作物被害や市街地での目撃情報は増加の一途をたどった。これにより都が調査方法に誤りがあったとして、基礎データを増やし2014年度中に個体数を再調査したところ、島民の人口8,300人を上回る11,000頭と推計された。計算上では駆除しても毎年15%の割合で増え続けているとみられ、従来のペースの2倍から3倍ほど捕獲しても増加を食い止めるのがやっとであり、都は大幅な防除計画の見直しを迫られている。同島では特産品のアシタバを主とした農業被害が深刻さを増し、2014年度の被害総額は380万円に上っている。 2017年時点では13,000頭程度へ増加していると推定され、絶滅危惧種である植物キンランへの食害や自動車との交通事故も発生している。このため東京都は2017年5月にキョン対策を本格化させると発表。地元と協力してキョン捕獲チームを結成し、チーム名を公募した結果、2017年10月26日に「キョンとるず」と決定したことを発表した。 その後はハンターによる駆除が行われ、東京都は、2018年末時点の推定生息数は前年同期比5%減の約1万5500頭で、減少に転じたと判断している。
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「伊豆大島」の例文・使い方・用例・文例
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