パキスタン
★2025/01/05のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。パキスタンの軍・諜報部は2022年にクーデターを起こしてイムラン・カーン首相を打倒し、米国との関係改善を期待したが、その後二国間関係は寧ろ悪化し、経済は遙かに弱体化し、国内は不安定化した。彼等は自国の国益を無意味に裏切った。
パキスタン政権は意味も無く自国を破壊し、国益を裏切った(抄訳)
★2024/12/31のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。少しだけ補足した。2025年は南アジアにとって激動の年になるだろうが、最も重要な要因は、インドとトランプ2.0の米国の関係が悪化するか改善するかだ。
2025年は南アジアにとって激動の年になるかも(抄訳)
★2024/10/02のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。多少補足した。2024/09/30、中国、イラン、パキスタン、ロシアは、タリバンがテロ対策に十分に取り組んでいないと非難する共同声明を出した。パキスタンの治安を重視すると云う点でこれらの国々の利害は一致している。
中国、イラン、パキスタン、ロシアはアフガニスタンのタリバンに対する不満を募らせている(抄訳)
★2024/09/10のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。パキスタン現政府は反対派に対する弾圧を強めているが、これは米国と繋がる体制側が人民の力を恐れているからだ。
パキスタンの反民主的弾圧の5つのポイント(抄訳)
★2024/08/28のテッド・スナイダー氏の記事の抄訳。米国はパキスタンに加えて、ハイチ、バングラデシュ、ヴェネズエラからも、内政に違法に干渉してレジーム・チェンジ工作に関与した疑いで非難されている。
米国は少なくとも3つのクーデター容疑で非難されている(抄訳)
★2024/08/03のベン・ノートン氏の記事の抄訳。多少補足した。米帝は他国に介入する際、捏造した世論調査や投票集計を利用することが有る。
米国政府はヴェネズエラの選挙が「不正」だと主張する上で、自分達が資金提供した組織に依拠している(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024年5月、ロシアはタリバンとの関係を急速に改善している。ロシアはアフガンとの関係改善を通して、パキスタンとの関係も拡大しようと思っている。
ロシアはタリバンとの戦略的パートナーシップを検討中(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/05/02にアフガニスタンが公表した、ロシアの石油を念頭に置いた物流拠点をヘラート州に建設すると云う計画は、パキスタンがこれに釣られてロシアと戦略的エネルギー協定を結んだ場合、ロシアとパキスタンの関係のみならず、パキスタンとアフガニスタンとの関係の改善に繋がる可能性が有る。
ロシアが計画しているとされるアフガン石油ハブの戦略的重要性を分析する(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/03/30、パキスタンのシェバズ・シャリフ首相はロシアとの関係を包括的に拡大したいとの希望を述べた。その為にはパキスタンは3つの課題を実行しなければならないが、恐らくそのどれも実現は期待出来ない。
パキスタンはロシアとの関係を包括的に拡大したければ3つのことをしなければならない(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/03/20、CPECの終着点であるグワダル港の港湾管理施設がテロ攻撃を受けた。パキスタンはテロの取り締まりを優先していないので、CPECに必要な治安は確保されていない。この状況が変わるまでは、CPECは期待外れの状態が続くだろう。
グワダル港へのテロ攻撃は、CPECが未だに発足していない理由を思い出させる(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/02/10の或る人気の軍事ブログの分析に拠れば、パキスタンはトルコのバイカル社経由でウクライナにドローンを輸出した。
パキスタンが武装ドローンを間接的にウクライナへ輸出している説得力の有る証拠が存在する(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。パキスタンは対テロ作戦を巡ってイランとの関係を急速に悪化させている。これは一見するとパキスタンの利益に反する様に見えるが、パキスタン支配層の観点からすると、この展開からは様々な恩恵を得ることが出来る。
