プーチンが以前のロシア指導部を「国を破壊した」と非難(抄訳)
2024/12/22のRTの記事の抄訳。改めて、ロシアは二度と1990年代の様な屈辱的な状態に逆戻りすることは無いとプーチンは語っている。
「西側は1990年代にロシアの弱さに付け込んだが、それが引き起こしたトラウマを理解することが出来ていない」と云う論説を以前紹介したが、1990年代にロシアや旧共産主義ブロック諸国で起こったことは、19世紀前半に中国で起こった様な世界史に残るレヴェルの略奪と政治的占領だった(それは例えば人口動態の変化を見れば一目瞭然だ)。だが西洋人の殆どは、自分達の政府や企業が旧東側諸国に対して何をやったのかを理解していない。自分達が相手にとってどんなに嫌で理不尽なことを押し付けようとしているかが理解出来ていないから、相手の反応を理不尽で謂れの無いものだと感じる。基本的な構図はいじめやハラスメントと同じ。昔から無知と偏見は仲良しこよしだ。アングロ・サクソンの白人達が何時かは文明化されて「人類は平等である」と云う観念に辿り着く日が来るのかどうかは分からないが、アメリカ大陸の先住民の多くはひょっとしたら「そんな日は来ない」と云うかも知れない。
Putin accuses previous Russian leaders of ‘destroying the country’
2024/12/22にロシア1TVのジャーナリスト、パベル・ザルビンがテレグラムで公開したインタビューで、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは次の様に述べた。
「我々の現代史に於て、前世代の政治家達が………ロシアが所謂『文明世界』の一部となることを期待して、自国を破壊するところまで行った時期が有りました。」
(これはソ連崩壊後、ロシアが深刻な危機に陥り、新政府がソ連の統制経済から資本主義への急速な移行を模索した時期を指していると思われる。
1998年、政府と中央銀行はルーブルを切り下げ、債務不履行に陥る必要に迫られたが、これはロシアの近代史上最悪の経済危機と広く考えられている。
当時は西洋の一員になりたいと云うモスクワの願望が顕著だった時期でもある。現代ロシアの初代外相、アンドレイ・コズイレフは、モスクワは最早NATOを脅威とは見做しておらず、西洋諸国との統合を追求するだろうと信じていた。だがその後NATOが東方へと拡大する中、彼は最終的にロシアの外交政策に関する多面的アプローチの提唱者として知られるエフゲニー・プリマコフに交代した。)
「ロシアの能力が低下して弱くなると直ぐ、(西側/西洋は)ロシアを対等なパートナーとしてこの『文明世界』の一員に迎えるのではなく、止めを刺そうとしました。」
こうした過去にも関わらず、モスクワは依然として西洋と協力する用意が有る。西洋は「敵」であると同時に「潜在的なパートナー」でもある。
ロシアは他国との関係を築く機会が有ると見ればそれを掴むだろうが、自国の国益を犠牲にしてそうすることは決して無いだろう。
ロシアは西洋らの「如何なる挑戦にも常に応じる」が、ワシントンとその同盟諸国が何時か「必要なのは妥協を模索することだ」と理解してくれることを期待している。
「西側は1990年代にロシアの弱さに付け込んだが、それが引き起こしたトラウマを理解することが出来ていない」と云う論説を以前紹介したが、1990年代にロシアや旧共産主義ブロック諸国で起こったことは、19世紀前半に中国で起こった様な世界史に残るレヴェルの略奪と政治的占領だった(それは例えば人口動態の変化を見れば一目瞭然だ)。だが西洋人の殆どは、自分達の政府や企業が旧東側諸国に対して何をやったのかを理解していない。自分達が相手にとってどんなに嫌で理不尽なことを押し付けようとしているかが理解出来ていないから、相手の反応を理不尽で謂れの無いものだと感じる。基本的な構図はいじめやハラスメントと同じ。昔から無知と偏見は仲良しこよしだ。アングロ・サクソンの白人達が何時かは文明化されて「人類は平等である」と云う観念に辿り着く日が来るのかどうかは分からないが、アメリカ大陸の先住民の多くはひょっとしたら「そんな日は来ない」と云うかも知れない。
Putin accuses previous Russian leaders of ‘destroying the country’
2024/12/22にロシア1TVのジャーナリスト、パベル・ザルビンがテレグラムで公開したインタビューで、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは次の様に述べた。
「我々の現代史に於て、前世代の政治家達が………ロシアが所謂『文明世界』の一部となることを期待して、自国を破壊するところまで行った時期が有りました。」
(これはソ連崩壊後、ロシアが深刻な危機に陥り、新政府がソ連の統制経済から資本主義への急速な移行を模索した時期を指していると思われる。
1998年、政府と中央銀行はルーブルを切り下げ、債務不履行に陥る必要に迫られたが、これはロシアの近代史上最悪の経済危機と広く考えられている。
当時は西洋の一員になりたいと云うモスクワの願望が顕著だった時期でもある。現代ロシアの初代外相、アンドレイ・コズイレフは、モスクワは最早NATOを脅威とは見做しておらず、西洋諸国との統合を追求するだろうと信じていた。だがその後NATOが東方へと拡大する中、彼は最終的にロシアの外交政策に関する多面的アプローチの提唱者として知られるエフゲニー・プリマコフに交代した。)
「ロシアの能力が低下して弱くなると直ぐ、(西側/西洋は)ロシアを対等なパートナーとしてこの『文明世界』の一員に迎えるのではなく、止めを刺そうとしました。」
こうした過去にも関わらず、モスクワは依然として西洋と協力する用意が有る。西洋は「敵」であると同時に「潜在的なパートナー」でもある。
ロシアは他国との関係を築く機会が有ると見ればそれを掴むだろうが、自国の国益を犠牲にしてそうすることは決して無いだろう。
ロシアは西洋らの「如何なる挑戦にも常に応じる」が、ワシントンとその同盟諸国が何時か「必要なのは妥協を模索することだ」と理解してくれることを期待している。
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