FRANCEの司法は夏休みを取らない
フランスでは1週間後に最初の学校のバカンスシーズンが始まり、もうバカンスが待ちきれない雰囲気になっているようで、リベラシオンが面白い記事を載せていた。
フランスでも裁判所は夏の間、開廷のペースが落ちる。しかし、夏も、それからクリスマスシーズンも、完全に閉めてしまうことはない。従って、いつでも訴えを提起したり告訴したりすることはできる。
一時期は、司法バカンス vacances judiciairesという時期が設定されていたそうだ。そしてその時期は、裁判所長の任命した少数の裁判官たちが緊急事件のみを扱っており、その裁判部を「休廷部 chambre de vacations」と称していたという。
この休廷部という制度は、1974年のデクレで廃止されたというから、現行民訴法典の施行時期と前後してなくなったということだ。
いかにもフランスらしい制度で面白いが、現在の開廷ペースを落とすという運用は、裁判官個々人が代わりばんこにバカンスを取得しているということであろうから、日本と大差ないのかもしれない。
ただし、日本よりは夏の開廷ペースを落とす期間は長く、7月15日から9月1日までだそうだ。
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