パキスタンの支配層はイランとの緊張を煽ることでどう利益を受けているのか?(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/01/16、イランはパキスタン国内のテロ組織の基地を攻撃した。これはイランにとってパキスタンが安全保障上の脅威であるとの印象を広める可能性が有るが、パレスチナを支持するグローバル・サウスは、イスラエル-米国を支持するパキスタンよりパレスチナを支持するイランの方に同情するだろう。
イランのパキスタン攻撃は、軍事的影響よりも世論とタイミングの方が重要だ(抄訳)
2023/12/13、パキスタンの裁判所は国家機密漏洩罪でイムラン・カーン前首相とシャー・マフムード・クレシ全外相を正式に起訴。これに対しカーン氏側は容疑を否認。有罪判決が下された場合、最長で懲役10年の刑が言い渡される可能性が有り、2月の総選挙へのカーン氏の出馬は益々難しくなる。
Pakistan court indicts jailed ex-PM Imran Khan in state secrets case
★ピープルズ・ディスパッチの記事2本の要点を纏めてみた。2023/10/04以来、「不法移民」に指定されたパキスタン国内の170万以上のアフガニスタン難民が、国外追放の危機に瀕している。
パキスタンが170万のアフガン不法避難民を強制退去
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/11/22のインタビューで、ロシア駐在パキスタン大使ムハンマド・ハーリド・ジャマリはBRICS加盟をロシアが支持してくれるよう希望したが、これが実現する可能性は低い。ロシアが重要な戦略的パートナーであるインドを差し置いてパキスタンを支持する可能性は低いからだ。
パキスタンのBRICS加盟について、ロシアの支持は形だけになるだろう(抄訳)
2023/11/22に掲載されたロシア駐在パキスタン大使のインタビューは、コリブコ氏の分析では、パキスタンがカーン首相の追放後も多極化路線を捨て去った訳ではなく、米国の属国に逆戻りした訳ではないことを示している。
The New Pakistani Ambassador To Russia Hopes For More Mutually Beneficial Cooperation
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/11/02、ロシアは包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を正式に取り消した。ロシアと米国は核実験再開を巡ってジレンマに陥っているが、両国が報復実験を開始すれば、それがタブーを破ることになって他の核保有国(特にパキスタンとインド)も後に続くかも知れない。
ロシアには包括的核実験禁止条約の批准を取り消す正当な権利が有る(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/09/17のインターセプトのスクープに拠れば、パキスタンは米国と密かに取引してIMFからの援助を取り付ける見返りとしてウクライナに間接的に武器を輸出していた。これはウクライナ戦争に関し中立を貫いて来たロシアと、和平交渉を進める中国に対する裏切りだ。パキスタンがソフト・クーデター後に米国の代理勢力に逆戻りした結果、ロシアはともかく中国は難しい選択を迫られることになる。
インターセプトの最新のリーク記事は、パキスタンと中国の関係に取り返しのつかないダメージを与えるかも知れない(抄訳)
サイラス・ジェンセン氏による中国-パキスタン関係の解説を聞くと、中国は貿易ではとっくに米国を抜いているし、パキスタン人の中国に対する印象は非常に良い。そして何より地理的に近いので、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の発展と共に互恵的な発展が期待出来る。CIAは2022年に多極派/主権派のカーン首相を追放させることには成功したが、今更米国の属国に逆戻りすることはパキスタンの国益には反するので、覇権主義者の陰謀はそうそう順調には進まないだろう。
★ブライアン・バーレティック氏による解説。新冷戦は代理戦争として既に熱い戦争に突入している。
ワシントンが中国に対して繰り広げている秘密の代理戦争(要点)
★コリブコ氏の分析。パキスタンとタリバンとの複雑な緊張関係を解き明かしている。
パキスタンとタリバンの関係についての20の真実〜最近の緊張関係に照らして〜(要点)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の要点。2022年11月中旬にパキスタンで起こった4つの出来事は、パキスタンのエスタブリッシュメント層が親米派と多極派に別れて争っていることを示唆している。
