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信頼出来ない情報源:CIAがあなたにお届けする北朝鮮関連ニュース(抄訳)

2023/10/03のミントプレスのアラン・マクラウド氏の記事の抄訳。西洋市民が耳にするDPRK関連の奇妙なニュースは、基本的にCIAの心理作戦の一環だ。
UNRELIABLE SOURCES: NEWS ON NORTH KOREA, BROUGHT TO YOU BY THE CIA



 金正恩が死亡した時のことを覚えているだろうか? 2020年当時、企業メディアは北朝鮮指導者が死亡した、或いは「植物状態」に陥ったとの報道で溢れ返った。だがメディアの熱狂から僅か日後、彼はピンピンしている様に見えた。

 では、CNN、MSNBC、エコノミスト等はどうしてこんな間違った物語を流したのだろうか? 答えは、CIAのフロント組織であるNED(全米民主主義基金)から資金提供されたメディアの伝聞に頼ったからだ、と云うものだ。

 ワシントン・ポストの説明に拠れば、金の健康に関する噂が最初に見出しになったのは、「ゴシップと噂」で知られるROK(大韓民国)のウェブサイト、デイリーNKが、匿名の情報筋に基付いた報道をしてからだった。その後、この話を支持する匿名の米当局者が現れた。

 この話を笑い飛ばしながら、ポストは競合他社に幾つかの忠告を行った。「通常の状況下であっても、ROKのの報道機関が常に最も信頼出来る情報源であるとは限らない」とし、米当局者については「信用するのではなく検証せよ」と指摘した。

 ところがポストはこれ以降、デイリーNKの報道に基付いた記事を継続的に掲載し(1234)、デイリーNKを信頼出来るニュースソースとして扱っている。

 これが笑い話で済まないのは、ポストの記事は触れていなかったが、デイリーNKは、CIAのフロント・グループとしてレーガン政権によって設立されたNEDによって資金提供され、推進され、支援されているROK報道機関の広大なネットワークの一部だからだ。NEDは影響力作戦やレジーム・チェンジ・プログラム等、CIAの最も物議を醸す心理作戦の多くを実行している。

 実際、西洋諸国で我々が耳にする朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)に関する膨大なニュースは、米国の国家安全保障国家と深い関係を持つ諸組織から提供されている。DPRKが地球上で恐らく最も奇妙で恐ろしい国だと見られているのはそれが原因だ。


 
カネの流れを追え

 デイリーNKはDPRKに関するニュースを英語、朝鮮語、中国語で掲載するウェブ・メディアだ。その影響力は大きく、その報道はニューヨーク・タイムズCNNフォックス・ニュースCNBC等、幅広い西洋メディアで引用されている。

 デイリーNKは多くの脱北者を雇っており、全国に情報提供者のネットワークを持っている。これらの情報提供者達は
、提供する物語がより大きくて話題性の有るものであればある程高額の報酬を支払われているが、ROK政府でさえ、「粗っぽい未確認報告の洪水」が水を濁らせており、この国を正確に監視することが更に難しくなっていると警告している。

 デイリーNKを引用するメディアは同紙の資金源については殆ど触れないが、デイリーNKはこれについて比較的透明性を保っている。その公式サイトのFAQページには、「我々の最大の寄付者のひとつは米国に拠点を置く全米民主主義基金 (NED)です」と書かれてある。NEDはデイリーNKに数百万ドルを注ぎ込んでおり、不完全な資金調達記録に拠ると、2016〜20年の間に197万ドルを送っている。これ以外にも、デイリーNKは少なくとも2011年まで、年間6桁の金額をワシントンから受け取っている。

 デイリーNKが主にROKと国際社会を対象としていることに踏まえた上で、NEDは同紙への資金提供の目的は「正確でタイムリーな関連ニュースと情報を広めることによって、北朝鮮情勢への認識と理解を高めること」であると主張している。

 だがこれまで見て来た様に、それは屢々この秘密めいた国に関する疑わしい、或いは明らかに虚偽の物語の源泉になっている。

 1978年から朝鮮を取材して来た調査ジャーナリストのティム・ショーロックはミントプレスに対し、ワシントンが無数の団体に資金提供してエコー・チェンバーを作って来た経緯を説明した。これらの団体は何れも独立していて公平であると称しているが、何れも米国で書かれた楽譜に沿って歌っている。

