複式簿記、現金主義、発生主義について整理
青色申告で65万円控除を使うには正規の簿記の原則(複式簿記)に従って記帳する必要があります。さらに現金主義をとっている場合には65万円控除は使えないので発生主義で記帳する必要があります。この複式簿記、現金主義、発生主義についてあまり理解できていないので整理してみました。
以下、税務署でもらった「帳簿の記帳のしかた(事業所得用)」を読んでまとめました。
●青色申告制度について
・一般の記帳より水準の高い記帳をし、所得金額や税額を正しく計算し申告することで、所得の計算で有利な取り扱い(10万円または65万円の青色申告控除)を受けられる。
・対象年度の3月15日までに税務署に申請。その年度内に事業を開始した場合は、開業の日から2ヶ月以内。
・前々年分の所得が300万以下の場合は、税務署に届ける事によって現金主義にする事も出来る。
~わざわざ届け出る必要があるということは通常は発生主義ということなんですね。
●青色申告の65万円控除と記帳の仕方の関係
・正規の簿記の原則(複式簿記)により作成された損益計算書とともに貸借対照表を提出する必要がある。
・簡易簿記(単式簿記)だけでは、帳簿等から誘導して貸借対照表を作成できないので、結果として65万円の控除が受けられない。
~上記から推察すると65万円控除と複式簿記の関係は以下のようになりますね。
①損益計算書、貸借対照表を提出
②上記を作成するには簡易簿記(単式簿記)では出来ない。従って複式簿記が必要。
●正規の簿記とは?
・資産、負債および資本に影響を及ぼす一切の取引を正規の簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づき、貸借対照表および損益計算書を作成しなければならない。
~複式簿記による記帳ばかり意識していましたが、上記文章から判断すると、正しく損益計算書・貸借対照表を作成する事が目的でその手段として複式簿記が必要といった関係と理解したほうがよさそうですね。
●簡易(単式)簿記と複式簿記
①簡易簿記(単式簿記)
・家計簿のように"現金"の入出金という結果をだけを記録。
・現金主義で記帳できる。
②正規の簿記(複式簿記)
・収益によって資産(現金)が増えた場合、現金が増えたという結果だけでなく、結果をもたらした原因(収益、費用)についても記帳する。
例えば、家賃収入があった場合は下記のように結果(資産の増加)とその原因(収益の発生)について記帳します。
(借方)預金 (貸方)賃貸料
資産の増加 収益の発生
このように原因と結果の両方を同時に把握しながら記帳する事によって年度末に損益計算書(収益の計算)と貸借対照表(機首と期末での資産状況の変化)を作成する事が出来るということのようです。
●発生主義、現金主義
ここまでの説明で65万円控除と貸借対照表・損益計算書、複式簿記の関係は分かりましたが、現金主義と発生主義についてが残っています。
・発生主義では、実際の現金の受け渡しだけに限らず実際の取引がされた時点(発生)で記録します。
・複式簿記では結果だけではなく、結果の原因となる各種取引についても記録する必要があるので、商品を売って2月後後に代金が振り込まれる場合は、取引が発生した時点で下記のように記帳します。
(借方)売掛金 (貸方)売上
資産の増加 収益の発生
現金主義だと実際にお金が振り込まれた時点で記帳する事になるので、この場合だと"取引"の状況と"資産"の状況を正確に把握することが出来ません。
なので"複式簿記でかつ発生主義で記帳する必要がある"というより、"複式簿記で取引と結果を正確に把握するには発生主義が必要"、または"発生主義で記帳するには複式簿記が必要"、というイメージでしょうかね。
●青色申告制度について
・一般の記帳より水準の高い記帳をし、所得金額や税額を正しく計算し申告することで、所得の計算で有利な取り扱い(10万円または65万円の青色申告控除)を受けられる。
・対象年度の3月15日までに税務署に申請。その年度内に事業を開始した場合は、開業の日から2ヶ月以内。
・前々年分の所得が300万以下の場合は、税務署に届ける事によって現金主義にする事も出来る。
~わざわざ届け出る必要があるということは通常は発生主義ということなんですね。
●青色申告の65万円控除と記帳の仕方の関係
・正規の簿記の原則(複式簿記)により作成された損益計算書とともに貸借対照表を提出する必要がある。
・簡易簿記(単式簿記)だけでは、帳簿等から誘導して貸借対照表を作成できないので、結果として65万円の控除が受けられない。
~上記から推察すると65万円控除と複式簿記の関係は以下のようになりますね。
①損益計算書、貸借対照表を提出
②上記を作成するには簡易簿記(単式簿記)では出来ない。従って複式簿記が必要。
●正規の簿記とは?
・資産、負債および資本に影響を及ぼす一切の取引を正規の簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づき、貸借対照表および損益計算書を作成しなければならない。
~複式簿記による記帳ばかり意識していましたが、上記文章から判断すると、正しく損益計算書・貸借対照表を作成する事が目的でその手段として複式簿記が必要といった関係と理解したほうがよさそうですね。
●簡易(単式)簿記と複式簿記
①簡易簿記(単式簿記)
・家計簿のように"現金"の入出金という結果をだけを記録。
・現金主義で記帳できる。
②正規の簿記(複式簿記)
・収益によって資産(現金)が増えた場合、現金が増えたという結果だけでなく、結果をもたらした原因(収益、費用)についても記帳する。
例えば、家賃収入があった場合は下記のように結果(資産の増加)とその原因(収益の発生)について記帳します。
(借方)預金 (貸方)賃貸料
資産の増加 収益の発生
このように原因と結果の両方を同時に把握しながら記帳する事によって年度末に損益計算書(収益の計算)と貸借対照表(機首と期末での資産状況の変化)を作成する事が出来るということのようです。
●発生主義、現金主義
ここまでの説明で65万円控除と貸借対照表・損益計算書、複式簿記の関係は分かりましたが、現金主義と発生主義についてが残っています。
・発生主義では、実際の現金の受け渡しだけに限らず実際の取引がされた時点(発生)で記録します。
・複式簿記では結果だけではなく、結果の原因となる各種取引についても記録する必要があるので、商品を売って2月後後に代金が振り込まれる場合は、取引が発生した時点で下記のように記帳します。
(借方)売掛金 (貸方)売上
資産の増加 収益の発生
現金主義だと実際にお金が振り込まれた時点で記帳する事になるので、この場合だと"取引"の状況と"資産"の状況を正確に把握することが出来ません。
なので"複式簿記でかつ発生主義で記帳する必要がある"というより、"複式簿記で取引と結果を正確に把握するには発生主義が必要"、または"発生主義で記帳するには複式簿記が必要"、というイメージでしょうかね。