清水修二教授の「寄稿」~「県民健康管理調査」目的から「県民の不安の解消」を削除させたマスゴミ・「市民」等の罪
一連の山本太郎騒ぎ、そしてこのところ「汚染水」騒ぎ・・・ま、どうせ秋になったらまた更に酷いのが出てくるだろう。そうそう、福島のモモは甘かった。例によってもらい物です、ありがとうございにゃす。18日には喜多方でラーメン食べたよ~。震災後初会津だったけど、賑わっていて何よりだったにゃ。
1:shimizuさんの寄稿
ここ数日、このブログに来てくれるshimizuさんの福島民報への寄稿が話題になった。
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/08/post_7886.html
【寄稿】 「遺伝への懸念」がもたらす悲劇 ■福島大教授 県民健康管理調査検討委員 清水修二
放射能災害の健康への影響を調べる県民健康管理調査については、「甲状腺がん」ばかりが問題になっているが、ある意味でもっと深刻なのは、遺伝的な影響を心配する県民意識の現状である。
6月の県民健康管理調査検討委員会で公表された「こころの健康度」調査結果によれば、避難区域住民を中心とした21万人余りの成人へのアンケート調査で、「現在の放射線被ばくで、次世代以降の人への健康影響がどれくらい起こると思いますか」の問いに、実に34.9%が「可能性は非常に高い」と答えている。やや高いと答えた人を加えれば60.2%だ。6割が被ばくの影響が遺伝すると考えている。これは大変なことである。
広島・長崎の被爆者の健康調査で、被ばくによる遺伝的な障害は確認されないという結論が出ている。チェルノブイリ事故の被災地でも、先天異常の発生率は汚染地域と他地域とで差がないと公式に報告されている。まして、福島県の原発事故での住民の被ばく量はチェルノブイリと比べれば遙(はる)かに少ないのである。
心臓奇形をはじめとする先天奇形・異常は通常からある程度の確率で発生する。福島県でそうした子どもを出産した親の気持ちを考えてみてほしい。「あの時、避難しなかったのがよくなかったのではないか」という悔恨、そして東京電力や政府に対する怨念や憤怒を、一生抱えながら生きることになるかもしれない。これは悲劇だ。
また、「妊産婦に関する調査」の結果も報告された。「次回妊娠・出産をお考えですか」との質問に「いいえ」と答えた人の14.6%(複数回答あり)が「放射線の影響が心配なため」という理由に印を付けている。およそ7人に1人が遺伝的影響を恐れて子どもを持つことをためらっているということだ。事故から既に2年半近くが経過している。この間、本当なら生まれていたはずの子どもが生まれていないという事態が、既に生じていると考えなければならない。
被災者である県民自身が遺伝的影響の存在を深く信じているようだと、「福島の者とは結婚するな」と言われても全く反論できないし、子どもたち自身から「私たち結婚できない」と問われて、はっきり否定することもできない。親子ともども一生、打ちのめされたような気持ちで生きなければならぬとしたら、これほどの不幸はあるまい。
原爆被爆者たちが歩んだのと全く同じ苦難の道を、福島県民は歩まされるのだろうか。明確な根拠もなく遺伝的な影響を口にする世の「識者」たちは、自らの言動のもつ重い影響と責任を、自覚しているのだろうか。
広島・長崎やチェルノブイリ事故の貴重な経験が、ここ福島で全く生かされていないと言わざるをえない。低レベル放射線の健康影響については未解明な面があるが、「分かっていない」のひと言で「分かっている」ことまで無視してしまっては、過去の犠牲や教訓は無に帰してしまう。
(2013/08/17 18:30カテゴリー:福島第一原発事故)
