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2012/07/25

arret:児ポ法合憲決定

最決平成24年6月5日(PDF決定全文)

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律が合憲であるとの判断を示した最高裁決定が出た。

決定全文にははっきり書かれていないし、上告理由が省かれているのでわからないのだが、判示事項には以下のように書かれている。

児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条4項前段の規定は,児童の権利(性的自由)を侵害するから憲法13条,24条に違反するとの主張が,欠前提処理された事例

7条4項前段とは、次のような条文だ。

児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

これに対する最高裁の決定文は以下のとおり。
原判決が児童の権利を侵害しているなどとして憲法13条,24条違反をいう点は,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律が,児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性に鑑み,児童ポルノに係る行為等を処罰すること等により,児童の権利を擁護することを目的とするものであるから,前提を欠き,・・・

全く手がかりがない中で推測するに、上告理由では児童ポルノの提供または公然陳列が児童の幸福追求権を侵害するものだという論理を展開したのであろうか。それに憲法24条の婚姻は両性の合意と夫婦の平等に基づいて維持されるなどの規定がどのように関わるか不可解だ。

やはり、裁判例をウェブサイトに掲示するには、せめて上告理由もつけてほしいものである。上告理由は紙媒体でのみ提出させているようだが、そこから改善せねばならない。

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