litigation:やはり産婦人科医の訴訟リスクは高いのか
小倉秀夫先生のla causetteで報告されている表によれば、
診療科目別の医師1000人あたりの既済件数
内科--------------------2.7
小児科-----------------2.2
精神科(神経科)----2.5
皮膚科-----------------2.4
外科--------------------5.4
整形外科・形成外科--6.6
泌尿器科---------------3.9
産婦人科-------------16.8
(以下略)
これについて小倉先生は「少なくとも皮膚科や眼科と比べて小児科は訴訟リスクが高いとは言えないということは問題なく言える」とされており、なるほどと思わせるのだが、産婦人科については訴訟リスクが「極めて高い」ということも問題なく言えそうである。
小倉先生のソースへのリンクはうまく行っていないようなので、平成20年3月の参考資料集.PDFを参照した。
しかしまあ、医師1000人あたりの既済事件数というのでは、例えば野手一人あたりのエラー率を比較しているような数字である。
エラー率なら、守備機会で割るように、診療機会を基準としないと多寡は比較できないように思う。
それでも、外科や内科と比較するときに単純に診療機会を基準にすると、ヒットの数も守備機会に含めてしまっているような気がするので、統計的な比較というのはなかなか評価が難しい。
追記:コメント欄でハスカップさんが紹介してくれた本
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コメント
産婦人科の民事訴訟リスクが高くないという話はしていないので,「産婦人科については訴訟リスクが「極めて高い」ということ」が言えても問題はないです。ただ,小児科医が不足している原因を民事訴訟リスクに求めるのは,小児科医の民事訴訟リスクが高くない以上,間違いである可能性が高いということが言えます。
また,刑事訴訟が医学部生を産婦人科や小児科から遠ざける原因となっている(よって,これらの診療科についての医師不足の対策として刑事免責が有効である)というためには,これらの科目において刑事訴追される割合が高いことが要求されると思うのですが,この点に関するデータが見あたらないです(時間があれば,飯田先生の本に掲載されている事例を集計すればいいのですが)。
医療行為についての民事又は刑事上の責任を免責せよという大胆な立法提言をしている割には,基礎的なデータを集めなさすぎではないかなあと思うのです。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/27 20:03
>小倉先生
>刑事訴訟が医学部生を産婦人科や小児科から遠ざける原因となっている(よって,これらの診療科についての医師不足の対策として刑事免責が有効である)というためには,これらの科目において刑事訴追される割合が高いことが要求される
そうなんですか?
訴訟リスクの問題は、単純に言えば分野横断的な萎縮効果の問題と思うんですが。
例えば、ですが、小児科というのは、単に風邪だけを見ているわけではなく、奇形や遺伝子疾患や小児ガンにいたるまで、様々な知識が必要と聞きます。知識や技術に関しては他の診療科目(例えば外科や内科)に所属するものが必要とされていると思われます。
なので、他の診療科目に起こされた訴訟リスクは小児科医にとっても訴訟リスクとなりえる話があるわけです(例えば大人に有効な施術方法を子供に使用した場合)。
医師の所属する診療科目を標準とした訴追統計にも疑問がありますが、日本のように診療科目の別が、医者の専門性と完全にリンクしているわけではない場合(弁護士業界も、同じようなもんだと思いますが)には、診療科目ごとの訴追割合という概念は不要ではないかと。
むしろ、施術の方法や薬の処方方法等を横断的に捉えて考えてゆかないと、医者の方のいう訴訟リスクと、小倉先生の考える訴訟リスクとは、話が違うということになりかねないのではないでしょうか?
投稿: こう | 2008/08/27 20:54
こういう統計は、分母を医師人員数でなくて処理件数又は患者人員数にしないと不合理で公平性を欠きます。訴訟要因が診療処理(件数)や患者(人員数)に起因して比例するからです。
投稿: ハスカップ | 2008/08/27 21:07
小児科は、診療科の中では、最も収益性の低いものの1つです。
とりわけ、小児科は、季節産業ですので、病院経営という観点からは、小児科の入院病床が多いと苦しいです(占床率が他の診療科に比べると圧倒的に低い時期がけっこうある)。
また、診療に要する時間も他の診療科に比べて平均的に長くなりますので、外来でも収益性が必ずしも高くありません。
その上、眼科などのように規則正しい勤務時間(診療時間)というのになじまないということもあります。
リスクの大小が小児科離れを誘発している最大の要件ではないとおもわれますが、このような経済的不利益さに照らすと、リスクは高すぎると思います。私の知っている数人の医師たちの話を聞く限りは、現実に件数は少なくとも、やはり、割り箸事件によって、小児科特有のリスクがあると認識するに至ったようです。
投稿: yanaga | 2008/08/27 22:30
そう思うハスカップさんがそういうデータを探してくればよいのではないでしょうか。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/27 23:58
データを先に提示した小倉秀夫さんがデータを探して反論してください。私は統計の一般準則を示しただけです。
参照:ダレル・ハフ著『統計でウソをつく法』講談社ブルーバックス,第2章〝平均〟でだます法~第2章小さい数字はないも同然
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 00:07
失礼しました。o(_ _*)o 誤記訂正です。
誤り:第2章小さい数字はないも同然
正い:第3章小さい数字はないも同然
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 00:09
…小児科医は不足していますが、産科医と違って減っていません。増えています。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 00:42
厚生労働省が、不充分とは言え膨大な統計資料を年々歳々公表しておりますので、まずはそれなりに目を通してから議論をしていただきたいと思います。
また、この種の統計は現象を可視化するためのツールであり、現象が認識されない限り、データ収集と分析の努力は為されないことにも注意が必要と思います。
…それから、医師一人一人にとっては、リタイアまでに訴訟に巻き込まれるリスクがどれぐらいであるかが問題であって、それが業務の中でどういう確率で生じてくるのかは問題ではないだろうと思います。押し寄せてくる患者さんを坦々と診療していくという環境の中では、それは比較自体に意味がなく、また、操作不能であるからです。
それは問題解決を試みる立場の行政や研究者の問題です。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 00:54
>また、この種の統計は現象を可視化するためのツールであり、現象が認識されない限り、データ収集と分析の努力は為されないことにも注意が必要と思います。
だと思います。それがために自説に都合よくクリームスキミングが可能な統計として、悪用されるリスクを負う宿命を内在していると思います。
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 00:58
私は,それが重要だとは思っていませんので,あしからず。>ハスカップさん。
ネット上では,相手の主張を封じるために,公表されていないデータの提出を要求するという手法をとる方が少なからず見受けられるようですね。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/28 01:09
医療施設従事医師・歯科医師数の年次推移,病院−診療所・診療科名(主たる)別
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/data/180/2006/toukeihyou/0006241/t0138202/K0004_001.html
…ご参考までに。
小児科医が減っているという間違った前提でお話をされても困ります。
因みに、内訳を見ると、病院勤務の小児科医はわずかに減少しています。しかしながら、小児人口の減少(…具体的分析に興味をお持ちでしたら、国勢調査及び人口動態統計等から15歳未満人口の年次推移などを容易に抽出することができます)を加味すれば、やはり減っているようには見えません。
これがまた、医師不足の発見を送らせる原因となったと思います。
因みに、現在、産科の他にも減少が著しい診療科のあることが認識されるに至っており、また、見た目は増員が果たされているにも拘わらず、急激に人手不足の状況に陥っている診療科もあり、既に統計分析は完全に後手に回っているという状況です。
必要なデータが何かが分からず、対策のヒントがつかめていません。目下、産科をはじめとして全国的に医師のタイムスタディが展開されており、朧気ながら何が起きているのかが漸く分かりはじめているように思っています。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 01:43
はじめまして。突然失礼します。
>小倉先生
論文作成を考えていただければわかると思いますが、統計データを論拠に意見の主張を行って、その統計データの解釈・用法・価値に疑義を挟まれた場合の対処としては、そのデータ利用の正当性を立証するか、データから語れる範囲に結論を修正する(訴訟リスクだけが小児科不足の原因かどうかははっきりしない、とか)のが普通だと思うんですが(1)。
「それが重要だと思ってません」っていうのは、自分の論拠の正当性の証明が重要だと思ってないんですか?それとも、論拠は十分に強力で、そこから導かれる結論も変える必要がない、という意味でしょうか?それは、ハスカップさんのご指摘の通り、明らかに間違っています。
ですから、「そう思うハスカップさんがそういうデータを探してくればよいのではないでしょうか」という主張はそもそも筋違いですし、そのような文章を書いた人がすぐ次に「ネット上では,相手の主張を封じるために,公表されていないデータの提出を要求するという手法をとる方が少なからず見受けられるようですね。」って主張するのはどうなんでしょうか。要求されたのは自分が要求したデータですよ?
ハスカップさんにデータの提出を要求したつもりはなくて単なるアドバイスだったのでしょうか。だとしても、前述(1)の通り議論のやり方を知らないとのそしりは免れませんし、データの提出を求めたつもりだったのだとしたら、たったこれだけの文章の中でかくも見事なダブスタをやってのけた事になります。
もうちょっと考えてから書いたほうが良いんじゃないですか?他人様のブログのコメント欄は、自分のブログと違って書き直したり削除するのが難しい場所なんですから。
投稿: び | 2008/08/28 07:32
>rijin_md 先生
確かに、必要なデータが何かわからないという点が問題ですよね。割り箸事件の被告は耳鼻科医ですが、事件の影響は耳鼻科と小児科とどちらに大きく出るのか?とか、これまでは、よくある町の「内科・外科・小児科」クリニックが受け持っていた軽症の子供が「子供は小児科の専門の先生に」という流れで小児医療を圧迫してないか?とか、色々と考えてみるんですが、何を測ればいいものやら。
連投失礼しました。
投稿: び | 2008/08/28 07:42
自分のブログの方にも書きましたが,○○年間の間に医療過誤訴訟に巻き込まれる確率を算定するに当たっては,年間の単位人数あたりの医療過誤訴訟件数があれば足ります。
それ以外の観点で分析がしたいから「分母を医師人員数でなくて処理件数又は患者人員数にしないと不合理で公平性を欠」くと思うのであれば,そう思う人がそのデータを出せばいいことです。
どうしても匿名だと偉くなった気になってしまいがちなので,「あれだせ,これだせ」と命令しがちです(命令するのは楽ですから)。でも,議論を前向きに進めたかったら,必要とされているデータは,相手方しか把握していないようなものでない限り,自分で探して提示する方がよいのです。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/28 08:59
下記について御一考を希望します。
>どうしても匿名だと偉くなった気になってしまいがちなので,「あれだせ,これだせ」と命令しがちです(命令するのは楽ですから)。でも,議論を前向きに進めたかったら,必要とされているデータは,相手方しか把握していないようなものでない限り,自分で探して提示する方がよいのです。
>
>投稿 小倉秀夫 | 2008/08/28 08:59
>ネット上では,相手の主張を封じるために,公表されていないデータの提出を要求するという手法をとる方が少なからず見受けられるようですね。
>
>投稿 小倉秀夫 | 2008/08/28 01:09
>そう思うハスカップさんがそういうデータを探してくればよいのではないでしょうか。
>
>投稿 小倉秀夫 | 2008/08/27 23:58
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 09:21
思うに、提訴リスクが萎縮医療や医師の離脱をまねいているかどうかという問題を考えるに当たっては、実際に提訴・起訴されているかどうかということも重要ですけれども、それだけで決まるわけではありませんね。
心理的な影響という点では、裁判沙汰に巻き込まれたときのメディアの扱い方とか、あるいは業界の口コミの伝わり方とか、刑事と民事の違いとか、またその受け止め方のトレンドとかも大きく影響するでしょう。
そういう意味では、こと提訴リスクの影響ということを考えるだけでも、統計はどんなに厳密に絞っても十分な要因たり得ません。逆にそういう統計があるということのアナウンス効果もあるわけですから。
ここで取り上げたのは、民事訴訟制度を考える上で、診療科ごとにこんなに違いがあるということに興味を惹かれたからでして、その意味では医師一人あたりの統計よりも実数の方が興味があったりします。
投稿: 町村 | 2008/08/28 09:37
はじめて、こちらでは投稿します。
医療訴訟になるかどうかは、期待と現実のデルタの大きさが問題となります。
産科の場合、それが極大になるために、訴訟が飛び抜けて多いのです。
小児科の場合、急死や急転直下で不可逆的な結果になるのには少ないので、結果を受け入れる余地があります。
小児科でも脳炎などの劇的なケースでは訴訟になります。
こんなことは、今更なことですが、参考まで。
投稿: ssd | 2008/08/28 09:56
はじめて、こちらでは投稿します。
→初めまして、こちらでは初めて投稿します。
投稿: ssd | 2008/08/28 09:57
小倉秀夫先生、こんにちは。
小児科医は減っていません。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 10:02
しかし,医師が特に不足している診療科目について民事又は刑事の訴訟件数が多くないということは,民事又は刑事の訴訟がこれらの診療科目における医師不足の主たる要因とは言えないことを強く推認させますし,医療行為について医師を治外法権としたところでこれらの診療科目における医師不足の解消には繋がらないであろうことを強く推認させます。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/28 11:15
小倉秀夫先生、こんにちは。
しかしながら、訴訟件数の格段に多い産科医は確かに減少しています。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 11:28
ハインラインの「異星の客」という小説に公証人という一種の法曹の職業の人がいて、
あそこに見える赤い屋根の家を指さして、
「なんと表現するか?」
と聞かれて、
「こちら側の屋根が赤い屋根の家があります」
と答えるシーンがあり、感銘を受けました。
診断学で飯を食っている今も、そうした先入観での誤謬は犯すまいと常に自覚しています。
そして、赤い屋根の家を指して、裏の屋根は7色に塗りたくられていると推認するとか言う人を見かけたときの衝撃。
投稿: ssd | 2008/08/28 11:34
統計は、動向を見るためにはいいですが、因果関係まで言及するには相関係数まで出さないと批判を受けます。特に相関関係があっても、増減率の相関がないと偶然性を否定できません。もちろん、5年10年では足らず、20年くらいはみたいものです。
このように統計数値は動向をみるには便利でも、因果列の証明まで言及するのは避けた方がいいでしょう。
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 12:25
…まあ、そうなんです。
しかしながら、原因が明らかにならないと対策の立てようがないのも事実で、困っています。特に医師の増員は何とか実現可能な政策になってきましたが、どの診療分野にどれだけ、しかも具体的に数を決めてそれを実現する方法まで考えないと、現場の疲弊は改善しません。
あるいは具体的な数字を計画するまでもなく、市場に有効なインセンティブを提供することでも代用できるかも知れませんが、それでも結局は同じ事です。
となると、特定診療分野への誘導をかける政策の他方で、真逆な誘導がかかるという事態は放置できません。アクセルを踏みながら思い切りブレーキを踏む愚に他ならないからです。
石でも棒でも投げつけられるものは何でもという訳には当然いきませんが、ウラを取りながらアヤシイ要因を排除する努力も欠かせません。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 12:38
>しかしながら、原因が明らかにならないと対策の立てようがないのも事実で、困っています。
そういう場合は大規模なアンケートを実施するといいかも知れませんが、抽出率や設問設定に配慮しないと……。
ただ統計数値やアンケート結果を組み合わせれば「動向」として信用性が少しは高まると思います(景気判断でよく使う)。
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 12:48
そういうお話は,まず,特定の診療科目における医師不足の原因を刑事裁判に押しつけて,医師を刑事免責とせよと声高に叫んでいる方々に仰った方がよいのではないでしょうか?>ハスカップさん
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/28 14:02
小倉秀夫先生、こんにちは。
あらためて申し上げますが、近年、日本の小児科医はむしろ増えており、対して産婦人科医は減少しております。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 14:09
特定の診療科目における医師不足の原因を刑事裁判に押しつけて,医師を刑事免責とせよと声高に叫んでいる方々がおられないここで発言するのは、筋違いではないですか?