文意からして、またこれまでの発言からして、shimizuさんが「遺伝的影響はない 不安を煽るな」という立場にあることは明快。「明確な根拠もなく遺伝的な影響を口にする世の「識者」たちは、自らの言動のもつ重い影響と責任を、自覚しているのだろうか」=信夫山ネコも同じ立場だ。学者でこの事をこんなにハッキリ表明した人は初めてじゃないだろうか。なお前回コメ欄にshimizuさんがこの「寄稿」についていろいろ書いているので、ご覧になってください。
早くもkazooyaさんの「まとめ」がある。
清水修二氏『明確な根拠も無く遺伝的な影響を口にする世の「識者」たちは、自らの言動のもつ重い影響と責任を、自覚しているのだろうか…』
http://togetter.com/li/550254
どうしても福島人を「未来の健康被害」で不安にしなければ「原発という悪に味方することになる」と考える安っぽい「正義軍」たちがワーワー言っているのが、予想通りで面白い。いろいろあるけど、この連中は「福島人の子孫には今回の僅かの被曝でも遺伝的影響が出る、しかしそうなっても差別しなければ正義は保てる←これで清水氏の懸念は当たらなくなる そもそも差別そのものがいけない」みたいなことを言っているようだ。しかし論点ズラシもいいところだ。被曝量って概念がないのか?また例によって「予防原則」だの「影響が無いを前提にすると、実際に被害があった場合賠償が取れない」ってな論調も見えるが、何が前提だろうと賠償を得るには因果関係を裏付ける証拠が必要だ。そんなことのために今から福島人の不安を煽り、精神的被害を与えてヨシとする理屈がわからん。それを説明できる理屈は「原発=核=悪 だから今回の事故で福島では被曝による被害がある、いや、無くてはならない」という病的ドグマだけだ。
またここで盛んに「被害が出る」説に立つ富山大学の林衛准教授は、2011年に京都大学であった科学技術社会論学会で、こんな「研究」を発表していた。
福島原発報道の検証̶̶オルタナティブ情報発信の役割を中心に
http://scicom.edu.u-toyama.ac.jp/STS2011HayashiNamba.pdf
この中で氏は福島をグリーンピースとツルんでDISりまくった「週刊現代」のデマ記事(これはこのブログ発足の理由の一つでもあった)や、「福島の農家はオウムと同じ」の早川由紀夫氏、mogmemoさんリンチの契機となった牧野淳一郎氏等を高く評価しているのである。堂々「学会」の研究発表でだ。こんなことをやっていては、確かにもう今更後には引けまい。しかしだからと言って「福島脅し」を強弁し続けて、福島人への「精神的加害」を続けるのは、人としてどうなのか?早川師だって、(そのケジメ無し姿勢の是非はともかく)今は立場を変えているではないか。
なお林氏ら「STS」の「福島の敵」ぶりは以下参照。
「反原発正義軍」のブーヘンヴァルト=「御用学者リストwiki」閉鎖の背景を見る
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-122.html
「遺伝的影響」は、
「短時間、高線量被曝」の広島、長崎のデータでは無い
「長期間被曝」のチェルノブイリでも無い
だからこれらよりもっと被曝量が低い福島では「遺伝的影響はあるわけない」
もう「学者」って人たちが「予防原則」に立ってはっきりこう叫ぶべきだ。たまには先の林氏の「学会発表」=「デマを評価する福島潰しの極論」とバランスを取るような、「福島を助ける極論」が「学会」で出たっていいじゃないか。いや、これは「極論」ですらない、世界の学会の主流ではないか。だれかそういう「勇者」はいないのか?そうでないと、福島人の「精神的被害」は増大の一途を辿る。マスゴミも「予防原則」「両論併記」に立つんだからこれをやるべきだろ。どうして精神的被害は予防しないで、拡大させるのか?
