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パワハラの4タイプ(1)-「恐怖支配」型上司のやり方

2006/09/25(Mon) Category : パワハラ(パワーハラスメント)
【パワハラ事例:パワハラ上司の心理と追い詰め方】

「ダブルバインド3点セットによるパワハラコミュニケーション」より続く。


さて、M課長は、どう考えても最初からAさんをターゲットにしていましたね。
何か恨みでも?

あるはずがありません。
新任できたばかりですからね。

では、なぜ?……


職場構成は次のようなものでした。
部長、M課長(新任)、一般社員男性2名、女性1名(Aさん)。

ちょっと新任のM課長の立場に立ってみましょう。
男性社員になめられちゃいけません。キャリアのある女性社員までいます。しかも、女性の口に戸をなかなか立てられるものではありません(←失礼!M課長の視点です ^^;)。もし自分にマネジメントのミスがあった場合、噂が広がるかもしれません。
減点主義の日本企業。足をすくわれたり、引っ張られることはよくある話。キャリアに傷をつけたくない上昇志向のM課長にとって、小さな棘でも傷がつきそうならば徹底的に取り除いておかなければなりません。

すると…
スピーカーを排除し、同時に男性に対する支配権を確立する。その2つを同時に達成するには…

そう、その通り。
Aさんをスケープゴート(いけにえ)にし、最終的には排除することです。自分に逆らうととどうなるかを見せつけ、最後に追い出すことができれば、M課長の支配は揺るぎないものになります。

このように、スケープゴートを作ることによって自分の怖さを周知し、自分の支配権を確立しようとする上司のタイプを「恐怖支配」型上司と私は呼んでいます。


ただ私には、M課長が「恐怖政治」を敷くためだけではなく、最初からAさんを排除するつもりもあったのではないかと思うのです。また、スケープゴートには、ある程度実力のある社員がいい見せしめとなります。Aさんは格好の標的でした。





このケースで、同僚の男性社員がどう感じるのかシュミレーションしてみましょう。
だんだんAさんの元気がなくなっていき、
④ではどうやらミスをやらかして部長にまで言いつけられているようだ。部長の様子から見ると、課長は仕事ができそうだし、Aさんが悪いのかな。

⑤では、飲み会の席上でも課長に愚痴られて、課長とAさんがうまくいっていないのは、もう明白。どうやら、あの1件で課長に嫌われたようだ。にしても、課長に睨まれるとこんな所でも言われちゃうのか、くわばらくわばら。

⑦では、もう完全に無視されている。こりゃ睨まれたらきついな。ターゲットにならないようにしよう。

⑧の会議の後、完全に課長とAさんは切れてしまったようだ。とはいえ、Aさんの分まで仕事がどんどん来るし、構っていられない…。
(もちろん、このビデオにおける男性社員の場合です。結局彼らは動きませんでしたからね)

結局、Aさんは孤立無縁のまま、M課長の思惑通り退職に追い込まれてしまったのです。





「恐怖支配」型の上司は実力があるように見えて、その実、ホンモノの実力はないものです。どこか自信がないのです。ですから、なるべく早く権力を獲得することにより、人が安易に自分に近づかないようにします。

自分が上に立つことによって、人が下から上ってこれないようにする。それは、上からのぞき込まれたら底が見えるからです。自分の底がとても浅いことを自分で知っているのです。ですから常に自分を上に置きたがる。

ホンモノの実力を持った人は、恐怖支配などしません!


ハラスメントの本質は、人を道具にすることです。
「恐怖支配」型上司は、ターゲットを自分の支配確立のための道具にします。
その人がどのようになろうが知ったことではありません(この悲惨さは、後に書きます)。
相手を踏みにじって、かつ踏み台にする行為は、「犯罪」と言ってよいでしょう。

しかし、人を道具にする人間には必ずしっぺ返しが来ます。



--------------------------------------------------
さて、「恐怖支配」型の他に、私の知っている範囲で3つのタイプがあります。

「張り子のトラ」型上司
「職場カプセル」型上司
「サイボーグ」型上司

それぞれについて説明していきますので、是非自己防衛のためのご参考にしてください。


<続く>




職場のパワハラ上司8タイプ (事例を見て敵を知ろう!)



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