パキスタンの舞台裏で何か重大なことが起こっていると疑うべき4つの理由(要点)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の要点。2022/11/03のパキスタンのイムラン・カーン前首相暗殺未遂事件は、エスタブリッシュメントのエリート層が正当性を完全に失ったことを示唆している。
イムラン・カーンに対する暗殺未遂はエスタブリッシュメントの卑劣な手口を暴露する(要点)
★アンドリュー・コリブコ氏の論説の要点。パキスタンとタリバンは相互に安全保障上のジレンマを抱えている。
パキスタンとタリバンの関係上、危険な安全保障上のジレンマが急速に進展している(要点)
アル=カイダ指導者のザワヒリを殺害した米軍のドローンについて、パキスタンではこれがキルギスタンから発進したと云う説が流れており、パキスタン政府の情報筋もこの説を裏付け、パキスタン政府は全く関与していないと主張している。だがキルギスタンはCSTOに加盟していてロシアの相互防衛同盟国であり、米軍がドローンを配備するには事前にモスクワの承認を得なければならない。モスクワはアフガニスタンからの撤退以来、米国防総省が地域の同盟国の領土に軍隊を配備することに反対しており、これは全く有りそうにないシナリオだ。それよりは、IMF融資に対するバイデン政権の支持を確保するための努力の一環として、陸軍参謀総長バジュワ将軍がパキスタン上空の飛行許可を与えたと云う推測の方が信憑性が有る。
Debunking The Conspiracy Theory That The US Assassinated The Al Qaeda Chief From A Kyrgyz Base
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の要点。2022/07/17のパンジャブの補欠選挙では、カーン前首相が属するPTI(パキスタン正義運動)が、幾つか不正操作されたにも関わらず勝利を収めた(勝利することを許された)。
パンジャブの補欠選挙でのパキスタン正義運動の歴史的勝利を説明する(要点)
コリブコ氏の記事。パキスタンのエネルギー専門家やジャーナリストの中には「パキスタンはロシアの石油を精製出来ない」と云うフェイクニュースを広めていた者達も居た様だが、多極化志向のカーン首相が追放された後でさえ、外務省のスポークスマンのアシム・イフティカル氏はインタビューに答えて、自国の経済危機を解決する為にロシアとの取引の可能性を排除していないことを仄めかした。フェイクニュースの背後で糸を引いている者が居るのかどうかは不明だが、パキスタン政府は経済危機によってロシアの割引食品と燃料(特に石油)の輸入の可能性を考慮せざるを得なくなっている様だ。
The Economic Crisis Compelled Pakistan To Consider Importing Food & Fuel From Russia
コリブコ氏の論説。カーン首相の追放後、パキスタンでは「#MarchAgainstImportedGovt」と云うハッシュタグに代表される、米帝の内政干渉に反対する動きが活発化している。これがエチオピアの同様の運動である#NoMore運動と協力すれば、両国とも西側諸国に大きなディアスポラ・コミュニティを持っている為、グローバルサウスの真にグローバルな反帝国主義運動のゲームチェンジャーになるかも知れない。
The Merging Of The Ethiopian & Pakistani Activist Movements Could Change The Global South
追放されたパキスタンのカーン首相は、企業が説明責任の無い超国家的法廷で政府を訴えることを可能にする23の二国間投資協定(BIT)を終了するプロセスを開始していた。企業に国家を上回る力を与えるこれら「投資家保護」協定により実際に2019年以降パキスタン政府は度々訴訟対象になっていた様で、カーンの追放後、これらから撤退しようとする政府の努力がどうなるかは不透明。
Ousted Pakistani Prime Minister Imran Kahn Was Challenging Investment Treaties that Give Corporations Excessive Power
コリブコ氏の分析。2022/04/15、パキスタン軍は国境を越えてアフガニスタンのパキスタン-タリバン運動(Tehreek-i-Taliban Pakistan /TTP)に対する攻撃を実施。アフガンは米帝の制裁下で再びテロリストの温床と化しており、パキスタンはスキャンダラスなカーン首相追放撃で政治的動揺を迎えているが、パキスタンの軍事諜報構造(The Establishment)の安全保障上の関心は揺らいでいない。