「遺伝脅し」に負けては大損。パセリさんの「まとめ」も参照。
遺伝的影響とか、出産への不安とか、資料用まとめ
http://togetter.com/li/550477
しっかり読んで、「出るわけない」と確信した。
shimizuさんの「寄稿」の理由は「6月の県民健康管理調査検討委員会で公表された「こころの健康度」調査結果」だ。これは以下の記事にもなった。
「被ばく遺伝」6割不安=専門家「可能性低い」-福島 時事通信(2013/06/11-05:15)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013061100048&g=soc
(追記8/22)
昨日は眠くなって寝てしまい、この先を書き忘れた。これは前回コメ欄でIKAさんが書いてくれたことだが、以下の如し。
ここで注意したいのは、この記事タイトル「6割不安」だけで、あるいはshimizuさんの寄稿の「6割が被ばくの影響が遺伝すると考えている」で、「福島県民の6割」が「遺伝脅し」で不安になっていると思いがちなことだ。これはマチガイで、そもそもこの調査は記事でも「避難指示区域などにいた当時16歳以上の約18万人が対象」となっているが、
対象者
避難区域等の住民及び基本調査の結果必要と認められた方
〔避難区域等〕
南相馬市、田村市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町
浪江町、葛尾村、飯舘村、伊達市の一部(旧特定避難勧奨地点関係地区)
(http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/kokoro.pdf)
で、圧倒的に多い「福島県でそのまま暮らしている人」は含まれていない。また調査時点は24年10月までだ。「いま!」という話ではない。これらについては「こすもすさん」の以下も参照。
http://ameblo.jp/kosumosu-rinrin/entry-11595572938.html
そもそもマスゴミはこういうセンセーショナルなタイトルで、「福島人の大多数が子孫への遺伝的影響を心配している」という印象を作り、ひいては「大多数の人が心配しているなら、それは本当だ」「大多数の人が心配しているなら私も心配しなくては」といった「流れ」を作りたがっている。
いつもの手だが、これには大いに気をつけなくてはならない。福島人の多くは「子孫への影響」をそれほど不安がってはいない可能性だってある。そして例えそうであっても、「遺伝脅し」は最も根拠希薄なのに最も長続きできるという、悪質な「不安煽りデマ」であるから、重大問題だというのが、信夫山ネコの立場なのだにゃ。
(追記終わり)
信夫山ネコ的にはshimizuさんの「寄稿」は「大きな流れ」の中の「必然」である。まとめておこう。
①7月の選挙でも「遺伝的影響」ではないが、一般的には「同じ」とされやすい、「福島で奇形が生まれている!!」と不安を煽った候補者がいた。なおこれは胎児の母体内での被曝であり、一方「遺伝的影響」は直接被曝していない「子孫」に影響が出ることであって、両者は異なる。
参院選「福島で奇形」と叫ぶ「木村ゆういち」候補は 福島からの自主避難者 (追記いろいろあり)
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-148.html
木村デマは最後には「県民健康管理調査」によって完全否定された。「県民健康管理調査」がこうした「カウンター」をやったことは注目に値するにゃ。上記エントリーにはその他いろいろ「遺伝子影響デマ」に関係がありそうなことをあげておいたので、ぜひ確認していただきたいが、ここにも簡単に上げておこう。
木村候補のHPには「この「被曝」の問題は、7月8日に米シカゴで行われた「国際分子生物進化学会」の中でも鳥類や昆虫類への放射線の影響が報告されているところであり」と書いてあるが、これは共同通信の記事のことだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG09018_Z00C13A7CR0000/
例によってマスゴミが怪しげな「遺伝子影響危険煽り」をバックアップしている。チェルノブイリで「ツバメに奇形ガー」と叫ぶムソー師を日本に呼ぶ「市民」が裏にいる。「市民」は「ツバメに奇形だから人間にも奇形です」と言いたいわけだ。大体ツバメがどうのこうのならば、もっと人間に近いマウスで実験すればわかるはずで、これだけでもトンデモだが、マスゴミが取り上げることで、こんなゴミにも一定の信用度が与えられ、これが福島人の不安を醸成する。なおこの木村氏HPは「胎児の被曝」と「子孫への影響」を混同していることになる。
この際マスゴミによる「奇形」「遺伝」脅しの総復習を。
2011年5月
「放射線で傷ついた遺伝子、子孫に伝わる」 クロワッサン「不適切」と謝罪(j-cast news)
http://www.j-cast.com/2011/07/01100237.html?p=all
2012年夏
「ヤマトシジミに奇形ガー」というトンデモ説=これもマスゴミが取り上げました。このセンセイは上記「国際分子生物進化学会」にも参加していたらしい。
2013 年頭① 「学者」「文化人」の「福島差別反対宣言」はまだ?でも明るい兆しは増加中
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-123.html
の 4.ちょっと古いが「放射能でヤマトシジミチョウ奇形発生」デマの顛末 参照
2012年夏
同時期のトンデモ事件。広島、長崎の被曝研究で、放射能の影響は遺伝しないことが判っている。この知見に基づき、福島に関して「遺伝脅し」を謝罪した例があった。
池谷奉文氏「差別発言」 福島市議の「曖昧決着」に失望したが 山口県「被曝二世の会」偉し!
