はりの曲げ強さ
1)はりに作用する主な力
2)はりの曲げ強さ
3)曲げ応力度
4)曲げに対するはりの設計
5)鉄筋コンクリートの場合
1)はりに作用する主な力
●曲げモーメント
・真っ直ぐな形状の部材に起きる応力の1つ。
・外力を受けて部材が曲げられようとする時に、その部材の最も外力を受ける点の近くに、部材を扇形状にひし曲げて抵抗しようとする力が働く。
この部材を曲げようとする力のことを「曲げモーメント」という。
※モーメント
・物体に作用する力によって、ある点、あるいは軸を中心にその物体を回転方向に変位させる能力。
・作用する力と回転の中心となる点、あるいは軸からの距離との積。
●せん断力
・せん断とは物体をはさみ切るような作用をいう。
・物体のある断面に平行に、互いに反対向きの一対の力を作用させると物体はその面に沿って滑り切られるような作用を受ける。これがせん断作用で、このような作用を与える力をせん断力という。
2)はりの曲げ強さ
・曲げ試験において、試験片が破壊するまでに発生する最大曲げ応力を曲げ強さという。
3)曲げ応力度
〇曲げ応力度
・ある材が曲げられると、曲がった内側は縮み、外側は引き伸ばされる。この圧縮力と引張力の単位面積当たりの大きさをいう。
〇縁の曲げの応力度
・内側も外側も縁の応力度が一番大きいから、その部分の応力度が、材料の許容応力度を越えないように設計する。
・縁の曲げの応力度は、次式のように、曲げモーメントをその材料の形に応じた断面係数で除して求める。
σb=M/Z
σb:曲げ応力度
M:曲げモーメント
Z:断面係数
4)曲げに対するはりの設計
・縁の曲げの応力度が、材料の許容応力度を越えないように設計する。
σb = M/Z ≦ f
f:材料の許容応力度
・はりの曲げ強さσbを大きくするためには断面係数Zを大きくすればよい。
5)鉄筋コンクリートの場合
〇コンクリートのはりの場合(鉄筋がない場合)
・コンクリートは、圧縮力に対しては大変強いが、引張り力に対しては弱い。
→コンクリートのはりが曲げを受けると断面に曲げ応力度が発生。
→曲げ応力度は、中立面を境に圧縮を受ける領域と引張りを受ける領域に分かれる。
→引張りを受ける領域では、引張り力が生じる。
→断面の引張縁応力度がコンクリートの引張り強度に達するとひび割れが生じる。
→ひび割れが一度発生すると、ひび割れがすぐに伸展して、コンクリートのはりは二つに折れてしまう。
〇鉄筋の役割
・引張り応力度が発生する領域に鉄筋があると、コンクリートにはひび割れが生じるが、ひび割れが発生した箇所ではコンクリートの代わりに鉄筋(主筋)が引張り力を負担する。
→コンクリートのはりは二つには折れず、ねばり強い変形を起こす。
2)はりの曲げ強さ
3)曲げ応力度
4)曲げに対するはりの設計
5)鉄筋コンクリートの場合
1)はりに作用する主な力
●曲げモーメント
・真っ直ぐな形状の部材に起きる応力の1つ。
・外力を受けて部材が曲げられようとする時に、その部材の最も外力を受ける点の近くに、部材を扇形状にひし曲げて抵抗しようとする力が働く。
この部材を曲げようとする力のことを「曲げモーメント」という。
※モーメント
・物体に作用する力によって、ある点、あるいは軸を中心にその物体を回転方向に変位させる能力。
・作用する力と回転の中心となる点、あるいは軸からの距離との積。
●せん断力
・せん断とは物体をはさみ切るような作用をいう。
・物体のある断面に平行に、互いに反対向きの一対の力を作用させると物体はその面に沿って滑り切られるような作用を受ける。これがせん断作用で、このような作用を与える力をせん断力という。
2)はりの曲げ強さ
・曲げ試験において、試験片が破壊するまでに発生する最大曲げ応力を曲げ強さという。
3)曲げ応力度
〇曲げ応力度
・ある材が曲げられると、曲がった内側は縮み、外側は引き伸ばされる。この圧縮力と引張力の単位面積当たりの大きさをいう。
〇縁の曲げの応力度
・内側も外側も縁の応力度が一番大きいから、その部分の応力度が、材料の許容応力度を越えないように設計する。
・縁の曲げの応力度は、次式のように、曲げモーメントをその材料の形に応じた断面係数で除して求める。
σb=M/Z
σb:曲げ応力度
M:曲げモーメント
Z:断面係数
4)曲げに対するはりの設計
・縁の曲げの応力度が、材料の許容応力度を越えないように設計する。
σb = M/Z ≦ f
f:材料の許容応力度
・はりの曲げ強さσbを大きくするためには断面係数Zを大きくすればよい。
5)鉄筋コンクリートの場合
〇コンクリートのはりの場合(鉄筋がない場合)
・コンクリートは、圧縮力に対しては大変強いが、引張り力に対しては弱い。
→コンクリートのはりが曲げを受けると断面に曲げ応力度が発生。
→曲げ応力度は、中立面を境に圧縮を受ける領域と引張りを受ける領域に分かれる。
→引張りを受ける領域では、引張り力が生じる。
→断面の引張縁応力度がコンクリートの引張り強度に達するとひび割れが生じる。
→ひび割れが一度発生すると、ひび割れがすぐに伸展して、コンクリートのはりは二つに折れてしまう。
〇鉄筋の役割
・引張り応力度が発生する領域に鉄筋があると、コンクリートにはひび割れが生じるが、ひび割れが発生した箇所ではコンクリートの代わりに鉄筋(主筋)が引張り力を負担する。
→コンクリートのはりは二つには折れず、ねばり強い変形を起こす。