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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
週末の"thought exercise"に....
『さまざまな物の価値を、1グラム(実際には1ポンド=453.6グラム)あたりの値段(monetary density)で比べた時に、何が高い価値をもつのでしょう。』

ブログEvil Mad Scientist Laboratoriesによると、例えば人の血液は1ポンドあたり約$200で、このmonetary densityはコピ・ルアク(ジャコウネコの排泄物から集めた世界一高価なコーヒー)や銀とほぼ同じですが、孔雀の羽($400)よりは低くなります。一般に基準となると思われるゴールド(金)は$12,000です。
LSD

ちなみに、monetary densityの高いものトップ3は:

3位:ダイアモンド($11,400,000)

2位:LSD($55,000,000)

1位:反物質($26,000,000,000,000,000)



詳しくはこちらを

(図はEvil Mad Scientist Laboratoriesより引用)



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学校でもっとよく基礎を勉強しておけばよかったなあという後悔は、社会人になってからの勉強のモチベーションのうち2番目に重要なものです。私にとっての後悔の一つは物理とくに、「素粒子物理学(Particle Physicis)」です。というのも、米国の(一部の)高校ではParticle Physicisを教えているらしく、高校生に質問されて答えられずに、戸惑った経験があるからです。

素人が勉強を始めるには、エキスパートの講演をまず聴くのが、効率的な方法です。そこで、スタンフォード大学教授のPatricia BurchatのTEDでのトーク「Patricia Burchat sheds light on dark matter」で、まず暗黒物質(Dark Matter)と宇宙のことを少し分かったような気にさせてもらいました。

ちなみに、クリエイティブな研究者のキャリアはロールモデルとして参考になるので、紹介しておきます。

Patricia Burchat:Career History
* B. Appl. Sci. Eng. (Engineering Science), University of Toronto, 1981
* Ph.D., Stanford University, 1986
* Postdoctoral Fellow, Santa Cruz Inst. for Particle Physics, 1986-88
* Assistant Professor, UC Santa Cruz, 1988-92
* Associate Professor, UC Santa Cruz, 1992-94
* Associate Professor, Stanford University, 1995-2000
* Professor, Stanford University, 2000-present






テーマ:勉強 - ジャンル:学問・文化・芸術

物理学者リチャード⋅ファインマンによる問題解決のアルゴリズム(The Feynman Problem-Solving Algorithm):

(1) 問題を紙に書き出す(write down the problem)
(2) ひたすらその問題を考える(think very hard)
(3) 解決法を紙に書き留める(write down the answer)


実用的かどうかは別にして、あまりにも的を射ているので、何も付け加えることはありません....

Feynman apple
<http://www.feynmangroup.com/company/whos_feynman.cfm>




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ブッシュの戦争ーボブ⋅ウッドワード;伏見 威蕃訳」より:

CIA本部では、(対テロリスト特殊作戦主任の)ハンクスが1914年に南極大陸を探検したイギリス人探検家アーネストシャクルトンの入隊募集ポスターに由来する言葉を記した札を、オフィスのドアの外側にかけていた。そこにはこう書いてあった。

”危険な旅の基幹隊員募集。報酬些少。厳寒。数ヶ月にわたる暗闇。絶え間ない危険。無事帰還危うし。成功の暁には名誉と賞賛”



シャクルトン(Ernest Shackleton)は6年前にPBS/NOVAのプログラム「Shackleton's Voyage of Endurance」を観て以来、私にとって理想とするリーダーのひとりであり、隊員募集の広告はずっと印象に残っていました。今回、思わぬところ(CIA)にシャクルトンの隊員募集のポスターが飾られていることを知ったので、ブログに書き留めておきます。

この広告はイギリスの新聞The Timeに出されたのですが、その原文は

Men Wanted: For hazardous journey. Small wages, bitter cold, long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful. Honour and recognition in case of success.
                      – Sir Ernest Shackleton.



普通のひとなら絶対に応募しないような、この一見超ハイリスク&ローリターンの職に5000人以上の応募があったそうです。このことは、人は短期的な金銭的報酬のみで動く訳ではなく、その仕事の意義や使命感、さらには自分の人生における長期的なインパクトが大きな決定要因になっていることを教えてくれます。






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世界一のプレゼンテーションを決めるコンテストのノミネーション作品のひとつ「What I Wish I Knew When I Was 21」より。

ちなみに、私が21歳のときには「ビッグトゥモロー」や「プレジデント」より「ホットドッグ・プレス」を読んでいたので、このスライドにあるような人生の教訓には無頓着でした...