Pakistan’s Cross-Border Strikes Confirm Its Anti-Terrorist Commitment
2022/03/04にぺシャワールのモスクで起きたISIS-Kの自爆テロ攻撃では62人の民間人が死亡し、200人以上が負傷した。カーン首相は02/24に「パキスタン・ストリーム」ガス・パイプラインを推進する為にモスクワを訪れていたが、それに対する西側からの懲罰だろうか。
パキスタンは近年中国の一帯一路構想にも熱心に参加しており、中国=パキスタン経済回廊(CPEC)を巡っては既にこれまで2回のテロ攻撃が行われている(2021年4月、在パキスタン中国大使が滞在していたホテルが爆弾攻撃され4人が死亡。大使はその時そこに居なかった。同7月にはCPECで働く人々を乗せたバスが爆発し、9人の中国人エンジニアを含む13人が死亡)。更にBRIの重要ハブであるバチルスタンの「独立」をワシントンは支援している。
現在ウクライナにはナチ(バンデラ主義者)、アル=カイダやISIS、それにアカデミ(旧ブラックウォーター)等の民間軍事請負企業の傭兵が集結して対ロシア戦に備えているが、ロシア軍による本物の対テロ戦争の影響はパキスタンのみならず他の近隣諸国にも及ぶだろう。
ISIS-K Strikes Pakistan: ISIS Join with Nazis in Ukraine
コリブコ氏の分析。「イムラン・カーンの『政治的殉教』は前例の無い社会政治的勢力を解き放った」。カーン首相就任以前、パキスタンの真に愛国的な本物の政党(PTI)を米帝は偽物の統制された野党傘下運動(PDM/PMLN/PPP)に置き換えようとしたが失敗し、本物の草の根運動を解き放ってしまった。「パキスタンの歴史上初めて、真に草の根の運動が全国への訴求力を持ち、全国の平均的な人々とその多くの民族地域的系列を結集する力を持ち、(国家主権や国家安全保障に関する)諸概念についての独自の解釈を支持させることが出来た。」
Imran Khan’s “Political Martyrdom” Has Unleashed Unprecedented Socio-Political Forces
コリブコ氏の分析。カーン首相の施政が如何に欠点だらけだろうとも、パキスタン・ストリーム・ガス・パイプライン(PSGP)やPAKAFUZ(パキスタン=アフガニスタン=ウズベキスタン鉄道)等によってロシアとの協力関係が具体的に進展したのはPTI政権下のみだった。カシミール紛争に世論を集めることにもどの前任者達よりも成功し、イスラム教を熱心に擁護することによって国民の自尊心を高めた。また1月に発表された国家安全保障政策は真に多極的なヴィジョンを明確に表現している。知識人階級や海外のパキスタン人を結束させたのも彼の大きな功績で、多くの国民からは彼は反米ではなく親パキスタンと見られている。カーンが首相を辞任しても、「ナヤ(新)パキスタン」に目覚めた人々の意識を元に戻すことは出来ない。
Imran Khan’s Multipolar Legacy Can’t Ever Be Fully Dismantled
パキスタンでは数千人がカーン前首相の支持を表明して抗議に繰り出し、イスラマバード等の通りを埋め尽くした。カーンは「外国の支援を受けたレジームチェンジ作戦」から「「主権と民主主義」を守る「自由闘争」を訴えている。
Mass protests in Pakistan against 'regime change' (VIDEOS)
コリブコ氏の分析。パキスタンのカーン首相は不信任決議により追放され、これは米帝のレジームチェンジ工作の結果であると発言したが、マスコミが揃いも揃って反カーン派に回ったところを見ても判る様に、多極派に対して親米派が巻き返したことが推測される。カーンは在任中に外国の影響力を排除することに成功しなかった様だ。
The Soft Power Consequences Of Pakistan’s Latest Regime Change
コリブコ氏の分析。カーン政権の政権交代に発展しそうな最近の政治的ゴタゴタを見る限り、パキスタンは新米を思考する既得権益層と多極化世界を思考する派閥とのふたつに分断されていることが推測される。これらの違いは特に米、中、露、の3ヵ国に対する姿勢に於て明らかになる。
Speculating On The Existence Of Two Distinct Schools Of Thought In Pakistan’s Establishment
コリブコ氏の分析。パキスタンのカーン首相はロシアとウクライナの調停役を申し出ている。以前にもイランとサウジの調停、イエメンを巡る関係諸国の調停を買って出たことも有り、中立を謳うこうした国の存在は貴重。現実問題として現状でパキスタンが単独で重要な役を担う可能性は低いが、この言動はパキスタンが国際的なアクターとして自信を付けている証だ。
