キク科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/15 12:16 UTC 版)
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キク科 | ||||||||||||||||||||||||
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ユリオプスデージー Euryops pectinatus | ||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||
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亜科 | ||||||||||||||||||||||||
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キク科(キクか、学名:Asteraceae、保留名:Compositae)は、被子植物真正双子葉類に属する1分類群である。キク科は最も種類が多い双子葉植物とされている[1][2]。
特徴
キク、タンポポのように小さな花(小花)がたくさん集まり、さらにそれが一個の花に見える点が形態上の主な特徴である。このような花の形状を頭状花序(とうじょうかじょ、略して頭花)という。また、その基部の、ガク(萼)のように見える部分を総苞片(そうほうへん)と称す。頭状花序(頭花)をつくる小花には、筒状花(管状花)と舌状花の二種類がある。ハハコグサは前者のみで花ができており、タンポポは後者のみで構成される。ヒマワリの花では、周囲を舌状花、中央を筒状花が占める。普通、花が筒状花のみまたは周囲に舌状花を持つキク亜科と、舌状花のみからなり茎葉に乳液を含むタンポポ亜科とに分類される。キク亜科をさらに数亜科に分けることもある。
世界ではおよそ950属2万種、日本では約70属360種のキク科植物が知られており、地球上のほとんどの地域で生育可能である。またそのため、キク科には多くの栽培植物、帰化植物が存在している。
分類
古典的には、キク亜科 Asteroideae syn. Carduoideae とタンポポ亜科 Cichorioideae に分けられていたが、後者は側系統であり、いくつかの亜科に分割された。
12の亜科に分類される。ただしそのうち4亜科が、99%の種を含む。原始的なものから順に、以下のとおり。
- Barnadesioideae - 9属93種、南米(主にアンデス山脈)
- Stifftioideae - 南米とアジア
- Mutisioideae ムティシア亜科 - 58属750種、南米
- Wunderlichioideae - 8属24種、主にベネズエラとガイアナ
- Gochnatioideae - 4–5属90種
- Hecastocleidoideae - Hecastocleis shockleyi のみ、合衆国南西部
- Carduoideae アザミ亜科 - 83属2500種、世界中
- Pertyoideae - 5–6属70種
- Gymnarrhenoideae - Gymnarrhena micrantha のみ、北アフリカ
- Cichorioideae タンポポ亜科 - 224属3200種、世界中
- Corymbioideae - Corymbium 7種のみ
- Asteroideae キク亜科 - 1130属1万6200種、全世界
ムティシア亜科
1連のみ。
アザミ亜科
3連からなる。
- アザミ連 Cynareae - ヒレアザミ属 Carduus、ヤグルマギク属(セントーレア)Centaurea、アザミ属 Cirsium、チョウセンアザミ属 Cynareae、ヒゴタイ属(エキノプス)Echinops、オオヒレアザミ属 Onopordum、トウヒレン属 Saussurea、トキワバナ属 Xeranthemum など
- Dicomeae
- Tarchonantheae
タンポポ亜科
9連と連未定の3属からなる。
- ハゴロモギク連 Arctotideae
- タンポポ連 Cichorieae - キクニガナ属(チッコリー属)Cichorium、フタマタタンポポ属 Crepis、ヤナギタンポポ属 Hieracium、エゾコウゾリナ属 Hypochaeris、アキノノゲシ属(レタス属) Lactuca、ヤブタビラコ属 Lapsan、コウゾリナ属 Picris、フクオウソウ属 Prenanthes、ノゲシ属 Sonchus、タンポポ属 Taraxacum、オニタビラコ属 Youngia など
- Eremothamneae
- Gorteriinae
- Gundelieae
- Liabeae
- Moquinieae
- Platycarpheae
- ショウジョウハグマ連 Vernonieae - ショウジョウハグマ属 Vernonia 、Cyanthilliumなど
- Distephanus
- Heterolepis
- Trichospira
キク亜科
21連からなる。
- キク連 Anthemideae - ノコギリソウ属 Achillea、アンセミス属 Anthemis、ヨモギ属(アルテミシア) Artemisia、キク属 Chrysanthemum、シュンギク属 Glebionis、フランスギク属 Leucanthemum など
- Athroismeae
- シオン連 Astereae - シオン属 Aster、アキノキリンソウ属 Solidago など
