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荒らせ

読み方:あらせ

サ行五段活用動詞荒らす」の命令形

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あらせ


荒瀬

読み方
荒瀬あらせ

あらせ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/11 16:03 UTC 版)

ジオスペース探査衛星「あらせ」
(ERG)
軌道上でのERG衛星、想像図(c)ISAS/JAXA
所属 宇宙航空研究開発機構
主製造業者 日本電気
公式ページ ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)
国際標識番号 2016-080A
カタログ番号 41896
状態 後期運用中
目的 宇宙嵐による高エネルギー電子の生成・消失過程、宇宙嵐の発達過程
観測対象 ヴァン・アレン帯
計画の期間 定常運用開始以降1年以上[1]
打上げ場所 内之浦宇宙空間観測所
打上げ機 イプシロンロケット2号機
打上げ日時 2016年12月20日 20:00(JST
軌道投入日 2017年1月7日[2]
物理的特長
衛星バス SPRINTバス
本体寸法 伸展前:1.5×1.5×2.7m
伸展後:31×31×2.8m[1]
太陽電池パドル両端間
:X軸6.0m、Y軸5.2m[3]
質量 365kg以下[1]
発生電力 700 W以上
主な推進器 4Nスラスタ(ヒドラジン)×4[4]
姿勢制御方式 スピン安定方式(7.5rpm)
軌道要素
周回対象 地球
軌道 楕円軌道
近点高度 (hp) 460 km[2]
遠点高度 (ha) 32,110 km[2]
軌道傾斜角 (i) 31度[2]
軌道周期 (P) 565分[2]
搭載機器
ワイヤーアンテナ 15m×4本
伸展マスト 5m×2本
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あらせは、宇宙科学研究所が打ち上げたジオスペース探査衛星である[5]。計画名はERGエルグ英語: Exploration of energization and Radiation in Geospace)。地球近傍の放射線帯(ヴァン・アレン帯)における高エネルギー粒子の生成と消滅、磁気嵐の発達のメカニズムの解明のための観測を行う[6]。開発・製造は日本電気が担当した。

2015年に運用終了したあけぼのの観測を実質的に引き継いだ衛星である[7]ひさき(SPRINT-A)に続く小型科学衛星シリーズの2機目で、2016年12月20日に内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケットで打ち上げられた。2018年12月に定常運用を終了し[1]、2024年11月現在は後期運用中。

概要

当初計画では2015年度に打ち上げ予定であったが、事前に予見し得なかった技術的課題の解決などを理由に、打ち上げ予定が2016年度に変更され[8]、2016年12月20日20時00分(日本標準時)に打ち上げられた[9]

打ち上げ成功後、JAXAはERGの愛称をあらせに決定したと発表した[9]。ERGが荒々しい高エネルギー粒子に満ちたヴァン・アレン帯という宇宙の「荒瀬」に漕ぎ出していく衛星であること、肝付町の「荒瀬川」に鳥の美しい鳴き声に関する伝説がありコーラス(宇宙空間に存在する周波数が数kHzの可聴帯の電磁波)を観測する本衛星にふさわしいことに由来する[9]

機体構成

衛星バスにはNECとJAXAが開発したSPRINTバスを採用する。機体重量は350kgである。コンピュータシステムのRTOSは、T-Kernel 2.0がベースの航空宇宙分野向け高信頼RTOS「T-Kernel 2.0 AeroSpace(T2AS)」である[10][11]

観測機器[3]

  • プラズマ粒子観測器(PPE)
    • イオン計測器
      • 低エネルギーイオン質量分析器(LEP-i)
      • 中間エネルギーイオン質量分析器(MEP-i)
    • 電子計測器
      • 低エネルギー電子分析器(LEP-e)
      • 中間エネルギー電子分析器(MEP-e)
      • 高エネルギー電子分析器(HEP)
      • 超高エネルギー電子分析器(XEP)
  • 磁場観測器(MGF)
    • フラックスゲート方式磁力計、センサは伸展マスト先端に取付
  • プラズマ波動・電場観測機器(PWE)
    • 電場観測センサ(32m×2対ワイヤーダイポールアンテナ、PWE-WPT)
    • 磁場観測センサ(3軸サーチコイル、PWE-MSC)
    • 観測エレクトロニクス(PWE-E)
  • ソフトウェア型波動粒子相互作用解析装置(S-WPIA)

粒子系(電子・イオン)の観測、磁力計・伸展マストによる磁場の計測、ワイヤーアンテナによる電場の計測が行われる。電子は19eV - 2MeV、イオンは10eV - 180keVと極めて広いレンジを観測可能である[4]。低エネルギー電子観測器(LEP-e)は台湾中央研究院天文及天文物理研究所が開発した[3]ほか、各観測器はJAXAと国内大学が共同で開発している。磁場観測器はベピ・コロンボのみお(MMO)のものと共通である[7]

通信

運用

計画・開発段階

  • 2007年度 - 戦略的開発研究経費により衛星系検討・基礎設計を実施
  • 2008年度 - ミッション提案(採択されず)
  • 2009年度 - ミッション再提案
    • 2009年8月5日小型科学衛星2号機候補として採択、プリプロジェクト化
  • 2012年8月 - ジオスペース探査プロジェクトとしてプロジェクト化
  • 2014年11月 - ミッション部総合試験開始
  • 2015年
    • 4月 - 一次噛合せ試験を実施(6月18日終了)
    • 10月 - フライトモデル総合試験開始