Assessing The Prospects Of Prime Minister Khan’s China-OIC Mediation Proposal
パキスタン政権は意味も無く自国を破壊し、国益を裏切った(抄訳)
★2024/12/31のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。少しだけ補足した。2025年は南アジアにとって激動の年になるだろうが、最も重要な要因は、インドとトランプ2.0の米国の関係が悪化するか改善するかだ。
2025年は南アジアにとって激動の年になるかも(抄訳)
★2024/10/02のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。多少補足した。2024/09/30、中国、イラン、パキスタン、ロシアは、タリバンがテロ対策に十分に取り組んでいないと非難する共同声明を出した。パキスタンの治安を重視すると云う点でこれらの国々の利害は一致している。
中国、イラン、パキスタン、ロシアはアフガニスタンのタリバンに対する不満を募らせている(抄訳)
★2024/09/10のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。パキスタン現政府は反対派に対する弾圧を強めているが、これは米国と繋がる体制側が人民の力を恐れているからだ。
パキスタンの反民主的弾圧の5つのポイント(抄訳)
★2024/08/28のテッド・スナイダー氏の記事の抄訳。米国はパキスタンに加えて、ハイチ、バングラデシュ、ヴェネズエラからも、内政に違法に干渉してレジーム・チェンジ工作に関与した疑いで非難されている。
米国は少なくとも3つのクーデター容疑で非難されている(抄訳)
★2024/08/03のベン・ノートン氏の記事の抄訳。多少補足した。米帝は他国に介入する際、捏造した世論調査や投票集計を利用することが有る。
米国政府はヴェネズエラの選挙が「不正」だと主張する上で、自分達が資金提供した組織に依拠している(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024年5月、ロシアはタリバンとの関係を急速に改善している。ロシアはアフガンとの関係改善を通して、パキスタンとの関係も拡大しようと思っている。
ロシアはタリバンとの戦略的パートナーシップを検討中(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/05/02にアフガニスタンが公表した、ロシアの石油を念頭に置いた物流拠点をヘラート州に建設すると云う計画は、パキスタンがこれに釣られてロシアと戦略的エネルギー協定を結んだ場合、ロシアとパキスタンの関係のみならず、パキスタンとアフガニスタンとの関係の改善に繋がる可能性が有る。
ロシアが計画しているとされるアフガン石油ハブの戦略的重要性を分析する(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/03/30、パキスタンのシェバズ・シャリフ首相はロシアとの関係を包括的に拡大したいとの希望を述べた。その為にはパキスタンは3つの課題を実行しなければならないが、恐らくそのどれも実現は期待出来ない。
パキスタンはロシアとの関係を包括的に拡大したければ3つのことをしなければならない(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/03/20、CPECの終着点であるグワダル港の港湾管理施設がテロ攻撃を受けた。パキスタンはテロの取り締まりを優先していないので、CPECに必要な治安は確保されていない。この状況が変わるまでは、CPECは期待外れの状態が続くだろう。
グワダル港へのテロ攻撃は、CPECが未だに発足していない理由を思い出させる(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/02/10の或る人気の軍事ブログの分析に拠れば、パキスタンはトルコのバイカル社経由でウクライナにドローンを輸出した。
パキスタンが武装ドローンを間接的にウクライナへ輸出している説得力の有る証拠が存在する(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。パキスタンは対テロ作戦を巡ってイランとの関係を急速に悪化させている。これは一見するとパキスタンの利益に反する様に見えるが、パキスタン支配層の観点からすると、この展開からは様々な恩恵を得ることが出来る。