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-108.html
(追記8/23)
池谷氏の事件はマスゴミは批判的に取り上げたとも言えるが、それでもマスゴミが池谷発言の内容を科学的にハッキリ否定した記事はない(なおここで言うマスゴミには福島の地元紙、TV局は含まない。福島民報やTUF等は全国メディアとはハッキリ異なり、福島に住む人の立場に立っている)。池谷氏は謝罪したが、「誤解を生じさせてしまった部分の表現については誠に遺憾」であって、「内容が科学的、医学的に間違った」とは言っておらず、「マスゴミがおおげさに伝えた」などと言っていたのである。上記クロワッサンの謝罪文も「不適切で配慮を欠いた表現がありましたことを」謝罪しているだけだ。この事件は当ブログ発足前だったのでこれまで何も書いていないが、以下のサイトが鋭い。
雑誌クロワッサンの「放射線で傷ついた遺伝子、子孫に伝わる」問題の本質
http://blogs.itmedia.co.jp/sakamoto/2011/07/dna-gene-0133.html
(それにしてもこのクロワッサンの記事、「何万年か後に、突然変異のおそれが」ってことだが、旧人類=ネアンデルタール人の滅亡は2万数千年前だ。何万年か先の人類の突然変異って「進化」のこと?バッカじゃないか?)
「表現」についての謝罪は、ハッキリ内容についての誤りを認めて「科学的、医学的に放射線の人間への遺伝影響は確認されていないので、発言内容を撤回、謝罪する」ではない。「内容はいいが表現方法がモンダイだ」ってな日本語がある。つまりは例えば「○○はバカだね~」という「表現」は謝罪撤回して、「○○の知的水準はいかがなものか」と変えればOK、てなものだ。ハッキリ内容についての誤りを認めて、例えば「○○のIQは水準以上だったので」等ではないので、いつまで経っても「本当は○○はバカなんだろ~?」てな疑い、不安は続く。マスゴミは自らは「内容が間違い」とはせずに取り上げるだけだから、いわゆるマスゴミの「議題設定力」だけが効果発揮し、結局福島人の不安が増大しただけなのではないか?同じことは「木村ゆういち」の謝罪=「今回その発言で選んだ言葉や表現が、不適切だった点を深く反省」についても見える。憲法が保証する「表現の自由」は、「表現内容」の自由なのだろうが、一般社会では「表現」は「内容」と別ジャマイカ?
