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ロシア原発に対するバングラデシュの収賄捜査は政治的動機に基付く(抄訳)

2024/12/25のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。米国が支援するバングラデシュ新政府はロシアの原子力外交の信用を落として妨害する為に、偽の収賄容疑をでっち上げた。
Bangladesh’s Graft Probe Into Its Russian Nuclear Power Plant Is Politically Motivated



 米国が支援するバングラデシュ新政府は、ロシアが建設したループル原子力発電所に対する収賄捜査を開始した。シェイク・ハシナ前首相とその親族が、ロシアの融資で90%賄われたこの126億5,000万ドルのプロジェクトから50億ドルを横領した疑いが有る、との理由だ。

 ロスアトムは直ちにこれらの告発を否定し、腐敗に対する自らの取り組みを強調し、これらはバングラデシュに於けるロシア最大の投資の信用を失墜させる為の手段に過ぎないと主張した。

 06/24の分析「西洋はロシアの「原子力外交」に太刀打ち出来ない」で示した様に、ロスアトムは優遇条件を通じてパートナー国を力付けている。従って今回の収賄疑惑は、このプロジェクトの信用を失墜させることを意図したものだ。

 バングラデシュの現統治体制のメンバー達は、米国の支援を受けてカラー革命(都市部でのテロ行為を含む)を起こして前政権を打倒した。従って現政府は自分達のパトロンである米国に借りが有り、その承認無しには大きな決定を下すことは出来ない。今回の収賄捜査は、幾つかの目的を同時に達成することが出来る。

 ・ハシナ前首相の信用を落とす。
 ・ロシアの信用を落とす。
 ・若し現政府がこれを口実に融資返済を拒否した場合、ロシア深刻に経済的損害を与える。
 ・ロスアトムの信用を落とす。
 ・その結果、米国はロシアとの原発競争で優位に立つ。

 ロスアトムは反腐敗活動に取り組んでいると宣言しているが、こうした偽りの前例が作られれば、他の国々はロスアトムとの取引を敬遠するかも知れない。またロスアトムを選んだ国は西洋の報道機関から否定的な報道をされることになり、それを恐れてより高額で条件の悪い西洋との取引を検討するよう、圧力を受けるかも知れない。それらの国々で活動する、西洋諸国の政府の資金で運営される「NGO」が、ロスアトムと自国の政府を非難し、それらの報道に信憑性を与えるだろう(但しこれは自動的にカラー革命が起こると云う意味ではない)。

 バングラデシュは手頃な価格のエネルギーを本当に必要としている。従って新政府はパトロンである米国の言うことを聞くべきではない。国益に背いて外国の利益を優先するその様な行為は売国行為だ。彼等がその損害に気が付き、この政治的な捜査を再考することを願う。
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川流桃桜

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