Franceにも非接触型お買い物カードがあった
フランスの銀行カードは、22年前のときから日本で言うデビットカード機能が充実していて、そのためpuceと呼ばれるICチップが付いたタイプが一般的だった。カルトブルーと呼ばれているが。
この4月にCaisse d'Epargne銀行(個人的には毛ガニ銀行と呼んでいる)に口座を開設し、カルトブルーを受け取ったが、それにはフェリカのような、非接触型決済チップが埋め込まれていた。写真左上の無線LANによく似たマークがそれだ。NFC標準のようである。
# なお、この写真はVISA.frのサイトから出てきたものなので、番号とかフェイクであろうと信じている。
そして、あわせて厚紙のカード入れを渡され、これに入れておくと電波を受発信しないので、勝手に接続されるのを防ぐのだということである。
パリの地下鉄などではずいぶん前からSuicaやPASMOのようなシステムがあったが、銀行カードもそうなっていて、Le sans contact CBと呼んでいる。
上記サイトによれば、カルトブルーのうち50%以上がsans contactで使える。他方、sans contactで使えるお店はまだまだ少なくて、21%程度にすぎない。とは言え、小商店でも露天商のようなところでもCBが普及している国だから、それらも含めた母数のうち21%ということは結構普及しているのであろう。少なくともシティ・カルフーは当然のように使えて、少額決済はそちらでということになっているようだ。
少額決済、すなわち20ユーロというのがsans contactの決済限度であり、日本円で2600円〜2800円。
ただ、問題は、まさしく少額決済を頻繁に行う町のパン屋とかTabacとか、さらにワゴン販売のところとか、そういうところに限ってはまだまだsans contactは使えなさそうなので、目的に反する形となっているのが残念だ。
その結果、やや古い統計だが、sans contactでの決済は一日13万件で、全取引量の1%にすぎないという。
→PDF資料
なお、この資料では2013年初頭のデータであり、2014年4月までには10%近くに達するとある。
そしてテレビコマーシャルを盛んにやっているが、おサイフケータイもようやくこの国で普及し始めているようだ。→NFC mobileのページ
参考:NFCとは
なお、ちなみに、毛ガニ銀行の担当者は、非接触型についてやや消極的であった。カードに機能はあるけども、アクティベイトしなけりゃならないし、勝手に接続して決済される可能性もあるから、私は勧めないと、とても銀行員とは思えぬ対応ぶり。
| 固定リンク
「フランス法事情」カテゴリの記事
- Arret:欧州人権裁判所がフランスに対し、破毀院判事3名の利益相反で公正な裁判を受ける権利を侵害したと有責判決(2024.01.17)
- フランス判決オープンデータ(ベータ版)(2023.02.22)
- 数字で見るフランス行政裁判所の2022年(2023.02.01)
- Book:フランス7つの謎(2022.11.04)
- ポワチエの新裁判所見聞(2022.09.14)
コメント