ギシギシとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ギシギシの意味・解説 

ぎし‐ぎし

【一】[副]

堅い物のこすれ合う音や木が強くきしむ音を表す語。「—(と)音のする階段

すきまもないほど詰まっていくさま。

老若男女が—と詰め掛けていた」〈鴎外独身

容赦なく厳しくものを言うさま。

「ここな人、あんまり—言はしゃるな」〈浄・五羽子板

【二】形動すきまがほとんどなく窮屈なさま。

「十畳でも…かなり—で」〈志賀・襖〉

アクセント【一】シギシ、【二】はギシギシ

「ぎし‐ぎし」に似た言葉

ぎし‐ぎし【羊蹄】

読み方:ぎしぎし

タデ科多年草道端にみられ、高さ1メートル達する。直立し下部長い柄をもち、長楕円形。夏、小花円錐状に密につき、実は三角形褐色民間で、根をおろして絞った汁を皮膚病用いる。し。しのね。しぶくさ。《 春 花=夏》「—も雀隠れの穂をあげし/禅寺洞」


羊蹄

読み方:ギシギシ(gishigishi), シノネ(shinone)

タデ科大形多年草


ギシギシ

ギシギシ
科名 タデ科
別名: -
生薬名: ヨウテイ羊蹄
漢字表記 羊蹄
原産 日本朝鮮半島中国
用途 湿地自生する多年草。根をヨウテイ羊蹄」といい、ダイオウ大黄」の代用として緩下剤などに用いられます。
学名: Rumex crispus L.
   subsp. japonicus Kitam.

牛舌

読み方:ギシギシ(gishigishi), ウシノシタ(ushinoshita)

タデ科多年草薬用植物

学名 Rumex japonicus


羊蹄

読み方:ギシギシ(gishigishi)

タウコギ別称
キク科一年草薬用植物

学名 Bidens tripartita


羊蹄

読み方:ギシギシ(gishigishi), シ(shi

タデ科多年草薬用植物

学名 Rumex japonicus


羊蹄

読み方:ギシギシ(gishigishi)

野原路傍川沿いの堤などに群生するタデ科野草酸葉混同され易い

季節

分類 植物


ギシギシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 04:53 UTC 版)

ギシギシ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: タデ科 Polygonaceae
: スイバ属 Rumex
: ギシギシ R. japonicus
学名
Rumex japonicus Houtt. (1777)[1]
シノニム
和名
ギシギシ
英名
Japanese dock

ギシギシ(羊蹄[8]学名: Rumex japonicus)はタデ科多年草。別名、シノネウマスカンポオカジュンサイなどともよばれる。生薬名および中国植物名は、羊蹄(ヨウテイ、拼音: yángtí=ヤンティ)[9]。市街地周辺から山地まで分布し、やや湿ったところに群生する。春から夏に淡緑色の花を房状に咲かせる。食べられる野草としても知られ、ぬめりのある春の若芽を採取して利用される。根は便秘や皮膚炎に薬用される。

名称

和名の由来は諸説あるが、正確な語源は明確ではない[10][11]。京都の方言に由来するという説や、子供たちの遊びで茎をすり合わせてギシギシという音を出していたことからこの名があるという説[10][11]が言われているほか、実が詰まってついていて、穂を振るとギシギシと音を立てるからともいわれる[12]。古い名称は(し)で、根を薬用にしたため「之の根」(シノネ)の別名が生まれている[10]

日本の地方によって、さまざまに呼び名が変わり、イヌスイバ[13]、ウマスカンポ[9][14][8][13]、ウマスイコ[8]、ウマスイバ[8]、ウマスイベ[9]、オカジュンサイ[14][8][13]、オスシグサ[14]、イチシ[15]、ウシグサ[16]、ウシシーシー[15]、ウマスカナ[15]、ウマズイコ[15]、ウマノスカンコ[15]、シブクサ(しぶ草)[15]、シノネ[10][15]ともよばれている。花言葉は「忍耐」「隠れ話」「抜け目のなさ」「朗らか」である[15]