- Bahieae
- キンセンカ連 Calenduleae - キンセンカ属 Calendula など
- Chaenactideae
- ハルシャギク連 Coreopsideae - コスモス属 Cosmos、ハルシャギク属 Calliopsis、ダリア属 Dahlia など
- Doroniceae
- ヒヨドリバナ連 Eupatorieae - カッコウアザミ属(アゲラタム)Ageratum、ヒヨドリバナ属 Eupatorium など
- ハハコグサ連 Gnaphalieae - ハハコグサ属 Gnaphalium、ウスユキソウ属 Leontopodium など
- Helenieae
- ヒマワリ連 Heliantheae - センダングサ属 Bidens、ムラサキバレンギク属 Echinacea、ヒマワリ属 Helianthus、オオハンゴンソウ属(ルドベキア属)Rudbeckia、ヒャクニチソウ属(ジニア)Zinnia など
- オグルマ連 Inuleae - オグルマ属 Inula など
- Madieae
- メナモミ連 Millerieae - ローダンセ属 Rhodanthe、メナモミ属 Smallanthus など
- Neurolaeneae
- Perityleae
- Plucheeae
- Polymnieae
- キオン連 Senecioneae - ユリオプス属 Euryops、メタカラコウ属 Ligularia、サワギク属 Neosenecio、コウモリソウ属 Parasenecio、キオン属 Senecio、オカオグルマ属 Tephroseris など約150属
- コウオウソウ連 Tageteae - タゲテス属 Tagetes など
主な属のアルファベット順
A
- ノコギリソウ属 Achillea
- ノブキ属 Adenocaulon
- ノブキ A. himalaicum
- ヌマダイコン属 Adenostemma
- ヌマダイコン A. lavenia
- カッコウアザミ属(アゲラタム属) Ageratum
- オオカッコウアザミ A. houstonianum
- モミジハグマ属 Ainsliaea
- キッコウハグマ A. apiculata
- ニオイヤグルマ属 Amberboa
- ニオイヤグルマギク(スイート・サルタン)A. moschata
- ブタクサ属 Ambrosia
- ブタクサ A. artemisiifolia var. elatior
- カイザイク Ammobium
- ヤマハハコ属(アナファリス属) Anaphalis
- タカネヤハズハハコ A. alpicola
- エゾノチチコグサ属 Antennaria
- アンセミス属 Anthemis
- ゴボウ属 Arctium
- ゴボウ A. lappa
- ハゴロモギク属(アークトチス属) Arctotis
- ウサギギク属(アルニカ属) Arnica
- ウサギギク A. unalascensis var. tschonoskyi
- ヨモギ属 Artemisia
- シオン属(アスター属) Aster
- ヒロハホウキギク A. subulatus var. sandwicensis
- シオン A. tataricus
- ウラギク(ハマギク、シーアスター) A. tripolium
- オケラ属 Atractylodes
- オケラ A. japonica
- アゲラティナ属 Ageratina
- マルバフジバカマ Ageratina altissima
B
- バッカリス属 Baccharis ヒナギクの一種。原産はアメリカ・カリフォルニア州の太平洋沿岸[5]。
- ヒナギク属 Bellis
- ヒナギク B. perennis
- センダングサ属 Bidens
- センダングサ B. biternata
- アメリカセンダングサ B. frondosa
- コセンダングサ B. pilosa
- タウコギ B. tripartita
- ブラキスコメ属 Brachyscome
- ブラキラエナ属 Brachylaena
- ムフフ B. huillensis
- ブプタルマム属 Buphthalmum
C
- キンセンカ属 Calendula
- キンセンカ C. officinalis
- エゾギク属 Callistephus
- ガンクビソウ属(ヤブタバコ属) Carpesium
- ベニバナ属 Carthamus
- ベニバナ C. tinctorius
- ヤグルマギク属 Centaurea
- トキンソウ属 Centipeda
- キク属(クリサンセマム属) Chrysanthemum
- チコリウム属 Cichorium
- チコリー C. intybus
- アザミ属 Cirsium
- チョウカイアザミ C. chokaiense
- コレオステフス属 Coleostephus
- クリサンセマム・ムルチコーレ C. myconis
- イズハハコ属 Conyza
- キンケイギク属(ハルシャギク属、コレオプシス属) Coreopsis
- アキザクラ属(コスモス属) Cosmos
- チョコレートコスモス C. atrosanguineus
- オオハルシャギク C. bipinnatus
- キバナコスモス C. sulphureus
- アゼトウナ属 Crepidiastrum
- アゼトウナ C. keiskeanum
- フタマタタンポポ属 Crepis
- クロスペディア属 Crospedia