以上はいずれもとりあえず謝罪した事件だが、「ヤマトシジミに奇形ガー」については完全にこの「議題設定力」が効果を及ぼす。さらには上記ムソー氏の「ツバメに奇形ガー」も然り。「ただ事物を取り上げただけ」でも、マスゴミがこれをやると、はっきりした批判、否定がない限り、「この事物は正しいのだろう」と思わせる効果がある。
(追記終わり)
こうしてマスゴミは執拗に「遺伝する」説を取り上げてきたのだが、これを正当化するのは「予防原則」と「両論併記」または「少数意見の尊重」。しかし「予防原則」については先に書いた通り、何故か「福島人の精神的被害」には適用されないという矛盾がある。そして「両論」というが、「広島・長崎被曝研究による知見」と極少数かつ穴だらけ、学会で多数の支持を得ていない説を五分五分(以上)で「併記」するのは「放射能」以外の分野ではこんなにない。そもそも一番「少数意見の尊重」が問われる選挙報道だって、議席数や支持率に比例して記事や番組が割り当てられ、議席が無ければ無視、泡沫扱いではないか。結局マスゴミには「反原発正義軍」と同じ、「原発=核=悪 だから今回の事故で福島では被曝による被害がある、いや、無くてはならない」という病的ドグマがあるのだ。あと可能性があるのは、「これまで散々福島はオワリだとやってしまったから、今更引っ込みがつかない」だろう。
②「原爆」の季節にあたりこの系統のデマが必ず頭をもたげる。
8月8日の報道ステーションで取り上げられた広島大・鎌田七男名誉教授の研究の原著論文を探して読んでみました
http://togetter.com/li/549170
『広島大学、鎌田七男先生の研究では、両親が被曝すると、その子供が白血病を発症する割合が5倍になるという研究も。(報道ステーション)』というマスゴミの所業があったようだが、この「研究」は穴だらけの話にならないようなものだ。詳しくは「まとめ主」の「第二部」以降を参照。
昨日探し当てた広島大・鎌田七男名誉教授の広島の被爆二世への遺伝的影響の論文(長崎医学会雑誌 87 (特集号), 247-250, 2012-09-00)http://t.co/D8FYLhheKF これは原報全体を見ないとだめ、報道だけ見てたら足もとをすくわれます。
parasite2006 2013-08-14 18:27:36
しかしこんな「研究」でも、マスゴミが取り上げると恐ろしい影響力を持つのである。問題はココだ。こうしてマスゴミによって権威づけられた「奇形」「遺伝脅し」の結果、福島人の心は蝕まれている。これだけ繰り返し脅されれば、shimizuさんの危惧「被災者である県民自身が遺伝的影響の存在を深く信じているようだと、「福島の者とは結婚するな」と言われても全く反論できないし、子どもたち自身から「私たち結婚できない」と問われて、はっきり否定することもできない。」も当然の成り行きで、もちろん福島人自身のせいではない。こんな状況でリテラシーを上げるのは不可能だ。何しろマスゴミには脅すヤツばかりいて、「安心して」と励ましてくれた例は、一つもないのだから。
③いよいよ「福島で甲状腺ガン大量発生デマ」に終止符か?という「福島県民の不安解消」ミッションも始まった。こうなると「反原発正義軍」に残る攻撃手段は、末代までを「呪い」にかける「遺伝脅し」なのではないかという予測は十分成り立つ。
http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013081501001422.html
甲状腺がん頻度3県で継続調査へ 福島原発事故の影響探る
東京電力福島第1原発事故による子どもの健康への影響を調べるため、環境省は15日までに、青森、山梨、長崎3県での甲状腺調査を継続することを決めた。福島県では事故後の調査で甲状腺がんと確定した子どもが12人に上るが、事故の影響がない3県で甲状腺がんの発生頻度を調べ、福島県での割合が高いかどうかの判断材料にする考え。
福島県の「県民健康管理調査」では、従来考えられていたよりも高い割合で甲状腺がんが見つかっている。小さいしこりの発症割合は3県と比較して差がなかったため、大きなしこりが見つかった3県の子どもの細胞や血液を継続して調べる。
2013/08/15 18:32 【共同通信】
この前の「嚢胞、結節が大量発生!」攻撃に対するカウンターと同じだ。これを「朗報」と呼ぶのも何だかおかしいし・・・これはこんなことをわざわざやらなきゃならんほど、「デマ攻撃」がひどいということの証左だろう。ま、当たり前の結果を待つ。
実際既に参院選では「甲状腺脅し」は目立たず、木村デマが代表だった。つまりもう「反原発正義軍」の福島攻撃は、赤ちゃん、子孫への「健康影響」にシフトしている。これで永久に福島人を脅そうってことだ。まったく卑怯な奴らだが、防衛線はここに敷く必要がある。
2:「県民の不安の解消」のどこが悪いのか?オレラ福島人は不安の解消したらイカンのか?
