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2018/04/06

article:弁護士会照会と情報の保護

情報ネットワーク・ローレビュー第16巻が届いたので、巻頭の星野豊先生の論文を読んでみた。

星野先生は、発信者情報開示請求制度ができる前に議論していた、情報開示の可否判断を行う非訟手続の構想に類似する制度を提唱されている。
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なかなか意欲的だと評することができようが、その前提として弁護士会照会に裁判所の判断を関与させるという制度設計自体に現行制度とは異なる趣を加えるものと思われる。
また、このような非訟とは言え裁判所の判断を加えた上での「照会」となった場合、その拒絶や虚偽報告に対して何らかのサンクションが制度化されるのでなければバランスが取れないのではないかという疑問もある。

以上の他に、同誌には興味深い論考が多い。
「命令委任2.0」と第する原田伸一朗准教授の論文は、インターネット直接民主制というだけならまだしも、ロボット議員とか、「支持政党なし」という政治団体を詳細に分析するとか、「はぁ〜?」と言いたくなるようなタームが散りばめられている。それがどんなものなのかは、読んでみてのお楽しみ。

このほか、情報ネットワーク法学会では常連となった船越雄一・中澤佑一弁護士による「発信者情報開示請求訴訟の請求の趣旨」とか、壇俊光弁護士の「発信者情報開示請求における電子メールアドレスに関する考察」とか、そそられるものがある。
ドローン関係でも寺田麻佑先生や板倉陽一郎先生が興味深い論考を書いている。
あと、郭薇先生が「取調べ可視化と映像情報」と題する論考を載せている。

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