France破毀院2009年次報告書
フランスの最高裁判所に相当する破毀院が、2009年版年次報告書をネット公開した。
内容は大部で要約困難だが、いくつか目についたところを挙げてみよう。
占有訴権の廃止(新規立法提案)
Henri Capitant協会の提案にもあるように、レフェレ(仮処分)手続が実効性を持っている現在、占有訴権は重複していて不要だとのこと。
破毀院の平均審理期間
民事事件について、2000年から2002年くらいまでは、大体600日弱の審理期間が必要だったが、次第に短くなり、2008年から2009年は400日弱となっている。
刑事事件はもっと短く、118日から130日弱となっている。こちらも2000年頃よりは短くなった。
事件数と破毀率
第1民事部 2232件のうち、31%が破毀
第2民事部 3227件のうち、37%が破毀
第3民事部 2079件のうち、29%が破毀
商事部 1944件のうち、34%が破毀
社会部 4536件のうち、31%が破毀
刑事部 8192件のうち、8%が破毀
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