- Cyanthillium
- チョウセンアザミ属 Cynara
- アーティチョーク(チョウセンアザミ) C. scolymus
D
- ダリア属 Dahlia
- Delairea
- ワダンノキ属 Dendrocacalia
- デンドロセネキオ属 Dendrosenecio
- デンドロセネキオ・ケニエンシス(キャベツセネキオ)D. keniensis
- デンドロセネキオ・ケニオデンドロン(ジャイアントセネシオ)D. keniodendron
E
- ムラサキバレンギク属 Echinacea
- ムラサキバレンギク E. purpurea
- ヒゴタイ属 Echinops
- ウスベニニガナ属 Emilia
- ムカシヨモギ属(ヒメジョオン属、エリゲロン属) Erigeron
- ヒヨドリバナ属 Eupatorium
- フジバカマ E. fortunei
- ヒヨドリバナ E. makinoi
- サケバヒヨドリ E. laciniatum 分布:関東以西、四国、九州
- Eupatorium perfoliatum - Boneset
- ユリオプス属 Euryops
F
G
- テンニンギク属 Gaillardia
- テンニンギク G. pulchella
- コゴメギク属 Galinosoga
- ハキダメギク G. ciliata
- クンショウギク属(ガザニア属) Gazania
- ガーベラ属(センボンヤリ属) Gerbera
- シュンギク属 Glebionis
- ハハコグサ属 Gnaphalium
- ハハコグサ G. affine
- キバナタカサブロウ属 Guizotia
- キバナタカサブロウ(en) G. abyssinica
- ミヤマヨメナ属 Gymnaster
- ミヤコワスレ G. savatieri
- ミズヒマワリ属 Gymnocoronis
- ミズヒマワリ G. spilanthoides
- サンシチソウ属(ギヌラ属) Gynura
- スイゼンジナ G. bicolor
H
- ヒマワリ属 Helianthus
- ムギワラギク属 Helichrysum
- ヒマワリモドキ属(ヘリオプシス属) Heliopsis
- ヘリプテルム属 Helipterum
- ヤナギタンポポ属 Hieracium
- ヤナギタンポポ H. umbellatum
- スイラン属 Hololeion
- エゾコウゾリナ属 Hypochaeris
- ブタナ H. radicata
I
K
- ヨメナ属 Kalimeris
- ヨメナ K. yomena
L
- アキノノゲシ属 Lactuca
- コケセンボンギク属 Lagenophora
- コケセンボンギク L. gracilis
- ヤブタビラコ属 Lapsana
- コオニタビラコ(タビラコ) L. apogonoides
- センボンヤリ属 Leibnitzia
- センボンヤリ L. anandria
- ウスユキソウ属 Leontopodium
- ハヤチネウスユキソウ L. hayachinense
- フランスギク属 Leucanthemum
- メタカラコウ属 Ligularia
- オタカラコウ L. fischerii
M
- シカギク属 Matricaria
- カミツレ(カモミール) M. recutita
- メランポディウム属 Melampodium
- オオモミジガサ属 Miricacalia
O
- オステオスペルマム属 Osteospermum
P
- コウモリソウ属 Parasenecio
- カニコウモリ P. adenostyloides
- ペリカリス属 Pericallis
- シネラリア P. x hybrida
- コウヤボウキ属 Pertya
- フキ属 Petasites
- フキ P. japonicus
- コウゾリナ属 Picris
- プレウロフィリューム属 Pleurophyllum
- プレウロフィリューム・スペキオサム P. speciosum
- フクオウソウ属 Prenanthes
R
S
- スカレシア属 Scalesia
- トウヒレン属 Saussurea
- キクアザミ S. ussuriensis
- ホクチアザミ S. gracilis 分布は愛知県以西、四国、九州
- フタナミソウ属(スコルツォネラ属) Scorzonera
- キオン属(セネシオ、セネキオとも) Senecio
- ノボロギク S. vulgaris
- タムラソウ属 Serratula
- タムラソウ S. coronata subsp. insularis
- オオアザミ属(シリブム属) Silybum
- マリアアザミ S. marianum
- メナモミ属 Sigesbeckia
- メナモミ S. pubescens
- Smallanthus
- ヤーコン S. sonchifolius
- コケタンポポ属 Solenogyne
- コケタンポポ S. mikadoi
- アキノキリンソウ属 Solidago
- セイタカアワダチソウ S. altissima
- ミヤマアキノキリンソウ S. virgaurea
- ノゲシ属 Sonchus
- ステヴィア属 Stevia
- ステビア S. rebaudiana
- ヤブレガサ属 Syneilesis
- ヤブレガサ S. palmata
- ヤマボクチ属 Synurus
- オヤマボクチ S. pungens
T
- タゲテス属 Tagetes
- マリーゴールド Tagetes spp.
