信じる酒
年末、みんなで呑みに行った日の夜、寝る時に胸の上で両手を組んだら、その中に何かすごく暖かいものがあって、
それが確かに自分が信じていいものだと思えた時、なんだか情けない話だけど、人生終わるんだったら今がいいなぁ、なんていう沈み込んだ満足感のようなものを味わいながら、眠りに落ちた。
幸せという実感が得られる瞬間っていうのは、残念ながら年に2、3回しか無いものだけど、一年の終わりにそういった瞬間を得られたのは、素敵な事だったと思う。
暖かい人達と呑んで騒いでいる瞬間っていうのは、本当にしあわせだ。
見渡す顔はみんな笑顔で、自分と相手の好意を信じ合う瞬間が連続する、
騒がしいのにとても穏やかで、忙しないのにスローモーションの、ひどく優しい空間だね。
尊ぶべき確かな何かを感じながら、それでも何かが脆くて、
故にその感触を大事に、大切に抱えながら、生きてゆきたくなるよ。
間違いなく、あのしあわせの決算の儀式こそは、年単位での生きる糧になっている。
いや、忘年会がそうだという事でなくて、仲間と呑むということ、の話。
わからない人はわからないのかもしれない。
人の笑顔っていうのは本当にいいよね。なんでこんなに切なくなるんだろう。
泣きたくなるわ。あまりに壊れやすく、大切だ。