漢名(中国名)で「羊蹄」と書くのは、花の形がに似ているからだとされている[12]

分布・生育地

日本の全土(北海道本州四国九州沖縄[17])、朝鮮半島中国千島列島樺太の市街地周辺から山地に分布する[11][18][19]。やや湿った道ばたや野原、山野、土手、公園や、水辺、湿地、田のあぜなどに群生する[10][19]。低地から海抜1000メートル (m) くらいの高所にかけて、群生することが多い[14]。ギシギシは水脈に沿って群生しやすいため、地下水位を知る指標植物のひとつになっている[8]

小川の土手に生えているギシギシ

形態・生態

草丈は、40 - 130センチメートル (cm) 前後になる[15][19]は黄色く、太くて堅い[8][17]。春から夏に伸びるは直立して高さ1メートル (m) 内外になり、茎の際から束になってが生える[19]。早春に出る根生葉は、長さ10 - 25 cmの長楕円形で長い柄があり、先端が尖って[14]、基部がハート形に丸みを帯びるが[20]、上部の葉は柄が無く幅も狭くなる[21]。葉の縁は大きく波打つ[18]。根生葉は花期にはほとんど枯れる[17]

春から夏にかけ(5 - 8月ころ)、分枝した茎の先に花穂を伸ばし、上部で分枝し多数の円錐花序総状花序とも[8])を出す[10][19]。立ち上がった長い花茎には、節から輪生状に、薄緑色で目立たない小さいを鈴なりにつける[10][16][18]。花は花弁をもたず、6片の(花被片)からなり、それらが2列に並ぶ[18][17]

花が終わると内側の3つの萼が発達し翼片状となって、中央部が次第にこぶ状に膨らんで、3つの稜のある痩果を包み、たくさんつける[16][18][22]。この翼は心形で縁に微細な鋸歯がある[18][22]。こぶ状の膨らみは3個で同じ大きさになる[17]。実は熟すと、緑色から褐色へと変化する[16]。痩果は3稜形で両端が尖っており、茶褐色をしている[22]

花を咲かせるのは初夏であるが、秋には発芽して、茎をのばさずに、地面にへばりつくように株の中心から放射状に多くの葉を広げたロゼット状態の姿で冬の寒さを越す[23]

利用

根は緩下剤や皮膚病の薬になるほか、葉を開く前の若芽は食用になる[17]

薬用

根や根茎には、エモジンやチリソファノールなどのアントラキノン誘導体アントロンタンニンが含まれている[10]。アントラキノン誘導体には緩やかに便通をよくする緩下作用があり、緩下薬として古くから知られている[10]。また、タンニンには組織細胞を引き締める収斂作用があり、腫物などの炎症を鎮める消炎薬に用いられている[10]

地上部が枯れ始める10月ごろには根を掘り上げて水洗いして土砂を取り除き、厚さ5cmに刻んで天日干しにしたものが生薬になり、羊蹄根(ようていこん)[8]、もしくは羊蹄と称されている[10][9]

便秘の緩下薬として、羊蹄根1日量3 - 10グラムを約400 - 600ccの水で半量になるまで煎じ、3回に分けて服用する方法が知られている[10][9]民間薬としては、生の根をすりつぶしていんきんたむしなどの皮膚病や、おでき腫れ物などの患部に直接につける用法が知られている[10][9]。胃腸が冷えやすい人や、妊婦への服用は禁忌とされている[9]

食用

早春の時期(2 - 3月)、葉が開ききる前の鞘に包まれた若芽は日本の東北地方で山菜として食用されており、透明なぬめりがある液体に覆われていて独特の食感があることから方言で「オカジュンサイ」と称されている[10][19][8]。利用する若芽は丸く巻き、薄い皮を被って透明な粘液に包まれているため手でちぎることはできず、ナイフなどを使って採取される[13]

