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2009/07/30

jugement:更新料特約無効・敷引特約無効

このブログで取り上げた更新料特約を消費者契約法10条違反で無効とした裁判の判決全文が公表された。
敷引き無効については、もう常識かと思っていたが。

京都地判平成21年7月23日PDF判決全文

判決文の理由付けは長く、要約が難しいが、以下のようになろうか。

まず、民法その他の任意規定に比して消費者の権利を制限するものといえるかどうかについて

賃借人が賃料以外の金員の支払を負担することは賃貸借契約の基本的内容に含まれないところ,本件更新料特約では,賃借人が賃貸人に対し,契約更新時に賃料の2か月分相当額の更新料を支払うこととされている(前提事実(1 )カ)。そして,本件更新料が,賃料の補充としての性質を有しているといえるかは後記のとおり疑問であるし,仮にその性質を有していたとしても ,その支払時期が早い点 (民法614条参照)で賃借人の義務を加重する特約であるといえる。
さらに,更新料を授受することが慣習化していることを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件更新料特約は,民法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し,消費者の義務を加重したものといえる。

続いて、信義則違反の判断について、一般論として次のように判示する。
民法1条2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するか否かは,消費者と事業者との間に情報の質及び量並びに交渉力の格差があること(法1条)にかんがみ,当事者の属性や契約条項の内容,そして,契約条項が具体的かつ明確に説明され,消費者がその条項を理解できるものであったか等種々の事情を総合考慮して判断すべきである。

この一般論の下で、賃借人と賃貸人には情報格差があること、更新料特約について交渉の余地はないこと、更新料の性質として賃貸人が主張する「①更新拒絶権放棄の対価,②賃借権強化の対価,③賃料の補充,④中途解約権の対価といった要素」のいずれも合理性がないこと、契約時において具体的かつ明確に説明がされたという証拠はないことを挙げて、消費者契約法10条により無効とした。

この判決の論理なら、敷引きも更新料も、「その旨が具体的かつ明確に説明され,賃借人がその内容を認識した上で合意され」た場合には有効となるようである。
ただし、「本件更新料が更新拒絶権放棄の対価,賃借権強化の対価,賃料の補充,あるいは,中途解
約権の対価の要素を有するということについて,具体的かつ明確な説明」を要求しているわけだが、これらの諸要素にはいずれも合理的根拠がないと判断されているので、これらの趣旨があることを説明しても合理的な説明にはならないはずである。

この最後の点は、ややミスリードされそうな判示であったと思う。

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賃貸住宅の更新料が違法らしい。僕が住んでる大阪だとほぼ関係ないのだが、京都や関東は更新料が当たり前の地域だから大変な事だと思う。 [続きを読む]

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