今になってみると、多くはビジネス書や自己啓発本に書いてある定番のメッセージであることがわかります。





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写真雑誌の最高峰ナショナル⋅ジェオグラフィクスのフォトディレクター(Director of Photography)デビッド⋅グリフィン(David Griffin)はTED トークで、雑誌を飾った数々の美しくパワフルな写真を紹介しています。

ナショナル⋅ジェオグラフィクス⋅マガジンの方向性を決定するというグリフィン氏の仕事は、常に高いスタンダードを保つことが要求されまが、彼の求めるプロフェッショナルの写真家の条件とは:

ただ単に美しいインパクトのある写真をどんな場面でも撮ることができるというだけでなく(これだけでも十分に達成困難なのですが)、”写真をとおしてストーリーを語ることができる力(Story Telling Power of Photography)”をもっている


ということだそうです。

写真のインパクトとは、そこから湧きでるストーリーのインパクトのことなのでしょうか。

グリフィン氏のトーク”Photography connects us with the world”で、写真が語るストーリーを楽しんでください。









テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

前回のエントリーで「不満や不平を、問題解決モードに変える方法」について書きました。ではどうして問題解決モードが大切なのでしょう。それは次の言葉に見事に表現されています。

”人間とは問題に直面したときのみ、考えるものだ”
“We only think when we are confronted with a problem”
                    ーJohn Dewey


自発的に頭を使ってプロダクティブに考えるというのは意外に難しいものです。私の頭はいつも省エネモードになっているので、できるだけメンタルエナジーを使わずに、楽できるようにできているようです(おそらく、私と同じに感じているひとは少なくないと思うのですが...)。しかし、問題に直面すると、否が応にも頭を使って考えねばならず、ときとして普段は出せない高いパフォーマンスを発揮できることがあります。

ですから、楽をしたいと思いつつも、問題にに直面でるような環境に敢えて身を置くように少しだけ心がけています。



ダニエルピンクのA Whole New MIndより:何気なく普段よく使う「But」を「And」に変えてみるだけで、「不満や不平」モードを「問題解決」モードに変えることができるはずです。たとえば、

もっと読書をしたい。But(=しかし)仕事が忙しい(ので読書の時間がないのはやむを得ない)


これは多くのひとが抱える不満でしょう。このままではただ嘆くだけで終わってしまいがちです。そこで、「But」を「And」に変えてみると:

もっと読書をしたい。And(=そしてそれと同時に)仕事は忙しい。(よって、読書の時間を作り出す工夫を考えよう)


と「問題解決」モードにもっていくことができます。



また、部下との会話で、彼/彼女の提案に満足できず、修正を要求する場合でも:

君の提案は確かに面白い。But(=しかし)この部分を修正したほうがいい。


というよりも、

君の提案は確かに面白い。And(=そしてそれと同時に)この部分を修正すれば、さらに素晴らしいものになる。


と否定せずにもっていったほうが、結果は同じ(一部修正)でも部下は、自分の提案が認められたという実感を「And」の方に強くもち、モチベーションが上がるはずです。

こうして普段の会話をあらためて見直してみると、本当に「But」を使わなくてはならない機会は意外に少ないのかもしれません。多くの「But」は「And」に置き換えても問題ないどころか、マインドセットをよりポジティブにもっていくことができるのではないでしょうか。


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もしあなたが大学の研究者で、政府より研究費を受け、成果を論文として科学雑誌に発表したことがあるなら、それは非常に良いサインです。世間はあなたを非常に信頼できる情報源とみなしています。

National Science Foundation (NSF) Science Indicators reportによると、北米で一般の人が、サイエンス(バイオテクノロジー)の情報源として、最も信頼をしているもののトップ3は:

1)科学雑誌
2)政府より研究費を受けている大学の研究者
3)公共放送のテレビプログラム


であるそうです(下図参照)。

サイエンスコミュニケーションの重要性は言うまでもありませんが、時として象牙の塔と見なされることもある「大学の研究室で、政府からの資金で研究し、その成果を科学雑誌に発表する」というアカデミックな活動が、社会から正当に評価され、また期待されていることを示す勇気づけられるデータであると思います。

scicence
出典:NSF Science Indicators report 2008


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ハーバードの社会人大学院(Harvard University Extension School)でテクニカルライティングとマネジメントのコースを取っていたときに、最初の授業で教官にいわれることは、レポート作成においてPlagiarism (盗作)は許されないということでした。ハーバードのポリシーをここに引用しますが、”いかなる理由であれ、レポートを盗作したものは通常は退学に処する”(下線部)とあります。

Preparation of Papers and Other Work: Plagiarism and Collaboration

All homework assignments, projects, lab reports, papers and examinations submitted to a course are expected to be the student's own work. Students should always take great care to distinguish their own ideas and knowledge from information derived from sources. The term "sources" includes not only published primary and secondary material, but also information and opinions gained directly from other people.