- ヨモギギク属 Tanacetum
- タンジー T. vulgaris
- シロバナムシヨケギク(除虫菊) T. cinerariifolium
- タンポポ属 Taraxacum
- オカオグルマ属 Tephroseris
- ニトベギク属(チトニア属) Titonia
- バラモンジン属(トラゴポゴン属) Tragopogon
- コトブキギク属 Tridax
- コトブキギク T. procumbens
U
- ウルシニア属 Ursinia
V
- ヴェニディウム属 Venidium
- ショウジョウハグマ属 Vernonia
X
Y
Z
- ヒャクニチソウ属 Zinnia
脚注
- ^ “キク科はなぜ最も進化した双子葉植物なのでしょうか?”. 一般社団法人 日本植物生理学会 (2008年12月15日). 2024年11月29日閲覧。
- ^ “植物形態学”. 福岡教育大学 福原 達人. 2024年11月29日閲覧。
- ^ 上田成子, 桑原祥浩, 平位信子 ほか、野菜類およびキノコ類の抗変異原性について」 『日本食品工業学会誌』 1991年 38巻 6号 p.507-514, doi:10.3136/nskkk1962.38.507
- ^ KADA, T., MORITA, K. and INOUE, T.: Mutation Res., 53, 351 (1978)., doi:10.1016/0165-1161(78)90008-0
- ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、337頁。
関連項目
外部リンク
キク科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 01:46 UTC 版)
キク科の植物は被子植物の中では最も繁栄しているものの1つで、世界中に2万種以上が自生している。日本における和名・通称では多くが「○○ギク」と呼ばれる。 日本には350種ほどが自生し、帰化植物は150種がある。そのうち、単に「キク」「野菊」と呼ばれるものは、以下のものがある。
※この「キク科」の解説は、「キク」の解説の一部です。
「キク科」を含む「キク」の記事については、「キク」の概要を参照ください。
「キク科」の例文・使い方・用例・文例
- キク科の植物の、キク科の植物に関する、または、キク科の植物に属する
- クローバーやキク科の一部などにおいて、短くてぎっしり詰まった花の房が非常に整列して並び、全体で単生花の効果を生じる
- ひも状の花冠を持つ小さな花で、キク科の花の周縁に輪になって並んでいる
- アザミやタンポポのようなキク科の植物の、鱗片・剛毛あるいは羽毛状の毛でできた萼
- 乾燥しても形や色が失われない花を持つ、キク科のいろいろな属の各種の植物の総称
- 分類法によっては、ブタクサ類を含むキク科を下位グループとする独立した科とされる
- キク科ヨモギ属の各種低木および草本の総称で、香りのある緑あるいは灰色がかった葉を持つ
- キク科ヨモギ属またはセリフィディウム属のいくつかの丈の低い草本の総称
- キク科ヨモギ属の数種の雑草の総称
- よく発達した舌状花が通常一重の輪に配列された頭花を持つ、数多い各種のキク科の植物の総称
- キク科植物
- とげの多いふちのある葉を有する、キク科の、特にヒレアザミ属、アザミ属、オオヒレアザミ属の多くの植物の総称
- キク科の小さな枝分かれした黄色い花をつけた北米のいずれかのハーブ
- とげのある葉と大きな紫がかった花を持つ、キク科のユーラシア産草本の一属
- タンポポを含む、キク科キク類の双子葉植物
- 朮という,キク科の多年草
- 雄宝香という,キク科の多年草
- 男艾という,キク科の多年草
- 鬼薊という,キク科の多年草
- 水前寺菜という,キク科の多年草
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