 「基本的に米国メディアの北朝鮮報道は、全て国家安全保障国家によって決められています。NEDはデイリーNKに資金を提供しています。Twitter やその他では、これが国の支援を受けていると明示されることは有りません。それは韓国を拠点とするニュース・サーヴィスとして主流のマスコミでよく引用されますが、それはNEDから資金提供を受けているのです。そして彼等は金正恩とその政府に関する非常にとんでもない話を広めましたが、それらは後に虚偽であると判明しました。」



広大な偽情報ネットワーク

 デイリーNKは、ラジオ・フリー朝鮮やオープン北朝鮮ラジオを含む、ソウルを拠点とするマルチメディア・コンソーシアムである統一メディア・グループと提携している。このグループは北朝鮮人の2~3%がそのコンテンツに関心を持っていると主張している

 デイリーNKと同様、統一メディアもNEDから数百万ドルの資金提供を受けている。2016〜19年の間だけでも、NEDから240万ドル以上を受け取っており、デイリーNKと合わせると、これはNEDのDPRK予算全体の20%を優に超えている。

 2018年にはNEDはまた同組織に年次民主主義賞を授与している。

 統一メディアは、NEDがDPRK報道を形作る為に支援する無数の報道機関、NGO、シンクタンクのひとつに過ぎない。このグループは、元は廃止されたフリー北朝鮮ラジオであったコリア・フューチャーにも資金提供している。また公式サイトには明記していないが、影響力の有る人権団体NKウォッチも、NEDから数十万ドルを受け取っている。このカネにより、NKウォッチはDPRKに関して国連等の国際機関に圧力を掛ける等、「国際的な(人権)擁護活動」を追求している。

 ラジオ・フリー・アジアも、DPRKに関する突飛なニュースの、大変影響力の有る情報源だ。曾てニューヨーク・タイムズ紙が「CIAが構築した世界規模のプロパガンダ・ネットワーク」の一部と評したラジオ・フリー・アジアは、中国とその近隣諸国に反共主義のプロパガンダの爆撃を浴びせる為に1951年に設立された。今日に至るまで、このメディアは設立時の使命に忠実であり、中国とDPRKに関する最も奇妙で疑わしい記事の多くを頻繁に発信している。

 例えば、新疆ウイグル自治区でイード(イスラム教徒の祝日)を祝うウイグル人のイスラム教徒の画像が拡散した際、ラジオ・フリー・アジアは、数千人の礼拝者がイードを祝うことを強制されていると報じた。ROKの子供向けゲームの「イカ」のコピーをDPRKに密輸した男性が死刑を宣告されたと主張したことも有る。

 ROKの保守系タブロイド紙である朝鮮日報も、米国と幅広い関係を持っている。これはNEDから直接資金提供を受けている訳ではないが、NEDと協力してDPRKの人権に関する会議を主催・後援したことが有る。朝鮮日報の記者で脱北者の姜哲煥には2003年にNED民主主義賞が授与された。



NEDとは何者か?

 メディア組織やNGOがNEDから資金を受け取ることが何故問題なのだろうか? それは、NEDが世界中で特別にレジーム・チェンジ(政権交代、体制転覆)作戦を実行する為に設立された組織だからだ。

 CIAの信頼を大きく傷付けた一連の公的なスキャンダルを受けて、レーガン政権は1983年にNEDを設立した。

 NEDは厳密には民間団体であると云うことになってはいるが、資金と人員は米国政府とその役人によって提供されているし、事実上CIAのフロント・グループとして機能ている。そして米国に或る程度の「尤もらしい否認(plausible deniability。シラを切ることが出来ること。いざとなれば「NEDが勝手にやったことだ」と言い抜けることが出来ること)」を与える為に、非常に物議を醸す活動の多くを国外で実行して来た。

