トランプはバイデンが印米関係に与えたダメージを修復出来る(抄訳)
2024/11/08のアンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。インド系アメリカ人、インド寄りの当局者、地政学的なプラグマティスト達がトランプと共にホワイトハウスに乗り込めば、印米関係の未来は明るいと思われる。
Trump Can Repair The Damage That Biden Dealt To Indo-US Ties
インドはトランプのホワイトハウス復帰を、バイデンが印米関係に与えた以下のダメージを修復するチャンスだと見ている。
・2023年夏の暗殺未遂疑惑スキャンダル。
・米国がインドの総選挙に干渉。
・米国がインドの隣国バングラデシュのレジーム・チェンジを支援。
・米国はインドに、ロシアとの縁を切るように迫った。
若しトランプがインド系アメリカ人やインド寄りの当局者達をワシントンに連れて来たら(特にインド系のカシュ・パテルがCIA長官に確定した場合)、これら全てはチャラに出来るかも知れない。
1)テロ分離主義者を取り締まる
巡り合わせが良ければ、インドが米国に望む最初のことは、インド政府はテロリストに指定しているが、米国内では野放しになっているインド人分離主義者達を、米国の法律が許す限りに於て最大限取り締まることだろう。彼等はインド旅客機爆破や外交官暗殺等の犯罪を公然と仄めかしているが、米国内では国家的保護を受けているので、多くのインド人は、彼等は米国のインドに対するハイブリッド戦争に於ける兵器なのだろうと確信している。
トランプは法と秩序を強調して選挙に勝ったので、こうした挑発行為はそうした原則と相容れない。従って関係修復への第一歩として、挑発を止めるのが得策だろう。
2)インドへの内政干渉を止める
インドはまた米国に、内政干渉を止めて欲しいと思っている。
インドの社会政治的状況に対する批判は非友好的な振舞いと見られている。また、反国家感情を煽る様々なNGOの取り組み(特にキリスト教徒の多い北東部の州)は、絶対に受け入れられないと考えられている。こうした活動が終わるまでは、真の関係正常化は不可能だ。
こうした干渉をやりたがるのは、自分達の価値観を振り翳して他者を裁こうとする、「ディープ・ステート」内のリベラル・グローバル分子なので、トランプは彼等を上手く抑え込まなければならない。
3)バングラデシュを軌道修正する
バングラデシュでは夏のレジーム・チェンジ以来、ポグロムやその他の暴力によって少数派であるヒンズー教徒達が犠牲になっている。インドはバングラデシュ新政府が彼等の権利を尊重するよう、米国が圧力を掛けてくれることを望んでいる。
また、真に自由で公正な選挙も出来るだけ早急に実施されるべきだ。
バングラデシュに米軍施設を建設すると云う投機的な計画も出ているが、これはこの地域のパワー・バランスを崩してしまうと云う懸念が持ち上がっている。米国はインドの正当な懸念を念頭に置くべきだ。
4)インドを遠ざけない
またこの地域の諸戦線に於て、米国がインドとパキスタンとの間でバランスを取るのではなく、インドを再びトップパートナーとして扱ってくれれば、インドは感謝することだろう。第一次トランプ政権の時にはそうだったのだが、リベラル・グローバリストのバイデン政権はイデオロギー的な理由から保守ナショナリストのモディ政権から距離を置いた。
彼のチームが中国との関係改善に熱心だったのも、その為の一環だったと思われる。
5)ロシアと仲違いさせない
トランプが印米関係の改善を望むのであれば、ロシアと縁を切れとインドに迫ることも止めるべきだ。
トランプは最近、バイデンの所為でロシアと中国が「団結」したが、これを解除してやると約束したので、その一環として、インドとロシアとの貿易を後押しする可能性が有る。トランプのチームはキッシンジャーの「大国同士のバランス取り戦略」に従うと予想されるので、こうしたアピールは世界的にも共感を呼ぶかも知れない。
6)中国に対して厳しい姿勢を取る
インドは中国との関係改善を進めたばかりだが、この展開にはインドを蔑ろにした米国が責任を負っている。
トランプが中国に対してより厳しい姿勢を取り、中国への対抗策としてインドを優遇したとしても、インドは気にしないだろう。従ってインドへのハイテク軍事装備の輸出を続け、最終的には自由貿易協定の交渉を前進させるのが理想的だ(実現は難しいが)。
結論
インド系アメリカ人、インド寄りの当局者、地政学的なプラグマティスト達がトランプと共にホワイトハウスに乗り込めば、印米関係の未来は明るいと思われる。