パキスタンの支配層はイランとの緊張を煽ることでどう利益を受けているのか?(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/01/16、イランはパキスタン国内のテロ組織の基地を攻撃した。これはイランにとってパキスタンが安全保障上の脅威であるとの印象を広める可能性が有るが、パレスチナを支持するグローバル・サウスは、イスラエル-米国を支持するパキスタンよりパレスチナを支持するイランの方に同情するだろう。
イランのパキスタン攻撃は、軍事的影響よりも世論とタイミングの方が重要だ(抄訳)
2023/12/13、パキスタンの裁判所は国家機密漏洩罪でイムラン・カーン前首相とシャー・マフムード・クレシ全外相を正式に起訴。これに対しカーン氏側は容疑を否認。有罪判決が下された場合、最長で懲役10年の刑が言い渡される可能性が有り、2月の総選挙へのカーン氏の出馬は益々難しくなる。
Pakistan court indicts jailed ex-PM Imran Khan in state secrets case
★ピープルズ・ディスパッチの記事2本の要点を纏めてみた。2023/10/04以来、「不法移民」に指定されたパキスタン国内の170万以上のアフガニスタン難民が、国外追放の危機に瀕している。
パキスタンが170万のアフガン不法避難民を強制退去
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/11/22のインタビューで、ロシア駐在パキスタン大使ムハンマド・ハーリド・ジャマリはBRICS加盟をロシアが支持してくれるよう希望したが、これが実現する可能性は低い。ロシアが重要な戦略的パートナーであるインドを差し置いてパキスタンを支持する可能性は低いからだ。
パキスタンのBRICS加盟について、ロシアの支持は形だけになるだろう(抄訳)
2023/11/22に掲載されたロシア駐在パキスタン大使のインタビューは、コリブコ氏の分析では、パキスタンがカーン首相の追放後も多極化路線を捨て去った訳ではなく、米国の属国に逆戻りした訳ではないことを示している。
The New Pakistani Ambassador To Russia Hopes For More Mutually Beneficial Cooperation
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/11/02、ロシアは包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を正式に取り消した。ロシアと米国は核実験再開を巡ってジレンマに陥っているが、両国が報復実験を開始すれば、それがタブーを破ることになって他の核保有国(特にパキスタンとインド)も後に続くかも知れない。
ロシアには包括的核実験禁止条約の批准を取り消す正当な権利が有る(抄訳)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/09/17のインターセプトのスクープに拠れば、パキスタンは米国と密かに取引してIMFからの援助を取り付ける見返りとしてウクライナに間接的に武器を輸出していた。これはウクライナ戦争に関し中立を貫いて来たロシアと、和平交渉を進める中国に対する裏切りだ。パキスタンがソフト・クーデター後に米国の代理勢力に逆戻りした結果、ロシアはともかく中国は難しい選択を迫られることになる。
インターセプトの最新のリーク記事は、パキスタンと中国の関係に取り返しのつかないダメージを与えるかも知れない(抄訳)
サイラス・ジェンセン氏による中国-パキスタン関係の解説を聞くと、中国は貿易ではとっくに米国を抜いているし、パキスタン人の中国に対する印象は非常に良い。そして何より地理的に近いので、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の発展と共に互恵的な発展が期待出来る。CIAは2022年に多極派/主権派のカーン首相を追放させることには成功したが、今更米国の属国に逆戻りすることはパキスタンの国益には反するので、覇権主義者の陰謀はそうそう順調には進まないだろう。
★ブライアン・バーレティック氏による解説。新冷戦は代理戦争として既に熱い戦争に突入している。
ワシントンが中国に対して繰り広げている秘密の代理戦争(要点)
★コリブコ氏の分析。パキスタンとタリバンとの複雑な緊張関係を解き明かしている。
パキスタンとタリバンの関係についての20の真実〜最近の緊張関係に照らして〜(要点)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の要点。2022年11月中旬にパキスタンで起こった4つの出来事は、パキスタンのエスタブリッシュメント層が親米派と多極派に別れて争っていることを示唆している。
パキスタンの舞台裏で何か重大なことが起こっていると疑うべき4つの理由(要点)