若芽は袋状のさやを取り除いて軽くゆでて水にさらして灰汁を抜き、お浸し和え物煮浸し三杯酢、汁の実などに調理される[10][19][8]。多少のクセがあるため、生の若芽を塩漬けぬかみそ漬けにしても食べる[14][13]シュウ酸を含むため、生食や多食は避けるよう注意喚起されている[13]。近縁種のスイバの若葉は酸味があるが、ギシギシと同様に食用される[10]

近縁種

外見がよく似た仲間にスイバ(タデ科)がある[8]。ギシギシはが黄色いのが特徴で[9]、スイバの葉は細長い三角形で基部が矢じりのようになっているが、ギシギシの葉では基部が丸みを帯びているので区別ができる[8][20]。また、スイバの葉は赤みを帯びていて上部は茎を抱くが、ギシギシの葉は鮮やかな緑色をしていて茎を抱かない点や[15]、スイバの方が草丈80 cmでやや小型であること、花穂が赤味を帯びる点でも区別できる[8]

ギシギシの近縁種に、ユーラシア原産の帰化植物で、葉が細長くて波を打つナガバギシギシ、ヨーロッパ原産で北海道に帰化し、葉が大きくて中脈が赤みを帯びるエゾノギシギシ、明治時代にヨーロッパから帰化したアレチギシギシなどがある[16][12]。葉の縁が波打っているものは、日本へ移入してきた外来種であり[10]、ヨーロッパ原産の帰化雑草である[12][24]

脚注

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rumex japonicus Houtt. ギシギシ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月14日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rumex japonicus Houtt. var. yezoensis (H.Hara) Ohwi ギシギシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月14日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rumex crispus L. var. japonicus Makino ギシギシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月14日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rumex crispus L. subsp. japonicus (Houtt.) Kitam. ギシギシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月14日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rumex japonicus Houtt. var. sachalinensis (Regel) H.Hara ギシギシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月14日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rumex yezoensis H.Hara ギシギシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月14日閲覧。
  7. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rumex regelii F.Schmidt ギシギシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月14日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n 高野昭人監修 世界文化社編 2006, p. 19.
  9. ^ a b c d e f g h 貝津好孝 1995.
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 田中孝治 1995.
  11. ^ a b c 日野 東 2009, p. 287.
  12. ^ a b c d 稲垣栄洋 2018, p. 135.
  13. ^ a b c d e f 金田初代 2010, p. 20.
  14. ^ a b c d e f 奥田重俊監修 講談社編 1996, p. 15.
  15. ^ a b c d e f g h i j 稲垣栄洋 2018, p. 134.
  16. ^ a b c d e 亀田龍吉 2012.
  17. ^ a b c d e f 山田孝彦・山津京子 2013, p. 97.
  18. ^ a b c d e f 近田文弘監修 亀田龍吉・有沢重雄著 2010, p. 192.
  19. ^ a b c d e f g 高橋秀男監修 田中つとむ・松原渓著 2003, p. 14.
  20. ^ a b 田中修 2007, p. 164.
  21. ^ 長田武正 1981, p. 384.
  22. ^ a b c 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2018, p. 119.
  23. ^ 田中修 2007, p. 165.
  24. ^ 近田文弘監修 亀田龍吉・有沢重雄著 2010, p. 193.

参考文献

関連項目

  • イラクサ
  • ギシギシ(競走馬) 南関東大井競馬所属の競走馬。28戦10勝(うち重賞2勝)(2024年4月10日現在)。本種が牧場に自生していたことが命名の由来。

「ギシギシ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「ギシギシ」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
羊蹄 デジタル大辞泉
100% |||||


5
100% |||||

6
100% |||||

7
100% |||||




ギシギシのお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ギシギシのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
がん情報サイトがん情報サイト
Copyright ©2004-2025 Translational Research Informatics Center. All Rights Reserved.
財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
エーザイエーザイ
Copyright(C) 1996-2025, Eisai Co., Ltd. All rights reserved.
エーザイ薬用植物一覧
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのギシギシ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS