世界の共産党・労働党
★2024/11/08のRTの記事。
キエフ向けの兵器を運ぶトラック隊をギリシャの抗議者達がブロック(抄訳)
日本共産党の反共産党的性格を端的に物語る記事。冷戦後にはソ連や共産主義に対するデバンキング的な研究が随分進んだのだが、日本共産党の歴史観にはそれらの成果が全く反映されておらず、冷戦期のプロパガンダに染まった儘、頭の成長がストップしていることが窺える。まぁこれは日本国民全体についても言えることなので、一概に日本共産党員達だけを責めることは出来ないのだが、それにしてもガラパゴス化が著しい。国内情勢ばかりを気にして、国際社会に全く関心が無いからだろう。
ロシア革命100年と社会主義を考える
2023/01/25、Amazonの英国の従業員達が初めてストライキを敢行。先月Amazonが時給50ペンスの昇給を発表したのに対し、「ふざけんな、時給15ポンドにしろ」と怒った、全従業員1,000人中、推定300人がストに参加。彼等はまた、長時間労働、頻繁な怪我、容赦の無い作業ペース、技術的に強化された積極的な従業員監視等についても改善を求めているが、Amazon側ではストの規模は「英国の従業員の僅か1%に過ぎない」を声明を出している。
Amazon workers stage ‘historic’ strike
ソ連建国100周年記念式典に於けるロシア共産党(ロシア最大野党)党首ゲンナジー・ジュガーノフのスピーチ、英語字幕付き。ソ連については余りにも多くの嘘や偏向情報が垂れ流されているが、その上で、ソ連は(他の国々と同じ様に)多くの間違いも犯したかも知れないが、立派な業績も数多く残したと思う。大きな歴史的文脈をきちんと踏まえていない評価は不当だろう。中国なんかもそうだが、今の西洋の狂った様なロシア恐怖症を見ていると、「ロシア人も普通の人間であって、理解不能なモンスターではない」と云うことを腹の底で理解していない人が余りにも多い様に見受けられる。相手を理解する努力を碌にせずに、「あいつらは鬼だ悪魔だ犬畜生だ。同じ人間の基準が通用しない狂人集団だ」と決め付けることを、世間一般では普通どう呼ぶだろうか。それは「差別」と言うのだ。
現在の日本では共産主義や社会主義については現実の細かなニュアンスを気にする人よいり使い古されたステレオタイプを繰り返すだけの連中の方が遙かに声がでかいが、ラテンアメリカの Pink Tide に見られる様に、現実の共産主義や社会主義は往々にして、脱植民地運動や人民主権運動を呼び換えたものだ。現実の西洋の資本主義システムが帝国主義や植民地主義と不可分のものとして発展して来た以上、これらの理念を単体で完結したものとして考えることは、現実を無視した態度だと言える。
Decolonization, Multipolarity, and the Demise of the Monroe Doctrine
脱植民地化、多極化、そしてモンロー・ドクトリンの終焉
How Europe Underdeveloped Africa でアフリカの低開発状態の根本原因は植民地主義であると説き、1980年に暗殺されたガイアナの政治活動家・教師のウォルター・ロドニーの別の著書、The Russian Revolution: A View from the Third World が2018年新たに編集し直されて再出版された。この動画はその出版記念のパネルディスカッションの様子。ヴィジャイ・プラシャド氏が言う様に、反帝国主義でない人、このの世界が帝国主義によってどれだけ蹂躙されているかに気が付いていない人、帝国主義勢力による嘘や歪曲が見抜けていない人は、この種の本は読んでも無駄だろう(例えば「シリアの人々を救う為にシリアに爆弾を落とせ!」とか真顔で言うリベラリストとか)。私自身のブログもそうだけれども、反帝国主義的情報と云うのは帝国と闘う心構えが出来た人でないと、聞いても役に立たない。そして自分の置かれている状況と他者の置かれている状況はそれぞれ違っていて、個々の問題に対する解答もまたそれぞれ違っている、と云う基本的なことが理解出来ていない人は、そもそも議論や対話や熟考による学びのプロセスが遂行出来ない。パネラー達が再三強調しているのは、個々の人々が置かれている具体的な状況を常に想定して、普遍的・画一的な答えを求めないと云うマルクス主義の伝統に拘ることだが、労働運動が略絶滅してしまった西洋諸国では、具体的な人々との連帯の中でた多様な声に揉まれながら、且つ成功体験によって自信を得ると云う経験が余りにも少ない(私自身もそうだ)。だから基本的にステレオタイプでしか革命を語れないし、評価出来ない。だからこそ幼稚な印象操作に簡単に引っ掛かる。事実についての直の生々しい手触りが欠けているのだ。この世界的な反帝国主義・脱植民地主義の現実に在って大事なのは、私達自身が先へ進む為に参考にすることが出来る情報であって、一時的な消費の為の情報や、少数の学者しか読まない様な情報ではない。ロドニーの活動から生まれた歴史観も、彼の置かれていた具体的な状況を想定しながら、鵜呑みにするのではなく咀嚼して解釈し直すことによって、読者自身の活動にとって有効な語彙を再発見出来るかも知れない。
Walter Rodney’s Russian Revolution
★Vijay Prashad著、Red Star Over the Third World のレビュー。十月革命とその後の展開が、第三世界/グローバルサウス諸国の共産主義・社会主義陣営に対して及ぼした様々な影響を一般向けに解説した本。
西側/西洋社会が今まで見て来なかった、見ないことにして来たもうひとつの現実
ファシズムが白昼堂々跋扈する様になった欧州、特に東欧では、脱共産主義の動きが止まらない。ウクライナとポーランドでは共産党は禁止され、共産主義の出版物も禁止されている。ラトビア、リトアニア、エストニアでも共産党は禁止され、ネオナチによるソ連時代の記念碑等への破壊行為はチェコやドイツ等にまで広がり、モルドバではソ連やロシアのシンボルを公の場で展示することが禁止されようとしている。ギリシャ、ポーランド、ハンガリー、ユーゴスラヴィア等の各共産党はこうした動きに対して再三抗議・警告を発している。日本共産党とは違って、彼等は高まるファシズムの台頭に目を瞑っていることは出来ない。
Leftists Denounce Rampant Decommunization Attempts in Eastern Europe
アルベルト・アインシュタインの、社会主義についての1949年のエッセイ。蛸壺に閉じ籠った保守的な「専門家」や恥知らずな売文家ばかりが持て囃される時代に在って、彼の様なスケールの大きな知識人の有難味はすっかり薄れてしまった様な観が有るが、ラディカルな問いを発することの出来る知性の持ち主が誠実に発した問いは、そう簡単に古びたりはしない。
Why Socialism?
ウクライナ紛争に関して、今だに状況が理解出来ていない人はプーチンに対して戦争反対を叫んでいるが、まともな人間だったらこの戦争を始めた張本人であり且つ終わらせようとしていない張本人の方に抗議する(平和的な外交交渉による解決を、ウクライナに関しては8年、NATOに関しては20年以上求めて来たのはプーチンの方であって、それを悉く黙殺して来たのはNATOナチ陣営の方だ。1930年代のスターリンの立場と少し似ている)。アメリカ帝国でもコードピンク等の洗脳されていない本物の反戦団体が各地でデモを行なっている。基本的にアメリカ人は国際情勢を何ひとつ知らないバカばっかだが、英語圏では少なくとも大政翼賛化した大手メディアに対抗する優秀な代替メディアが発達している。情報鎖国状態の日本語環境ではそれに追い付くまでに何年掛かるやら。
Peace Activists Hit the Streets from DC to San Francisco
ウクライナ紛争に関しては、西側の左派・リベラルは総じて状況が全く見えていないのがデフォ。文脈も理解していないし、メディア報道の行間の読み方も壊滅的に下手。西側の大政翼賛的プロパガンダ・システムを盲信している上に、帝国主義の実態に知識も関心も無いのが主な原因だろうとは思うが、その点、帝国主義の被害に遭っている国々は、帝国の嘘に対して敏感だ。自分達の狭い世界に引き篭もっている西側市民と違って、彼等はひとつの嘘に騙されたら直ぐに忘れコロッと次の嘘に騙される、などと云うことを繰り返す訳には行かないのだ。
Latin Americans Reject Resource Plundering by the Same NATO Countries Fueling Military Conflict in Ukraine
ラテンアメリカ:「ウクライナをめぐる紛争。左翼はどこに立つべきか?」
欧州では3月にはウクライナの旗を振ってロシアに対する制裁を求めるデモが行われたが、06/20にはブリュッセルで「NATOを止めろ」と、現在の自分達の経済的苦境の原因がロシアに対するEUの制裁体制とNATOによるウクライナへの武器援助であると(正しく)結論付けたデモが行われている。労働組合発表では参加者は8万人で、警察発表では7万人近く。これこそが本物の反戦運動だ。何度も言うけれどもウクライナ紛争を始めたのはロシアではなく西側で、ウクライナは連中の捨て駒だ。
‘Stop NATO,’ protesters chant at massive rally in heart of EU (VIDEOS)
バイデンの「米州サミット」に代わるものとして開催された『民主主義の為の人民サミット』についての記事。この動きが今後どう展開して行くかは未知数だけれど、世界社会フォーラムが資金面から乗っ取られて骨抜きにされてしまった様に、形だけの代替選択肢にならないよう強く願う。
『人民サミット』の構築。もうひとつの世界は可能だ、だがそれを実現させなければならない。
今年の米州機構(AOS)が主催する米州首脳会議では、キューバ、ニカラグア、ヴェネズエラが排除されていることに抗議し、他のラテンアメリカ諸国もボイコットを決行したが、彼等は更に進んで独自の「民主主義の為の人民サミット(People’s Summit for Democracy)」を開催した。バイデンの民主主義サミットなるお寒い茶番とは異なり、こちらは資本主義、帝国主義、人種差別に対する草の根の労働者達の国際的な連帯と闘争と抵抗に基付くラディカルなヴィジョンを提示することを目指している。
People’s Summit for Democracy Ends with a Bold Plan
アフリカ人民社会主義党は「ロシアの自衛戦争」を支持し、その起源を、1918年からの米日を含むあらゆる植民地主義勢力によるロシアの侵略に求めており、(日本人の殆どは恐らく、大日本帝国が生まれたばかりのソ連を侵略しようとした事実について何も知らない)、ロシア侵略は「600年以上前にアフリカへの攻撃で始まった植民地の生産様式を保護する為の侵略」であったと位置付けている。NATOもまたソ連を封じ込めて粉砕する為に作られた組織であり、国際植民地主義ブロックが作り上げた世界秩序は冷戦後は米国の一極世界支配に変わり、プーチン率いるロシアはこれに挑戦している。
「従って、アフリカ人とヨーロッパ植民地主義の全ての犠牲者にとって、アフリカとアフリカ人の生活を600年に亘って支配して来た植民地奴隷制勢力と(自覚は無いでしょうが)戦っているロシアと連帯すると云う断固とした立場を取ることが絶対に必要です。」
The Official Position of the African World to Russia’s Defensive War in Ukraine
ロシアの最大野党はロシア共産党だが(ナワリヌイの弱小未登録政党「ロシアの未来」じゃないよ)、このインタビューに答えた幹部はまだ40歳(若い!)。掲げている目標は「21世紀の新たな社会主義の構築」で、「マルクス・レーニン主義の創造的発展」をプログラムに取り入れ(マルクス・レーニン主義はドグマではない)、混合経済路線を目指している。ウクライナ紛争についても西側プロパガンダの嘘はちゃんと見抜いていて、「唯一の解決策はウクライナの完全な軍事的敗北です」とプーチンの方針を支持。ウクライナに於ける特殊軍事作戦も「侵攻」ではなく「特殊作戦」と呼んでいる。ウクライナでは今は禁止されているウクライナ共産党や中国共産党、ベトナムやキューバやインドの共産党とも良好な関係を築いていて、その殆どは反西洋帝国主義。与党統一ロシアによる病院の「効率化」や抗議者の拘留には反対している。党としては無神論だが党員が神を信じる権利は認めており、但し党内に宗教的プロパガンダを入れてはならない。トロツキストは居らず、ソ連を悪化させた最大の張本人はフルシチョフ。
Russian Communist Leader: The Only Resolution is the Complete Military Defeat of Ukraine
「ロシア共産党は、国有化の強化、脱ドル化、デジタルIDと大規模ワクチン接種の中止を求めている」と云う、まぁ読んで字の如しの記事。かなりまともな政党だと思う。
Communist Party of Russia Calls for Increased Nationalization, Dedollarization, an End to Digital ID and Mass Vaccinations
キエフ向けの兵器を運ぶトラック隊をギリシャの抗議者達がブロック(抄訳)
日本共産党の反共産党的性格を端的に物語る記事。冷戦後にはソ連や共産主義に対するデバンキング的な研究が随分進んだのだが、日本共産党の歴史観にはそれらの成果が全く反映されておらず、冷戦期のプロパガンダに染まった儘、頭の成長がストップしていることが窺える。まぁこれは日本国民全体についても言えることなので、一概に日本共産党員達だけを責めることは出来ないのだが、それにしてもガラパゴス化が著しい。国内情勢ばかりを気にして、国際社会に全く関心が無いからだろう。
ロシア革命100年と社会主義を考える
2023/01/25、Amazonの英国の従業員達が初めてストライキを敢行。先月Amazonが時給50ペンスの昇給を発表したのに対し、「ふざけんな、時給15ポンドにしろ」と怒った、全従業員1,000人中、推定300人がストに参加。彼等はまた、長時間労働、頻繁な怪我、容赦の無い作業ペース、技術的に強化された積極的な従業員監視等についても改善を求めているが、Amazon側ではストの規模は「英国の従業員の僅か1%に過ぎない」を声明を出している。
Amazon workers stage ‘historic’ strike
ソ連建国100周年記念式典に於けるロシア共産党(ロシア最大野党)党首ゲンナジー・ジュガーノフのスピーチ、英語字幕付き。ソ連については余りにも多くの嘘や偏向情報が垂れ流されているが、その上で、ソ連は(他の国々と同じ様に)多くの間違いも犯したかも知れないが、立派な業績も数多く残したと思う。大きな歴史的文脈をきちんと踏まえていない評価は不当だろう。中国なんかもそうだが、今の西洋の狂った様なロシア恐怖症を見ていると、「ロシア人も普通の人間であって、理解不能なモンスターではない」と云うことを腹の底で理解していない人が余りにも多い様に見受けられる。相手を理解する努力を碌にせずに、「あいつらは鬼だ悪魔だ犬畜生だ。同じ人間の基準が通用しない狂人集団だ」と決め付けることを、世間一般では普通どう呼ぶだろうか。それは「差別」と言うのだ。
現在の日本では共産主義や社会主義については現実の細かなニュアンスを気にする人よいり使い古されたステレオタイプを繰り返すだけの連中の方が遙かに声がでかいが、ラテンアメリカの Pink Tide に見られる様に、現実の共産主義や社会主義は往々にして、脱植民地運動や人民主権運動を呼び換えたものだ。現実の西洋の資本主義システムが帝国主義や植民地主義と不可分のものとして発展して来た以上、これらの理念を単体で完結したものとして考えることは、現実を無視した態度だと言える。
Decolonization, Multipolarity, and the Demise of the Monroe Doctrine
脱植民地化、多極化、そしてモンロー・ドクトリンの終焉
How Europe Underdeveloped Africa でアフリカの低開発状態の根本原因は植民地主義であると説き、1980年に暗殺されたガイアナの政治活動家・教師のウォルター・ロドニーの別の著書、The Russian Revolution: A View from the Third World が2018年新たに編集し直されて再出版された。この動画はその出版記念のパネルディスカッションの様子。ヴィジャイ・プラシャド氏が言う様に、反帝国主義でない人、このの世界が帝国主義によってどれだけ蹂躙されているかに気が付いていない人、帝国主義勢力による嘘や歪曲が見抜けていない人は、この種の本は読んでも無駄だろう(例えば「シリアの人々を救う為にシリアに爆弾を落とせ!」とか真顔で言うリベラリストとか)。私自身のブログもそうだけれども、反帝国主義的情報と云うのは帝国と闘う心構えが出来た人でないと、聞いても役に立たない。そして自分の置かれている状況と他者の置かれている状況はそれぞれ違っていて、個々の問題に対する解答もまたそれぞれ違っている、と云う基本的なことが理解出来ていない人は、そもそも議論や対話や熟考による学びのプロセスが遂行出来ない。パネラー達が再三強調しているのは、個々の人々が置かれている具体的な状況を常に想定して、普遍的・画一的な答えを求めないと云うマルクス主義の伝統に拘ることだが、労働運動が略絶滅してしまった西洋諸国では、具体的な人々との連帯の中でた多様な声に揉まれながら、且つ成功体験によって自信を得ると云う経験が余りにも少ない(私自身もそうだ)。だから基本的にステレオタイプでしか革命を語れないし、評価出来ない。だからこそ幼稚な印象操作に簡単に引っ掛かる。事実についての直の生々しい手触りが欠けているのだ。この世界的な反帝国主義・脱植民地主義の現実に在って大事なのは、私達自身が先へ進む為に参考にすることが出来る情報であって、一時的な消費の為の情報や、少数の学者しか読まない様な情報ではない。ロドニーの活動から生まれた歴史観も、彼の置かれていた具体的な状況を想定しながら、鵜呑みにするのではなく咀嚼して解釈し直すことによって、読者自身の活動にとって有効な語彙を再発見出来るかも知れない。
Walter Rodney’s Russian Revolution
★Vijay Prashad著、Red Star Over the Third World のレビュー。十月革命とその後の展開が、第三世界/グローバルサウス諸国の共産主義・社会主義陣営に対して及ぼした様々な影響を一般向けに解説した本。
西側/西洋社会が今まで見て来なかった、見ないことにして来たもうひとつの現実
ファシズムが白昼堂々跋扈する様になった欧州、特に東欧では、脱共産主義の動きが止まらない。ウクライナとポーランドでは共産党は禁止され、共産主義の出版物も禁止されている。ラトビア、リトアニア、エストニアでも共産党は禁止され、ネオナチによるソ連時代の記念碑等への破壊行為はチェコやドイツ等にまで広がり、モルドバではソ連やロシアのシンボルを公の場で展示することが禁止されようとしている。ギリシャ、ポーランド、ハンガリー、ユーゴスラヴィア等の各共産党はこうした動きに対して再三抗議・警告を発している。日本共産党とは違って、彼等は高まるファシズムの台頭に目を瞑っていることは出来ない。
Leftists Denounce Rampant Decommunization Attempts in Eastern Europe
アルベルト・アインシュタインの、社会主義についての1949年のエッセイ。蛸壺に閉じ籠った保守的な「専門家」や恥知らずな売文家ばかりが持て囃される時代に在って、彼の様なスケールの大きな知識人の有難味はすっかり薄れてしまった様な観が有るが、ラディカルな問いを発することの出来る知性の持ち主が誠実に発した問いは、そう簡単に古びたりはしない。
Why Socialism?
ウクライナ紛争に関して、今だに状況が理解出来ていない人はプーチンに対して戦争反対を叫んでいるが、まともな人間だったらこの戦争を始めた張本人であり且つ終わらせようとしていない張本人の方に抗議する(平和的な外交交渉による解決を、ウクライナに関しては8年、NATOに関しては20年以上求めて来たのはプーチンの方であって、それを悉く黙殺して来たのはNATOナチ陣営の方だ。1930年代のスターリンの立場と少し似ている)。アメリカ帝国でもコードピンク等の洗脳されていない本物の反戦団体が各地でデモを行なっている。基本的にアメリカ人は国際情勢を何ひとつ知らないバカばっかだが、英語圏では少なくとも大政翼賛化した大手メディアに対抗する優秀な代替メディアが発達している。情報鎖国状態の日本語環境ではそれに追い付くまでに何年掛かるやら。
Peace Activists Hit the Streets from DC to San Francisco
ウクライナ紛争に関しては、西側の左派・リベラルは総じて状況が全く見えていないのがデフォ。文脈も理解していないし、メディア報道の行間の読み方も壊滅的に下手。西側の大政翼賛的プロパガンダ・システムを盲信している上に、帝国主義の実態に知識も関心も無いのが主な原因だろうとは思うが、その点、帝国主義の被害に遭っている国々は、帝国の嘘に対して敏感だ。自分達の狭い世界に引き篭もっている西側市民と違って、彼等はひとつの嘘に騙されたら直ぐに忘れコロッと次の嘘に騙される、などと云うことを繰り返す訳には行かないのだ。
Latin Americans Reject Resource Plundering by the Same NATO Countries Fueling Military Conflict in Ukraine
ラテンアメリカ:「ウクライナをめぐる紛争。左翼はどこに立つべきか?」
欧州では3月にはウクライナの旗を振ってロシアに対する制裁を求めるデモが行われたが、06/20にはブリュッセルで「NATOを止めろ」と、現在の自分達の経済的苦境の原因がロシアに対するEUの制裁体制とNATOによるウクライナへの武器援助であると(正しく)結論付けたデモが行われている。労働組合発表では参加者は8万人で、警察発表では7万人近く。これこそが本物の反戦運動だ。何度も言うけれどもウクライナ紛争を始めたのはロシアではなく西側で、ウクライナは連中の捨て駒だ。
‘Stop NATO,’ protesters chant at massive rally in heart of EU (VIDEOS)
バイデンの「米州サミット」に代わるものとして開催された『民主主義の為の人民サミット』についての記事。この動きが今後どう展開して行くかは未知数だけれど、世界社会フォーラムが資金面から乗っ取られて骨抜きにされてしまった様に、形だけの代替選択肢にならないよう強く願う。
『人民サミット』の構築。もうひとつの世界は可能だ、だがそれを実現させなければならない。
今年の米州機構(AOS)が主催する米州首脳会議では、キューバ、ニカラグア、ヴェネズエラが排除されていることに抗議し、他のラテンアメリカ諸国もボイコットを決行したが、彼等は更に進んで独自の「民主主義の為の人民サミット(People’s Summit for Democracy)」を開催した。バイデンの民主主義サミットなるお寒い茶番とは異なり、こちらは資本主義、帝国主義、人種差別に対する草の根の労働者達の国際的な連帯と闘争と抵抗に基付くラディカルなヴィジョンを提示することを目指している。
People’s Summit for Democracy Ends with a Bold Plan
アフリカ人民社会主義党は「ロシアの自衛戦争」を支持し、その起源を、1918年からの米日を含むあらゆる植民地主義勢力によるロシアの侵略に求めており、(日本人の殆どは恐らく、大日本帝国が生まれたばかりのソ連を侵略しようとした事実について何も知らない)、ロシア侵略は「600年以上前にアフリカへの攻撃で始まった植民地の生産様式を保護する為の侵略」であったと位置付けている。NATOもまたソ連を封じ込めて粉砕する為に作られた組織であり、国際植民地主義ブロックが作り上げた世界秩序は冷戦後は米国の一極世界支配に変わり、プーチン率いるロシアはこれに挑戦している。
「従って、アフリカ人とヨーロッパ植民地主義の全ての犠牲者にとって、アフリカとアフリカ人の生活を600年に亘って支配して来た植民地奴隷制勢力と(自覚は無いでしょうが)戦っているロシアと連帯すると云う断固とした立場を取ることが絶対に必要です。」
The Official Position of the African World to Russia’s Defensive War in Ukraine
ロシアの最大野党はロシア共産党だが(ナワリヌイの弱小未登録政党「ロシアの未来」じゃないよ)、このインタビューに答えた幹部はまだ40歳(若い!)。掲げている目標は「21世紀の新たな社会主義の構築」で、「マルクス・レーニン主義の創造的発展」をプログラムに取り入れ(マルクス・レーニン主義はドグマではない)、混合経済路線を目指している。ウクライナ紛争についても西側プロパガンダの嘘はちゃんと見抜いていて、「唯一の解決策はウクライナの完全な軍事的敗北です」とプーチンの方針を支持。ウクライナに於ける特殊軍事作戦も「侵攻」ではなく「特殊作戦」と呼んでいる。ウクライナでは今は禁止されているウクライナ共産党や中国共産党、ベトナムやキューバやインドの共産党とも良好な関係を築いていて、その殆どは反西洋帝国主義。与党統一ロシアによる病院の「効率化」や抗議者の拘留には反対している。党としては無神論だが党員が神を信じる権利は認めており、但し党内に宗教的プロパガンダを入れてはならない。トロツキストは居らず、ソ連を悪化させた最大の張本人はフルシチョフ。
Russian Communist Leader: The Only Resolution is the Complete Military Defeat of Ukraine
「ロシア共産党は、国有化の強化、脱ドル化、デジタルIDと大規模ワクチン接種の中止を求めている」と云う、まぁ読んで字の如しの記事。かなりまともな政党だと思う。
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