 NEDの指導者達は組織の役割について、時に非常に率直に語っている。1984〜2021年にNEDの会長を務めたカール・ガーシュマンは、同組織設立の理由を説明する上で、「世界中の民主主義団体がCIAから助成金を受けていると見られるのは酷いことです」と語っている。NEDの共同創設者アレン・ワインスタインもこれに同意し、「我々が今日行っていることの多くは、25年前にはCIAによって秘密裏に行われたものだ」とワシントン・ポストに語っている。

 NEDは、米国の傀儡ボリス・エリツィンが権力の座に留まるようにするために、1996年のロシア選挙に干渉する上で極めて重要な役割を果たした。6年後、NEDはヴェネズエラのウゴ・チャベス大統領に対するクーデター未遂に資金を提供した。ウクライナでは、この組織は2014年のマイダン革命の成功に於て重要な役割を果たし、それ以来、ウクライナ国民に親米、反ロシアのメッセージを確実に届ける為に、幅広い報道機関に資金を提供して来た。

 近年では、NEDは香港の抗議運動の指導者達に資金を流し、キューバ政府に対する全国的な抗議運動を扇動し、ベラルーシのルカシェンコ政権の打倒を試みて来た。彼等はまたフランス、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、ポーランドでも選挙に干渉したとリストに挙げられている。

 従って、NEDがCIAのレジーム・チェンジ部門として機能していることを考えると、そうしたグループから資金を受け取っている組織は、大いに疑って見なければならない。



「私の死についての報道は誇張されていました」

 その結果、西洋の視聴者達はDPRKに関する奇妙で馬鹿げた突飛な話に曝されることになるが、その殆どは諜報機関と連携した情報源から得たものであり、その後明らかに虚偽であると判明するものも多い。

 例えば2013年、西洋メディアは人気歌手(そして金正恩の恋人だと評判の)玄松月が突然処刑されたと云う報道で溢れ返った(CNBCロサンゼルス・タイムズサロンハフィントン・ポスト等)。メディアはその悲惨な詳細を嬉々として説明し、彼女がセックス・テープを作成して配布したとか、彼女と他の人達が聖書を身に着けているところを見付かったといか、彼女が「オーケストラのメンバー達が見守る中、機関銃射を受けて死亡した」とか、または彼女の家族がその試練を見守ることを強いられたとか報じた。

 この話には2つの問題が有った。

 第一に、この記事は完全に、DPRKに関する疑わしいニュースを掲載して来た長い歴史を持つ、米国政府と繋がる朝鮮日報に語った匿名の情報源に基付いている。

 そして第二に、それは全くの虚偽だった。彼女の処刑が世界的なニュースになった直ぐ後、玄松月はDPRKのTVに出演し、国際ツアーに出発した。

 現実が面白い物語の邪魔をするのはこれだけではない。

 2019年、トランプ政権と金政権の交渉が悪化した後、企業メディアは再び北朝鮮指導者が交渉チームに怒りをぶつけたと云う報道で賑わった。金英哲首席外交官はその失敗の所為で強制労働収容所に送られたと伝えられた。同時に、チームの他の特使達も処刑され(ニューヨーク・タイムズウォール・ストリート・ジャーナルフォックス・ニュースABCニュース等)、CNBCはこれを「国内の混乱と不満から注意を逸らす為の大規模な粛清」と説明した。

 またしても、無意味な野蛮さに関する息を呑む様な何十もの報道は、朝鮮日報が行った検証されていない主張のみに基付いており、これは西洋メディアが本当にどれだけ下劣なゴシップに飢えているかを改めて示している。

 この茶番劇から僅か数日後、金英哲は金正恩と共に注目を集める芸術公演の場に登場した

 西洋メディアに拠ると、「死から蘇った」他の著名な朝鮮人には、2016年に「処刑」された李永吉将軍が含まれる。金正恩の叔母、金敬姫は死亡、または「永久植物状態」であると報告された。そして2010年に銃殺されたと報じられたにも関わらず、尹正水はサッカー代表チームを指導するという並外れた偉業を成し遂げた。

 だからこそ、NEDがCIAのレジーム・チェンジ部門として機能していることを考えると、そうしたグループから資金を受け取っている組織は大いに疑って掛かるべきなのだ。



信頼出来ない情報源

 DPRKに関する報道の多くは、脱北者の証言に依存している。が、これは非常に問題だ。何故なら脱北者は証言に対して多額の報酬を支払われることが多く、これは彼等には可能な限り誇張した描写をするようインセンティヴが働いていることを意味している。