投稿: ssd | 2008/08/28 15:35
某大先生の見解では
「医療過誤訴訟における医師敗訴率を3割とすると,産婦人科医が40年間で1度以上敗訴する確率は約18%(小児科医の場合,約3%)に過ぎません。」
とのこと。
「過ぎません」という表現は明らかに不適切で,町村先生が指摘されるとおり「 リスクが「極めて高い」という」評価が通常の感覚に合致するのではないかと思います。
更に,産科事案の1件あたりの訴額がどの程度になるのかを某大先生は考えたことなどないのでしょう。
1億円を超える事案も少なからず存在し2億円を超えるものも珍しくないご時世。
そのような訴訟で「40年間で1度以上敗訴する確率が約18%」もあるとするならば,産科を選択する者が激減しないと考える感覚をどのように評価できるのか。
弁護士や大学教授といった人のために一生懸命努力をする職業人が,このような高率で敗訴して何億円も支払わされることとなる職業であるとするなれば,苦労に苦労を重ねてその道を選択する人は殆どいなくなるのでは。
そのような職業人が減って,利益を得ることになるのは誰なのでしょうか。
そのような感覚を法律家は持つ必要があることを,町村先生の評価をみて,強く考える次第。
投稿: 通行人 | 2008/08/28 16:45
>このような高率で敗訴して何億円も支払わされることとなる職業であるとするなれば,苦労に苦労を重ねてその道を選択する人は殆どいなくなるのでは。
損害賠償責任保険で危険を分散するしかないでしょう。だけど、全医師と全医療機関が強制加入でないと、ハイリスク診療科目からの逃避は逆に増えそうだし、価格転嫁ができないと、収入減となるので加入者の伸びも期待できないし……。思案六歩。
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 18:28
といいますか,仕事上のミスにより他人に相当な額の損害を与える虞のある職業に従事する場合,普通賠償責任保険って入るものではないのですか?
医師が賠償責任保険に入らなくても済むように,医療ミスで患者の命を奪ったり高度の障害を与えたりしても,患者は泣き寝入りせよというのもおかしな話ですし。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/28 19:48
小倉秀夫先生、こんにちは。
あらためて申し上げますが、近年、日本の小児科医はむしろ増えており、対して産婦人科医は減少しております。
「医学部生を産婦人科や小児科から遠ざける」という前者の原因はともかく、後者の現象は少なくとも公式統計では観察されておりません。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 20:05
最近,といわれましても,平成20年度の医療科目別医師数統計はまだ出てきていないと思いますが。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/28 20:33
小倉先生の悪い癖ですが、なぜH20年度でない統計は、最近ではないという前提で話が展開されるのでしょうか。
H19年度から数年見れば傾向を言うには足るでしょう。
投稿: ssd | 2008/08/28 22:03
ちなみに
http://www-bm.mhlw.go.jp/shingi/2008/08/dl/s0805-3g.pdf
これを提示するのは、小倉先生の仕事だと思いますがね。
2P目の「導入期には減少したが、その後は、導入以前の水準以上に入会者数が回復している学会」
小児科の臨床研修制度導入後の変化率 14.9%
増えていますね。確かに。
後の資料でも、小児科は、少しずつ立ち直りつつあるなあという前向きの印象を受けます。
産科の瀕死状態とは対称的です。
投稿: ssd | 2008/08/28 22:13
>医師が賠償責任保険に入らなくても済むように,医療ミスで患者の命を奪ったり高度の障害を与えたりしても,患者は泣き寝入りせよというのもおかしな話ですし。
初めて発言した人がおかな話というくらいおかしな話であることに間違いないです。そんなことを言うのは小倉秀夫さん、あなただけでしょう。他の人は誰も一言もそんなことをいってないですから。
>といいますか,仕事上のミスにより他人に相当な額の損害を与える虞のある職業に従事する場合,普通賠償責任保険って入るものではないのですか?
それは弁護士は全員が賠償責任保険に入っているということですか?