さて、こんな中で浮彫になったのが、「県民の不安の解消」の必要性だ。これが連中の攻撃目標になり、「県民健康管理調査」の目的から削除されてしまったことは、どうしても記録しておかなくてはならない。
「不安の解消」への攻撃は、そもそもはこの2月の「デマゾノ」氏あたりが震源地か?
http://togetter.com/li/449882
これは毎日新聞日野記者の「秘密会」記事に始まる、「県民健康管理調査」攻撃の一環だったように見える。すなわち「秘密会」→「不安の解消」が目的だから最初から結論あり、被害隠し→県民は「調査」を信用していない→「不安の解消」どころか不安を増大させている→目的から「不安の解消」を削除せよ、ってな流れを作ろうとしたのだろう。しかし今から見ると、日野記者は中核派活動家と思しき佐藤幸子氏のインタビューで、「秘密会」記事をまとめているが、まさにトンデモ記事だ。ま、結果は「正義軍」の作戦勝ちだったようだが。以下にマスゴミと「市民」主導の「県民健康管理調査」&「県民の不安解消」をターゲットにした攻撃を記録しておく。
「秘密会」は言語道断 しかし「子ども福島」で県民を代表する毎日新聞はフシギちゃん
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-112.html
このタイトルは正しくは「中核派で県民を代表する毎日新聞」だった。
「市民~」の「提言」
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/56104/32037/75754529
次は山下さんに突っこむ日野記者。何が何でも「不安の解消」を削除させたい様子がよくわかる
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20130423ddlk07040035000c.html
「県民健康管理調査を主導していた山下・県立医大副学長に聞く」毎日新聞 2013年04月23日 地方版
(今はネット上からは消えているが、テキストで記録しておく)
◇批判された不安解消の目的「今は段階変わった」
福島第1原発事故を受けて県が実施する県民健康管理調査を主導してきた山下俊一・県立医大副学長(60)が毎日新聞の取材に応じた。山下氏は4月から県立医大の副学長は非常勤になり、長崎大に復職した。被ばくの影響を否定する結論ありきではないか、と批判されてきた「県民の不安解消」という調査目的について「段階が変わった。見直すべきだ」と述べた。【聞き手・日野行介】
−−調査が始まってもうすぐ2年になる。住民の信頼を得られたと思うか。
◆極めて難しい問題だ。私個人として判断できないが、言ったことが正しく伝わらないこともあった。
−−事故直後に県内各地で「100ミリシーベルトまでは安全」と講演したことが影響したのではないか。
◆国が避難の基準などを年間20ミリに定めたことが大きかった。平時(1ミリ)と非常時で基準が異なるのは当然だし、国の言うことだから従う。しかし1ミリ以上でも危険だと混同して受け取られてしまった。
−−自身の役割をどう考えて福島に来たのか。不安を抑えるためだったのではないか。
◆その目的もあったが、放射線のリスクの話をするのが仕事だと思っていた。
−−県民健康管理調査の検討委員会の座長の立場はどうするのか。
◆長崎大教授の立場で福島に来て、検討委の座長として調査を立ち上げる一方、(県から委託されて調査を実施する)福島県立医大の副学長になった。調査の実施部隊と検討評価を同じ人間がやるのはおかしいと元々思っていた。準備会(秘密会)の記事が出て、代わるべきだと思った。
−−秘密会の議事録を読むと、県の作った進行表に従い、「これは議論しない」と範囲も制限している。これは住民に対する情報操作ではないのか。
◆誤解を招いた意味では申し訳ない。結論ありきではない。議論するときには下書きがなければ意見集約できない。進行表に沿ったのは県への配慮もある。県も被害者、被災者で一生懸命だからだ。
−−調査目的に「不安の解消」と掲げ、「被ばくの影響なし」という結論ありきではないかと批判されている。見直すべきではないのか。
◆さまざまな意見があったが、当初は不安が強かった。今は段階が変わっている。目的も含めて見直されてしかるべきだろう。
−−原発についてどう考えているのか。
◆医学者であり触れる必要はないと考え、ノーコメントと言ってきた。しかし科学技術に戸は立てられない。いかにコントロールすべきかだ。
日野記者の「批判された不安解消の目的」「批判されている」って言い方は面白いね。正しくは「一部の偏った「市民」(しかも福島県民でない者がたくさんいる)、宗教学者等と日野行介が批判している」と書き換えるべきではないか?