 若し彼等がNEDと契約を結ぶことに成功すれば、セレブの亡命活動家になることを選んだ人達は優雅な生活を送ることが出来る。

 米国からの資金が氾濫し、北でのむごたらしい生活の証言に対する需要の所為で供給が急増した為、多くの亡命者達はワシントンが聞きたいことを喜んで口にした。

 「(脱北活動家の)配偶者はデパートでハンドバッグを購入し、NEDの資金で家計を賄っていた」と活動家の一人は指摘している。

 一部の脱北者は有名人になって巨額の金を稼いでいる。

 例えば、「北朝鮮には『愛』と云う言葉は無い」と主張したパク・ヨンミは、一回の講演毎に12,500ドルから17,500ドル、プラス経費を請求している。彼女はNEDによってワシントンに連れて行かれた後、ROKの国会議員に立候補して成功した。


 だが、これは北出身者の殆どにとっては標準的なことではない。ROKに住む殆どのDPRK人は低所得で暮らしており、広範な差別、孤立、孤独に直面している。多くの場合、彼等のスキルは移転されない為、最も非熟練的な雇用しか見付けることが出来ない。脱北者は一般人口に比べて最低所得層に属する可能性が6倍も高い。従ってこれ程多くの人々が米国やROKの当局と協力することを選択するのも不思議ではない。

 そして、当局がどの様な証言を望んでいるのかは明らかだ。 「脱北者達が自分達の話を粉飾すればする程良い。そうやって彼等は有名になるんです」とショーロックはミントプレスに語った。

 ROKのメディアはDPRKに関する恐ろしい話で一杯だ。

 一例は、人気TV番組『今、あなたに会いに行くところ』だ。この番組ではセレブの脱北者達が自分達の物語を語るのだが、彼等は一撮影毎に2,000ドルを支払われる

 だが中には、食人行為やその他の陰惨な話にまつわる虚偽の物語が満載された台本を渡されて読んだ、と証言する人達も居る。

 番組のゲスト達は絶えずお互いを上回る様な話をしなければ、二度と番組に招かれないリスクを冒すことになる。それはつまりROK社会に開いた亀裂の谷間に再び転落してしまうことを意味する。

 現実には、DPRKを離れる人の殆どは経済移民であって、十分な現金を貯めたら帰国を希望する人が多い。だが、「中国やROKでもっとお金を稼ぐ為にDORKを出た」と云うだけでは注目も集めないしクリックもされないので、こうした人達の話は決して聞かれない。



印刷に値するあらゆる(フェイク)ニュース

 西洋のメディアはDPRKを丸ごとカリカチュアに仕立て上げた。指導者が「飢えた犬の群れ」に餌を与えて親族を殺害したり、トップの将軍達をピラニアがウヨウヨ泳いでいる水槽に投げ込んだりする様な国だ。

 これらはメディア評論家のアダム・ジョンソンが「北朝鮮ジャーナリズムの法則」と表現した例であり、或る国に関するジャーナリズムや編集の基準は、その国の敵国状態に反比例すると云うものだ。簡単に言うと、報道機関は友好国については責任を持って報道し続けなければならない一方で、敵国については明らかに虚偽の内容を報道するかも知れないし、実際にそうしている。
The North Korea Law of Journalism

 恐らくDPRK以上にこれに適した例は無いだろう。何せ真面目な報道機関が、髪型はひとつしか認められていないとか、国が皮肉を禁止しているとか主張したり、「専門家」達が、国内では電気や高層ビルのことは「知られていない」とか、或いは政府がアフリカとオーストラリアの存在を市民から隠しているとか断言出来るのだから。

 他の敵国も「北朝鮮ジャーナリズムの法則」に巻き込まれている。

 企業メディアは、ヴェネズエラではハンバーガーが170ドルだったり、コンドームが750ドル以上だったりする等、あからさまな虚偽を報道して来た。また、人々が余りにも飢えていた為、一部の人がカラカス動物園に侵入して動物を食べたと云う話も広く報じられた。