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の要点。2022/11/03のパキスタンのイムラン・カーン前首相暗殺未遂事件は、エスタブリッシュメントのエリート層が正当性を完全に失ったことを示唆している。
イムラン・カーンに対する暗殺未遂はエスタブリッシュメントの卑劣な手口を暴露する(要点)
★アンドリュー・コリブコ氏の論説の要点。パキスタンとタリバンは相互に安全保障上のジレンマを抱えている。
パキスタンとタリバンの関係上、危険な安全保障上のジレンマが急速に進展している(要点)
アル=カイダ指導者のザワヒリを殺害した米軍のドローンについて、パキスタンではこれがキルギスタンから発進したと云う説が流れており、パキスタン政府の情報筋もこの説を裏付け、パキスタン政府は全く関与していないと主張している。だがキルギスタンはCSTOに加盟していてロシアの相互防衛同盟国であり、米軍がドローンを配備するには事前にモスクワの承認を得なければならない。モスクワはアフガニスタンからの撤退以来、米国防総省が地域の同盟国の領土に軍隊を配備することに反対しており、これは全く有りそうにないシナリオだ。それよりは、IMF融資に対するバイデン政権の支持を確保するための努力の一環として、陸軍参謀総長バジュワ将軍がパキスタン上空の飛行許可を与えたと云う推測の方が信憑性が有る。
Debunking The Conspiracy Theory That The US Assassinated The Al Qaeda Chief From A Kyrgyz Base
★アンドリュー・コリブコ氏の分析の要点。2022/07/17のパンジャブの補欠選挙では、カーン前首相が属するPTI(パキスタン正義運動)が、幾つか不正操作されたにも関わらず勝利を収めた(勝利することを許された)。
パンジャブの補欠選挙でのパキスタン正義運動の歴史的勝利を説明する(要点)
コリブコ氏の記事。パキスタンのエネルギー専門家やジャーナリストの中には「パキスタンはロシアの石油を精製出来ない」と云うフェイクニュースを広めていた者達も居た様だが、多極化志向のカーン首相が追放された後でさえ、外務省のスポークスマンのアシム・イフティカル氏はインタビューに答えて、自国の経済危機を解決する為にロシアとの取引の可能性を排除していないことを仄めかした。フェイクニュースの背後で糸を引いている者が居るのかどうかは不明だが、パキスタン政府は経済危機によってロシアの割引食品と燃料(特に石油)の輸入の可能性を考慮せざるを得なくなっている様だ。
The Economic Crisis Compelled Pakistan To Consider Importing Food & Fuel From Russia
コリブコ氏の論説。カーン首相の追放後、パキスタンでは「#MarchAgainstImportedGovt」と云うハッシュタグに代表される、米帝の内政干渉に反対する動きが活発化している。これがエチオピアの同様の運動である#NoMore運動と協力すれば、両国とも西側諸国に大きなディアスポラ・コミュニティを持っている為、グローバルサウスの真にグローバルな反帝国主義運動のゲームチェンジャーになるかも知れない。
The Merging Of The Ethiopian & Pakistani Activist Movements Could Change The Global South
追放されたパキスタンのカーン首相は、企業が説明責任の無い超国家的法廷で政府を訴えることを可能にする23の二国間投資協定(BIT)を終了するプロセスを開始していた。企業に国家を上回る力を与えるこれら「投資家保護」協定により実際に2019年以降パキスタン政府は度々訴訟対象になっていた様で、カーンの追放後、これらから撤退しようとする政府の努力がどうなるかは不透明。
Ousted Pakistani Prime Minister Imran Kahn Was Challenging Investment Treaties that Give Corporations Excessive Power
コリブコ氏の分析。2022/04/15、パキスタン軍は国境を越えてアフガニスタンのパキスタン-タリバン運動(Tehreek-i-Taliban Pakistan /TTP)に対する攻撃を実施。アフガンは米帝の制裁下で再びテロリストの温床と化しており、パキスタンはスキャンダラスなカーン首相追放撃で政治的動揺を迎えているが、パキスタンの軍事諜報構造(The Establishment)の安全保障上の関心は揺らいでいない。
Pakistan’s Cross-Border Strikes Confirm Its Anti-Terrorist Commitment
2022/03/04にぺシャワールのモスクで起きたISIS-Kの自爆テロ攻撃では62人の民間人が死亡し、200人以上が負傷した。カーン首相は02/24に「パキスタン・ストリーム」ガス・パイプラインを推進する為にモスクワを訪れていたが、それに対する西側からの懲罰だろうか。