結局「不安の解消」削除で日野記者も「市民」も大喜び
http://mainichi.jp/select/news/20130606k0000m040048000c.html
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130725/prl13072518580129-n1.htm
http://www.foejapan.org/energy/evt/pdf/130727_2b.pdf
アサヒもデマゾノ氏をヨイショ
http://www.asahi.com/area/fukushima/articles/TKY201305050124.html
しかしそもそも「県民の不安の解消」の何がイケナイのか?おかしな話ではないか?コイツらは「不安の解消」に反対、ってことは「不安の増大」が望み、単純な話です。
県民の精神的被害は増大する一方だ。こんなニュースがコメ欄に投げ込まれていたが、この際利用させてもらおう。
http://www.cabrain.net/news/regist.do;jsessionid=EBA300304180C170AA794C8960BC4293
被災地の子ども1割以上にPTSD疑い-文科省調査、福島は放射線災害影響も
医療介護CBニュース 8月12日(月)17時23分配信
東日本大震災被災地の子どもの1割以上にPTSD(心的外傷後ストレス障害)が疑われる症状などが見られ、特に放射線災害が継続中の福島県では、ほかの被災地に比べて割合が高いことが、文部科学省の調査で分かった。目に見えない放射線災害の恐れと関連したストレスが子どもの心身の健康に与える影響については、「健康観察を続け、今後の医学的知見を待つ必要がある」としている。
福島、宮城、岩手の3県全域などの災害救助法が適用された地域の幼稚園や小中高校など5075校に対し、非常災害時の子どもの心のケアに関するアンケート調査を実施。回収率は93.7%で、保護者や校長、学級担任、スクールカウンセラーらから回答を得た。
保護者に対し、「震災前と異なる様子が見られるか」と現在の子どもの様子を聞いたところ、「物音に敏感になったり、イライラするようになった」(9.1%)、「災害を思い出すような話題やニュースになると、話題を変えたり、その場から立ち去ろうとする」(6.2%)の割合が高く、この2つの設問を含む「PTSDが疑われる症状」4項目のうち1つでも該当する子どもの割合は14.1%だった。福島(22.9%)、宮城(19.0%)の両県で高い傾向が見られた。
また、福島県では、「PTSDが疑われる症状」、「PTSDに関連する症状等」、「一般的な心身不良の症状」のいずれも他地域よりも割合が高かった。継続中の出来事のストレスを反映しやすい「一般的な心身不良の症状」は、全体平均(7.3%)の2倍以上の16%で、「地震と津波による災害に加え、放射線災害と関連する諸々のストレスが関与している可能性が考えられる」とした。
報告書では、こうした課題に対する医療の役割についても触れ、「PTSDの治療を受ける必要がある子どもは多数に上る」と推測するとともに、ほとんどの被災地では専門機関、児童精神科医が不足していると考察。「被災地以外から児童精神科医を確保するなどして、PTSDと診断された子どもの治療やフォローアップを行っていくことが必要」と結論付けた。【新井哉】
これの元資料と思しきものは、tateさんが前回コメ欄に書いてくれた。
平成24年度非常災害時の子どもの心のケアに関する調査報告書
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/1337762.htm
第六章「医療に期待することについて」から抜粋
