267th Anniversary

William_Hogarth_035.jpg 今日はヨアンネスの267回目の誕生日。

例によって267にかこつけて、K.267を聴く。
K.267は「4つのコントルダンス」で舞曲のセット。

第1曲 ト長調 6/8
第2曲 ガヴォット 変ホ長調 2/2
第3曲 ガヴォット イ長調 2/2
第4曲 ニ長調 2/4


コントルダンスは、英語ではカントリー・ダンスで、日本語では田園舞曲と呼ばれているようだ。
以下に、各曲の冒頭を掲げておこう。

第1曲 ト長調          
K267-1
第2曲 ガヴォット 変ホ長調   
K267-2
第3曲 ガヴォット イ長調    
K267-3
第4曲 ニ長調          
K267-4
モーツァルトのこうした舞曲は基本的に実用音楽で、宮廷などでの舞踏会で使うためのものとされる。若い頃(K.267は21歳頃)の作品は多分、依頼に応えてチャッチャッと書いたのだろう。しかし晩年(1791年)、K.600~K.611までは、ドイツ舞曲やメヌエット、コントルダンス続いているが、これらは糊口をしのぐための作品だったのかもしれない。

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「舞曲と行進曲全集」(vol.1、vol.2)
(どちらもLP5枚組)

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全集から抜粋した
"The Vienna Empire Balls”
(LP 3枚組)
モーツァルトの舞曲には舞台作品用のものもある。"「イドメネオ」のための5つの舞踊曲(K.367)"のように独立した作品もあるし、有名なドン・ジョバンニの舞踏会のシーン―メヌエット(3/4拍子)、コントルダンス(2/4拍子)、ドイツ舞曲(3/8拍子)が同時に演奏される。
バレエ曲もある。"Les petits riens"(K.299b)。これはバレエ界では著名らしいノヴェールという舞踊家に頼まれて作曲したものだが、モーツァルトは無報酬でゴーストライター扱いだったという。

さて実用音楽のほうの舞曲だが、モーツァルトは結構いろいろ遊んでいるように思う。
使う楽器も、K.601のメヌエットではハーディ・ガーディが使われる。前にハウス・テンボスでこの楽器(復元?)が展示されていたことを記事に書いた。ハーディ・ガーディはK.602のドイツ舞曲でも使われている。
K.605の3つのドイツ舞曲の第3曲では鈴が使われている。「そり遊び」という愛称で呼ばれている。
また、K.609のコントルダンスの第1曲は、フィガロのアリア「もう飛ぶまいぞ」のメロディを使っている。

これらの舞曲は、コンサートではほとんど演奏機会はないと思うけれど、録音はしっかりされている。

「モーツァルトは、演奏機会は少ないが、幸いなことに多くの作品が録音されて聴くことができる」とは、アンリ・ゲオン(Henri Ghéon)が「モーツァルトとの散歩」(Promenades avec Mozart, l'homme, l'œuvre, le pays)で書いたこと。なお同書は1932年に書かれている。あまりモーツァルトが演奏会にあげられなかった時代だろう。


舞曲はボスコフスキー/ウィーン・モーツァルト合奏団が全曲を録音している(「舞曲と行進曲全集」)。この楽団は、ウィーン・フィルのメンバーで、モーツァルトのセレナードや舞曲を録音するために集まったもの。

モーツァルト全集と銘打つ録音は何度か出ているが、全集というからには舞曲も収録されている。
私はLPで1セット、CDで2セットの全集を持っているが、いずれもボスコフスキー/ウィーン・モーツァルト合奏団の同じ録音。なお、私は全集を買う前に「舞曲と行進曲全集」を買っているし、さらにその前に抜粋版("The Vienna Empire Balls")を持っていたから、結果的にだが、同じ録音が4つ、一部は5つも手元にある。(全集を買うとこういうことになる)


ということで、コンサートでは演奏機会がまずない舞曲だが、私は少なくとも4回は聞いている計算になる。
(もっと多い、カーステレオのSDカードにも一部を落とし込んであるから)

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