その場合の課題は、「ディープ・ステート」のリベラル・グローバリスト的要素を抑え込んで、彼等に印米関係の和解を邪魔させないことだろう。
Trump Can Repair The Damage That Biden Dealt To Indo-US Ties
インドはトランプのホワイトハウス復帰を、バイデンが印米関係に与えた以下のダメージを修復するチャンスだと見ている。
・2023年夏の暗殺未遂疑惑スキャンダル。
・米国がインドの総選挙に干渉。
・米国がインドの隣国バングラデシュのレジーム・チェンジを支援。
・米国はインドに、ロシアとの縁を切るように迫った。
若しトランプがインド系アメリカ人やインド寄りの当局者達をワシントンに連れて来たら(特にインド系のカシュ・パテルがCIA長官に確定した場合)、これら全てはチャラに出来るかも知れない。
1)テロ分離主義者を取り締まる
巡り合わせが良ければ、インドが米国に望む最初のことは、インド政府はテロリストに指定しているが、米国内では野放しになっているインド人分離主義者達を、米国の法律が許す限りに於て最大限取り締まることだろう。彼等はインド旅客機爆破や外交官暗殺等の犯罪を公然と仄めかしているが、米国内では国家的保護を受けているので、多くのインド人は、彼等は米国のインドに対するハイブリッド戦争に於ける兵器なのだろうと確信している。
トランプは法と秩序を強調して選挙に勝ったので、こうした挑発行為はそうした原則と相容れない。従って関係修復への第一歩として、挑発を止めるのが得策だろう。
2)インドへの内政干渉を止める
インドはまた米国に、内政干渉を止めて欲しいと思っている。
インドの社会政治的状況に対する批判は非友好的な振舞いと見られている。また、反国家感情を煽る様々なNGOの取り組み(特にキリスト教徒の多い北東部の州)は、絶対に受け入れられないと考えられている。こうした活動が終わるまでは、真の関係正常化は不可能だ。
こうした干渉をやりたがるのは、自分達の価値観を振り翳して他者を裁こうとする、「ディープ・ステート」内のリベラル・グローバル分子なので、トランプは彼等を上手く抑え込まなければならない。
3)バングラデシュを軌道修正する
バングラデシュでは夏のレジーム・チェンジ以来、ポグロムやその他の暴力によって少数派であるヒンズー教徒達が犠牲になっている。インドはバングラデシュ新政府が彼等の権利を尊重するよう、米国が圧力を掛けてくれることを望んでいる。
また、真に自由で公正な選挙も出来るだけ早急に実施されるべきだ。
バングラデシュに米軍施設を建設すると云う投機的な計画も出ているが、これはこの地域のパワー・バランスを崩してしまうと云う懸念が持ち上がっている。米国はインドの正当な懸念を念頭に置くべきだ。
4)インドを遠ざけない
またこの地域の諸戦線に於て、米国がインドとパキスタンとの間でバランスを取るのではなく、インドを再びトップパートナーとして扱ってくれれば、インドは感謝することだろう。第一次トランプ政権の時にはそうだったのだが、リベラル・グローバリストのバイデン政権はイデオロギー的な理由から保守ナショナリストのモディ政権から距離を置いた。
彼のチームが中国との関係改善に熱心だったのも、その為の一環だったと思われる。
5)ロシアと仲違いさせない
トランプが印米関係の改善を望むのであれば、ロシアと縁を切れとインドに迫ることも止めるべきだ。
トランプは最近、バイデンの所為でロシアと中国が「団結」したが、これを解除してやると約束したので、その一環として、インドとロシアとの貿易を後押しする可能性が有る。トランプのチームはキッシンジャーの「大国同士のバランス取り戦略」に従うと予想されるので、こうしたアピールは世界的にも共感を呼ぶかも知れない。
6)中国に対して厳しい姿勢を取る
インドは中国との関係改善を進めたばかりだが、この展開にはインドを蔑ろにした米国が責任を負っている。
トランプが中国に対してより厳しい姿勢を取り、中国への対抗策としてインドを優遇したとしても、インドは気にしないだろう。従ってインドへのハイテク軍事装備の輸出を続け、最終的には自由貿易協定の交渉を前進させるのが理想的だ(実現は難しいが)。
結論
インド系アメリカ人、インド寄りの当局者、地政学的なプラグマティスト達がトランプと共にホワイトハウスに乗り込めば、印米関係の未来は明るいと思われる。
その場合の課題は、「ディープ・ステート」のリベラル・グローバリスト的要素を抑え込んで、彼等に印米関係の和解を邪魔させないことだろう。
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