パキスタンは近年中国の一帯一路構想にも熱心に参加しており、中国=パキスタン経済回廊(CPEC)を巡っては既にこれまで2回のテロ攻撃が行われている(2021年4月、在パキスタン中国大使が滞在していたホテルが爆弾攻撃され4人が死亡。大使はその時そこに居なかった。同7月にはCPECで働く人々を乗せたバスが爆発し、9人の中国人エンジニアを含む13人が死亡)。更にBRIの重要ハブであるバチルスタンの「独立」をワシントンは支援している。
現在ウクライナにはナチ(バンデラ主義者)、アル=カイダやISIS、それにアカデミ(旧ブラックウォーター)等の民間軍事請負企業の傭兵が集結して対ロシア戦に備えているが、ロシア軍による本物の対テロ戦争の影響はパキスタンのみならず他の近隣諸国にも及ぶだろう。
ISIS-K Strikes Pakistan: ISIS Join with Nazis in Ukraine
コリブコ氏の分析。「イムラン・カーンの『政治的殉教』は前例の無い社会政治的勢力を解き放った」。カーン首相就任以前、パキスタンの真に愛国的な本物の政党(PTI)を米帝は偽物の統制された野党傘下運動(PDM/PMLN/PPP)に置き換えようとしたが失敗し、本物の草の根運動を解き放ってしまった。「パキスタンの歴史上初めて、真に草の根の運動が全国への訴求力を持ち、全国の平均的な人々とその多くの民族地域的系列を結集する力を持ち、(国家主権や国家安全保障に関する)諸概念についての独自の解釈を支持させることが出来た。」
Imran Khan’s “Political Martyrdom” Has Unleashed Unprecedented Socio-Political Forces
コリブコ氏の分析。カーン首相の施政が如何に欠点だらけだろうとも、パキスタン・ストリーム・ガス・パイプライン(PSGP)やPAKAFUZ(パキスタン=アフガニスタン=ウズベキスタン鉄道)等によってロシアとの協力関係が具体的に進展したのはPTI政権下のみだった。カシミール紛争に世論を集めることにもどの前任者達よりも成功し、イスラム教を熱心に擁護することによって国民の自尊心を高めた。また1月に発表された国家安全保障政策は真に多極的なヴィジョンを明確に表現している。知識人階級や海外のパキスタン人を結束させたのも彼の大きな功績で、多くの国民からは彼は反米ではなく親パキスタンと見られている。カーンが首相を辞任しても、「ナヤ(新)パキスタン」に目覚めた人々の意識を元に戻すことは出来ない。
Imran Khan’s Multipolar Legacy Can’t Ever Be Fully Dismantled
パキスタンでは数千人がカーン前首相の支持を表明して抗議に繰り出し、イスラマバード等の通りを埋め尽くした。カーンは「外国の支援を受けたレジームチェンジ作戦」から「「主権と民主主義」を守る「自由闘争」を訴えている。
Mass protests in Pakistan against 'regime change' (VIDEOS)
コリブコ氏の分析。パキスタンのカーン首相は不信任決議により追放され、これは米帝のレジームチェンジ工作の結果であると発言したが、マスコミが揃いも揃って反カーン派に回ったところを見ても判る様に、多極派に対して親米派が巻き返したことが推測される。カーンは在任中に外国の影響力を排除することに成功しなかった様だ。
The Soft Power Consequences Of Pakistan’s Latest Regime Change
コリブコ氏の分析。カーン政権の政権交代に発展しそうな最近の政治的ゴタゴタを見る限り、パキスタンは新米を思考する既得権益層と多極化世界を思考する派閥とのふたつに分断されていることが推測される。これらの違いは特に米、中、露、の3ヵ国に対する姿勢に於て明らかになる。
Speculating On The Existence Of Two Distinct Schools Of Thought In Pakistan’s Establishment
コリブコ氏の分析。パキスタンのカーン首相はロシアとウクライナの調停役を申し出ている。以前にもイランとサウジの調停、イエメンを巡る関係諸国の調停を買って出たことも有り、中立を謳うこうした国の存在は貴重。現実問題として現状でパキスタンが単独で重要な役を担う可能性は低いが、この言動はパキスタンが国際的なアクターとして自信を付けている証だ。
Assessing The Prospects Of Prime Minister Khan’s China-OIC Mediation Proposal
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