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IMF理事は世界規模の炭素税を望んでいる(抄訳)

キット・ナイトリー氏の記事の抄訳。IMFの専務理事クリスタリナ・ゲオルギエワはCOP28や2023/12/07のインタビューで炭素税の導入について力説した。彼女はこれが経済破壊を齎すことを承知の上で、間接的で分かり難い方法を使えばバレ難いと提案している。
IMF Head Wants World Wide Carbon Taxes



 2023/11/30〜12/13に開催されたCOP28(第28回国連気候変動会議)では様々な決定が下された。例えば12/05には63ヵ国が、2050年までに冷房関連(食品や医薬品用の冷凍、空調等)の排出量を2022年のレヴェルと比較して少なくとも68%削減することを約束した。

 IMFの専務理事クリスタリナ・ゲオルギエワはCOP28で炭素価格設定について講演し、12/07のガーディアンのインタビューでもその内容を繰り返した。

 「炭素に価格を設定すると、脱炭素化が加速します。欧州諸国は(2005年に)排出量取引制度を導入し、成長を続けているにも関わらず、排出量は37%減少しました。カナダでも炭素税に関して同じことが見られます。」

 彼女は企業を「主要汚染者」として炭素税案について論じているが、大企業に適用される税は値上げを通じて直接市民に転嫁されることになることを、ガーディアンも認めている。

 「ですが、経済理論では炭素価格は魅力的かも知れませんが、実際には、政府はその様なはっきりした価格や税金を課すことに消極的です。それらは容易に攻撃の対象になるからですし、下手に適用されれば貧しい人々に最も大きな打撃を与えるからです。」

 「下手に適用されれば」と彼女は条件を付けているが、企業であれ個人であれ、如何なる炭素税であろうと最貧困層を直撃することは、連中だって知っている。

 実のところ、一般の人々の生活水準を下げることを目的とした経済破壊こそが「炭素税」のポイントだ。COVID-19パンデミック詐欺の時の、科学的には全く無意味且つ逆効果でしかないロックダウン政策と同じだ。

 勿論、連中は貧しい人々の生活を気にしている訳ではない。連中が心配しているのは、単に国民の怒りや市民の不服従によって課税の実施が難しくなることだけだ。ガーディアンの記事は一例としてフランスの黄色いヴェスト運動を挙げている。

 よってゲオルギエワは炭素税を気候変動に対する「完璧な」解決策としながらも、より間接的な方法に頼る必要性を認めている。

 「ええ、炭素価格を導入する最良の方法は炭素税です。………ですが一部の国では政治的に実現不可能です。………暗黙の内に炭素価格に繋がる基準を用いた規制遵守を利用すると云う手も有ります。」

 つまり表向きは「炭素税」ではないが、実質的には炭素税である規則を使えばバレ難いと云うことだ。具体例はEUの「炭素国境調整メカニズム」で、これは「緩い」排出政策を取っている国の輸出品に対して、より多くの関税を課す仕組みだ。

 「IMF、世界銀行、OECD、世界貿易機関(WTO)は、炭素政策や規制によって世界中の国々で暗黙の内に実施されている様々な炭素価格を調査する為のタスクフォースを設立しました。」

 彼女は炭素税は避けられないと主張しているが、これに世界の全ての大手金融機関も賛同していると言っている訳だ。

 問題は、それを「炭素税」ではなく何と呼ぶかだ。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
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