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 22:26
小倉秀夫先生、こんにちは。
あらためて申し上げますが、近年、日本の小児科医はむしろ増えており、対して産婦人科医は減少しております。
「医学部生を産婦人科や小児科から遠ざける」という前者の原因はともかく、後者の現象は少なくとも公式統計では観察されておりません。
何を根拠に「医学部生を・・・・・小児科から遠ざける」とおっしゃるのでしょうか。
因みに、周知のように医師・歯科医師・薬剤師調査は隔年12月31日付で実施され、次回は平成20年12月31日付に予定されており、結果公表は平成21年晩秋の見込みです。
投稿: rijin_md | 2008/08/28 22:48
>最近,といわれましても,平成20年度の医療科目別医師数統計はまだ出てきていないと思いますが。
それは常識から言って当たり前です。平成20年度は年度途中だから、統計が出ていないのは当然です。せめて平成20年度の上半期は出てますか?と思ってほしかったです。統計を語るなら。
投稿: ハスカップ | 2008/08/28 22:53
ついでに言うならば、学会加入は、ふつう4,5月に集中しますから、学会に照会すれば、今年度の入会者数だって、充分知ることは可能です。
投稿: ssd | 2008/08/29 06:34
全員かどうかはわかりませんが,弁護士の場合,賠償責任保険に入るのが普通だとは思います。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/08/29 08:19
小倉秀夫先生、こんにちは。
あらためて申し上げますが、近年、日本の小児科医はむしろ増えており、対して産婦人科医は減少しております。
「医学部生を産婦人科や小児科から遠ざける」という前者の原因はともかく、後者の現象は少なくとも公式統計では観察されておりません。
何を根拠に「医学部生を・・・・・小児科から遠ざける」とおっしゃるのでしょうか。
投稿: rijin_md | 2008/08/29 08:41
ここで言っていることと、自ブログの言説が乖離しているのは、誠実な態度とは言えないのではないですか?
ここでの見解を変えたことを認めた上で、新たな議論に移るのは、別に何の問題もないのに。
投稿: ssd | 2008/08/29 09:45
小倉氏の回答が、自ブログでの
>彼の取り巻きのご機嫌を損ねるデータを出し続ける私個人に対する人格攻撃しかできなくなった方はとりあえず放置して,
だとすれば、世間一般では、ここで議論に参加している人間への中傷と受け止めますが、何か釈明がありますか?
投稿: ssd | 2008/08/29 11:17
小倉秀夫さん
>彼の取り巻きのご機嫌を損ねるデータを出し続ける私個人に対する人格攻撃
誰のどの部分が人格攻撃なのか具体的に特定してください。あなたの統計分析や論理的整合性や自己矛盾の主張を批判している方だけだと思いましたが?
投稿: ハスカップ | 2008/08/29 11:37
「彼の取り巻き」というものがある、ということにしたいのでしょう。
投稿: SSI | 2008/08/29 11:47
小倉秀夫 先生、こんにちは。
自分は誤った認識さえ改めていただければそれで充分です。それを公言する必要があるとは思いません。
新しい別エントリについては、また別の出張先で問題点を指摘させていただくつもりです。
町村先生、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。静観していただいたことに深謝いたします。
投稿: rijin_md | 2008/08/29 12:23
大野病院事件で検察が控訴断念
福島県立大野病院事件で、産婦人科医を無罪とした福島地裁判決について福島地検は控訴を断念。
2008年08月29日金曜日
Copyright © The Kahoku Shimpo
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/08/2008082901000420.htm
投稿: ハスカップ | 2008/08/29 15:50
>小倉先生
>自分のブログの方にも書きましたが,○○年間の間に医療
>過誤訴訟に巻き込まれる確率を算定するに当たっては,年
>間の単位人数あたりの医療過誤訴訟件数があれば足りま
>す。
ということでしたら、やはり結論の方をもう少し弱めるべきかと思います(「平均的な業務を行う小児科医が仮に減少しているとしても、その第一の原因は訴訟リスクではない」など)。
データを示さない相手に対してデータを示そうとする態度は一定の評価を受けてしかるべきものでしょうが、不合理あるいはパワーの弱いデータの上に誤った理論を構築してでも何かを言えばいいというわけではありません。法を守らない相手に対して俺様法で私刑に処すようなものです。
投稿: び | 2008/09/03 00:02