 だがDPRKの相対的な孤立とコミュニケーションの欠如が、この問題を更に悪化させている。「狂った北朝鮮」の話は拡散し続けており、フェイクニュースを発信する報道機関に悪影響は無い様なので、この問題は直ぐには消えることは無い。



忘れられた戦争

 報道のもうひとつの側面は政治的なものだ。

 米国は朝鮮戦争(1950~53年)に介入し、南朝鮮の傀儡政権を支え、共産主義政権による半島の統一を阻止した。米国は広範な絨毯爆撃を実施し、第2次世界大戦中に太平洋戦域全体に落とした分よりも多くの爆発物を朝鮮に投下したが、これには化学兵器や生物兵器の使用も含まれていた。

 米国の行動の結果、朝鮮人口の推定20%が殺害された。

 1953年に休戦協定が結ばれたものの、正式な和平合意には至らなかった。その結果、戦争は厳密に言えばまだ進行中だ。
 
 数万人の米軍がROKの73の軍事基地に駐留し続けている。これらの軍隊は定期的にROK軍と共同で戦争ゲームに参加し、DPRKへの侵略、爆撃、破壊をシミュレートしている。

 1950年代、1960年代、1970年代、DPRKの人々は南の隣国よりも高い生活水準を享受していた。

 だが、南の国家主導の開発の成功と、ソ連の衰退と崩壊により、DPRKは経済的急降下に突入した。ショーロックの指摘ではまだ回復していない。米国はこの混乱に乗じて、可能な限りの苦痛を与える為に広範な制裁を課した。これが飢餓を引き起こし、数十万人が死亡した。

 ショーロックは、平壌に於けるワシントンに対する敵意をこれ程までに駆り立てているのは、こうしたコンテクストであると指摘し、こう付け加えた。「DPRKに対するこの憎悪と、朝鮮に於て米国が果たした役割の歴史を直視することを拒否することで、メディアと市民には、そこで実際に何が問題になっているのか、実際に何が起こっているかが見えていません。」

 勿論NEDは、この歴史が知られることを望まない。何故ならそれは実際には朝鮮半島に於ける主要な政治的アクターであるにも関わらず、無実の傍観者であるかの様に見せようとする米国の試みを損なうものだからだ。



国家が資金提供するニュース

 ヴェネズエラと同様、DPRKもまた深刻且つ差し迫った経済的、社会的、政治的問題を抱えている。だが西洋の企業メディアはこの国についての正確で思慮深いコメントを避け、悪の政府と、自分の頭で考えない洗脳されたドローンの様な国民についての漫画的なカリカチュアの方を好んでいる。

 終生の朝鮮ウォッチャーとして、ショーロックは特に報道の質にがっかりしている。

 「北朝鮮の状況は既に十分に悪い。でっち上げる必要なんか無い! 独裁国家だし、(ソ連解体以来)20~30年間苦闘を続けている。だけどこれらの(虚偽の)話の数々は、基本的な事実を確認すること無く、何度も何度も繰り返されている。これは本当に恥ずべきことだ。」

 こうした事態は偶然ではない。NEDは北朝鮮について同じ歌を歌う報道機関、脱北者、NGO、シンクタンク、その他の専門家のエコシステムに数千万ドルを資金提供して来た。これは北で戦争やレジーム・チェンジを起こすと云う考えをアメリカ国民が受け入れ易くする為に行われる。

 そしてこれは実際、かなりの効果を上げた。2017年には、驚くべきことに54%のアメリカ人が北朝鮮をアメリカにとって差し迫った最大の脅威だと考えた。

 一般の視聴者にとって、北朝鮮は、近隣諸国を攻撃しようと躍起になっている、邪悪で奇妙で脅威となる政権の様に映っている。だがメディアのエコシステムとその資金源を綿密に分析すると、このイメージが米国政府の洗練されたプロパガンダ活動によって形成されていることが分かる。

 アメリカ人は北朝鮮人が完全に洗脳されていると考えたがるが、恐らくプロパガンダはもっと身近なところで行われている。
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プロフィール

川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
全体像が知りたい場合は「カテゴリ」の「テーマ別スレッド一覧」を参照。

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