打ち上げ・観測

  • 2016年
    • 9月29日 - 相模原キャンパスで報道関係者向け機体公開を実施。
    • 10月3日 - 相模原キャンパスから内之浦宇宙空間観測所へ輸送開始。
    • 10月20日 - 内之浦宇宙空間観測所で報道機関向け機体公開を実施。
    • 12月20日 - 20時00分打ち上げ[9]、近地点高度約 214 km・遠地点高度約 32,250 km の楕円軌道に投入[2]。同日20時37分、サンチアゴ局で太陽電池パドルの展開が正常に行われたことを確認[9]
  • 2017年
    • 1月7日 - 軌道変更(近地点高度上昇)の完了を確認。近地点高度約 460 km、遠地点高度約 32,110 km の軌道に遷移する[2]
    • 1月16日 - プラズマ波動・電場観測機(PWE)を構成するワイヤーアンテナの伸展を確認[12]
    • 1月23日 - クリティカル運用期間を終了[13]
    • 3月29日 - 定常運用への移行を発表[14]

ERGプロジェクト

あらせ(ERG)は宇宙空間で実測する衛星として活動するが、他に地上からの観測、シミュレーションといった3つのアプローチの様々な研究を密に連携させるERGプロジェクトという枠組みが組織されている。ISASと名古屋大学太陽地球環境研究所を中心に観測データの集約等を担うERGサイエンスセンターが設置され、30程度の大学・研究機関が参加している[15][16]

地上観測では、ネットワーク化された磁力計・レーダー等によって電離圏でのプラズマ流速・電流構造・オーロラ発光などが観測されており[3]、地上の観測装置と衛星が連携した同時観測が実施されている[17]

その他

  • 本機は衛星バスを共通化するSPRINTシリーズにあたり、SPRINT-A(ひさき)に続くSPRINT-Bと表記されることがある[18]が、カスタマイズ部が多く最終的にはSPRINTの名称はほとんど使われず、衛星名称にもSPRINTを冠さずERGとなっている[7]
  • 衛星表面の断熱材には一般的によく使われる金色のMLIではなく、帯電した粒子を観測するために電気を通すブラックカプトンを使用しているため、機体の外観が主に黒色となっている[19]。また、高精度な観測を実現するために強い放射線環境への対応や衛星内部で生じる電磁ノイズの抑制(EMC要求)への対策として、放射線シールド、放射線耐性素材の採用、表面導電性の確保、電源フィルタの追加、ハーネスの二重シールド、開発プロセスを通して一貫したEMC管理など数々の工夫がされている[3][20]

脚注

  1. ^ a b c d ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG) の科学成果等と後期運用計画について|宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 ジオスペース探査衛星(ERG) プロジェクトチーム 2019年1月30日”. JAXA. 2024年11月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)の軌道変更運用(近地点高度上昇)の完了について”. JAXA (2017年1月13日). 2017年1月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g ジオスペース探査衛星「ERG」プレスキット” (PDF). JAXA (2016年11月18日). 2017年1月11日閲覧。
  4. ^ a b c NECにおける宇宙天気関連の取り組み|2022年2月18日 NEC宇宙システム事業部”. 総務省. 2024年11月10日閲覧。
  5. ^ 日本、固体燃料ロケット「イプシロン」2号機の打ち上げに成功”. 中央日報 (2016年12月21日). 2020年10月15日閲覧。
  6. ^ ジオスペース探査衛星「ERG」パンフレット” (PDF). JAXA. 2017年2月6日閲覧。
  7. ^ a b c 「あけぼの」のバトンを受け継ぐ探査機「ERG」”. ファン!ファン!JAXA!. 2024年11月10日閲覧。
  8. ^ 第15回宇宙科学・探査部会 資料1「宇宙科学・探査プロジェクトの検討状況について」”. JAXA (2014年8月27日). 2015年1月8日閲覧。
  9. ^ a b c d e ジオスペース探査衛星(ERG)の太陽電池パドル展開及び衛星の愛称について』(プレスリリース)JAXA、2016年12月20日https://www.jaxa.jp/press/2016/12/20161220_arase_j.html2017年1月11日閲覧 
  10. ^ 日野雄太 (2013年11月25日). “YRP、航空宇宙分野向けに信頼性を確保したリアルタイムOSを開発”. マイナビニュース. 2015年1月8日閲覧。
  11. ^ みんなで作り上げて、あらせの成功を支えたMDP”. 宇宙科学研究所. 2024年11月11日閲覧。
  12. ^ ワイヤーアンテナの伸展完了について”. JAXA (2017年1月22日). 2017年1月22日閲覧。
  13. ^ ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)のクリティカル運用期間の終了について』(プレスリリース)JAXA、2017年1月23日https://www.jaxa.jp/press/2017/01/20170123_arase_j.html2017年1月24日閲覧 
  14. ^ ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)の定常運用への移行について”. ISAS/JAXA (2017年3月29日). 2017年3月30日閲覧。
  15. ^ ISAS | ジオスペース探査衛星 ERGプロジェクト / 宇宙科学の最前線”. www.isas.jaxa.jp. 2024年11月10日閲覧。
  16. ^ ERGサイエンスセンター. “ERG Science Center”. ERG Science Center. 2024年11月10日閲覧。
  17. ^ 2017年3月、奇跡の衛星・地上同時観測”. 宇宙科学研究所. 2024年11月11日閲覧。
  18. ^ ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG) | 科学衛星・探査機”. 宇宙科学研究所. 2024年11月10日閲覧。
  19. ^ ガイドコンテンツ”. 音声ガイド | 宇宙科学探査交流棟. 2024年11月11日閲覧。
  20. ^ ノイズとの戦いと共存”. 宇宙科学研究所. 2024年11月11日閲覧。

外部リンク

関連項目

  • あけぼの(EXOS-D) - ISASが過去に打ち上げた磁気圏観測衛星。2015年4月23日の運用終了まで約26年運用された。

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