The responsibility for learning the proper forms of citation lies with the individual student. Quotations must be placed properly within quotation marks and must be cited fully. In addition, all paraphrased material must be acknowledged completely. Whenever ideas or facts are derived from a student's reading and research or from a student's own writings, the sources must be indicated......(中略)

Students who, for whatever reason, submit work either not their own or without clear attribution to its sources will be subject to disciplinary action, and ordinarily required to withdraw from the College.



盗作の問題は学問の根幹に関わることですが、大学で教えるべきことはたった2つです。

1)(倫理面)学問ではオリジナリティーに価値があり、盗作は学問に対する冒涜であり、学生のレポートにおいても許されることではない。

2)(技術面)しかし、自分のオリジナルな仕事は、先人の数多くの仕事のうえに築かれるものであるので、先人の仕事を正しく評価し、正当に引用する方法(ルール)を身につけねばならない。

このエントリーは5号館のつぶやきさんの「ネット時代のコピペ・レポート・リテラシー」で、コピペでレポートを作成する大学生を問題視しつつも

 結論: コピペそのものではなく、学生のレポートを正しく評価できないシステムが悪い。


と、ずいぶんと控えめな表現をされていることに、端を発しています。大学で教える”コピペ・レポート・リテラシー”が倫理と技術の両面をカバーしたものであってほしいと願います。









テーマ:勉強 - ジャンル:学問・文化・芸術

思いもしなかった新しい研究やビジネスの機会(共同研究、ビジネスパートナリング)が訪れたときには、その機会の可能性とインパクトをメリットとデメリットの両面から考慮しなければなりません。では、メリットとデメリットのどちらから考え始めるのが効率的でしょうか?

ひとは往々にして慎重になるあまり、まずリスクやデメリットから考えがちです。そして、リスクや不確実性の高さををまえにして、足がすくみ、前進することを躊躇してせっかくのチャンスを逃してしまいます。しかし、リスクを単独で吟味するのは、decision-makingにおいてはあまり価値ないと思います。リスク/デメリットはメリットとの比較で考えてこそ初めて意味があると考えられます。

つまり、まずメリットは何か、どのくらい大きいのかから考え始めます。もしメリットがかなり小さいのなら、その時点でNOとなるので、デメリットやリスクを考えるのに時間を費やす必要はないことになります。逆にもし十分に大きいメリットがある場合には、長期的に見てデメリットがメリットより大きいのか、小さいのかを考え、decision-makingすることになります。

もちろん、メリットのみを考えるのはもってのほかですが、まずメリットから考えるようにすれば、必要以上にデメリットやリスクの恐怖に精神的に翻弄されることも少なくなり、効率的にdecision-makingすることができるのではないでしょうか。





テーマ:自由への道程 - ジャンル:学問・文化・芸術

実験医学(羊土社)で連載中のプロフェッショナル根性論第8回は日本人中年男性研究者のためのサバイバル英語術として,人間力という長所をレバレッジする「人間力英語術」です。これに関連したコラム「耳から入る洋書読破術」がアップロードされました。

ここでは、サバイバル英語とは視点を変えて,語学・教養としての英語を勉強するための,インターネット上の3つのリソースの利用のコツを紹介します。

1)洋書を多読する秘訣:通勤時間にオーディオブックを利用する
2)米国版・青年の主張を聴いてみる
3)大統領のスピーチ集は格好の教材


詳細はどうぞこちらをご覧ください。





Pro-Kon



テーマ:英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

MITでPh.D.をとった若手の博士の質問力の凄さ

質問せよ、その人が答えられなければ、別のエキスパートを紹介してもらえ。納得する答えにたどり着くまでこれを繰り返せ


について書きました。

彼女のこのアプローチには「納得する答えを与えてくれるエキスパートにたどり着いた」次のステップがあります。次のステップとは:

「そのエキスパートが信頼できる人物であるかどうか、コミュニティーでの評判を第3のエキスパート(紹介者以外)に人物/業績照会(Due diligence)をする


ということです。

書籍やネットからは得ることが難しく、人とのコニュニケーション/インタラクションからしか得ることのできない知恵やKnowhowはこれからますます重要になると考えられます。しかし、一見しっくりくるような知恵やKnowhowにたどり着いたとしても、鵜呑みにする前にDue diligenceをして裏をとるという、最高のクオリティーに対する飽くなき追求の必要性を教えられました。

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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