福島県では継続中のストレスを反映しやすい「一般的な心身不良の症状」が他地域よりも高かった。
地震と津波による災害に加え、放射線災害と関連する諸々のストレスが関与している可能性が考えられる。
放射線災害の恐れと関連したストレスが子どもの心身の健康にどのような影響をもたらすかは知られていない。
学校は慎重な健康観察を続けながら、今後の医学的知見を待つ必要がある。
また相馬市長が心配している。
http://www.city.soma.fukushima.jp/0311_jishin/melma/20130714_melma.html
しかし一番の問題は、女生徒たちが将来の出産の際に異常分娩になるので自分は結婚出来ないと思い込んでいるケースが多いという現実だった。これは紛れもないPTSDである。科学的な根拠もなく無責任に不安を煽るだけの方々の心無い発言が、福島県の子どもたちの心の傷を深めているのだ。この点でもNPOとしてしっかりフォローして行かなければならない。
なお厳密にはこれはPTSDと言うのか、信夫山ネコはよくわからない。不安、抑うつ、PTSDは異なる。これも含めて今回はとにかく「反原発」マスゴミ、「市民」らの脅しによる福島人の「精神的被害」を問題にしている。とにかく市長の心配はもっともなことだ。これまで何度か書いたが、WHOのチェルノブイリ25年報告書ではこれらの「精神的被害」が「最大被害」だったとなっている。
山下先生は「当初は不安が強かった。今は段階が変わっている」と言っていたが、「当初」とは異なる「不安」を強いられ、福島人の酷い「精神的被害」が見えてきたという段階だ。従って今こそマスゴミ、「市民」、「宗教学者」等の悪辣な企み、圧力に屈することなく、「県民の不安の解消」を「県民健康管理調査」の目的に復活させる時だ。 賢明な日本人のみなさん、「福島県民の不安の解消」に反対して削除させて喜んでいるなんて、異常だと思いませんか?福島人は誰からも助けてもらえないのですか?
(追記もう一丁8/23)
なお前々回エントリーで書いた、
http://www.news-postseven.com/archives/20130310_175691.html
原発避難の女子中学生 50人中28人が結婚・出産に不安を持つ NEWSポストセブン 2013.03.10
昨年9月7日、東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一氏は福島市内の飯野地区に避難している飯舘中学校の女子生徒にアンケートを取った。結果、50名中28名の女子生徒が「結婚できないかもしれない」「子供を産めないかもしれない」など結婚・出産に関する不安を明かしたという。
の意外なハッピーエンドを見つけたので、ここに書いておきます。
http://www.radi-edu.jp/html/column/column26.html
コラム第26回 飯舘中学での放射線の授業
東京大学大学院医学系研究科 准教授 中川 恵一 氏
この出張授業の前後には、生徒たちにアンケートをお願いしました。授業前に、放射線についての印象を聞いたところ、「こわい」が28%、「がんになる危険が高くなる」が57%にも上りました。そして、広島・長崎でも遺伝性の影響は確認されていないにも関わらず、全体で36%、女子生徒に限るとなんと56%が「将来生まれてくる子供に影響がある」と回答していました。様々な形で耳に入る誤った情報で先入観が作られてしまっているのでしょう。生徒の気持ちを思うと、正直、暗い気持ちになりました。
しかし、授業後のアンケートでは、「こわい」は18%、「子供への影響」は4%(女子生徒ではゼロ!)まで大きく下がりました。
中川先生の灯の後について行こう、一歩ずつ。