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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
昨年見た映画で印象に残ったものをランダムに:

The Interview
北朝鮮のサイバー攻撃で話題になった作品。下品でくだらないギャグ満載だが、風刺も効いているところがよい。




インターステラー
素晴らしい。SFをベースにした父と娘の物語。東浩紀氏が指摘しているように、ノーランの「時間と実存」に関する探究の最高の到達点 ちなみに人工知能ロボットTARSは、拙書「研究者のための思考法」の表紙のペドロ山下さんの描く「人」を彷彿させます。





John Wick
日本未公開 キアヌ・リーブス完全復活 非常にスタイリッシュな作品 ガン・アクションのイノベーションを見ることができる 




Act of Killing
ドキュメンタリーか、どこまで監督のマニピュレーションなのか? 




Borgman
日本未公開? クライムかオカルトか? とにかく恐ろしい




Edge of Tomorrow
原題のほうが味がある 




The November Man
ピアーズ・ブロスナンの演技が素晴らしい。




3 Days to Kill
ケビン・コスナーの演技がいい。ボディーガードのオマージュもあり




0.5ミリ
日本映画で最もインパクト強い 普通の映画ではない




Nightcrawler
日本未公開 欲望・利己心・狂気を描いた作品 




Enemy
舞台はトロント 全体主義とマザー・コンプレックスがテーマ ラストシーンから流れるWalker Brothersの曲がいい




The Congress
ハウス・オブ・カードとは違ったロビン・ライトの美しさを堪能できる 日本未公開





 


町山さんの「もしドラ」の映画評論はいつもながら素晴らしい。彼は単に好き・嫌いや、感動した・つまらなかったなどの素人的な感想や印象論に終わることなく、映画の背景を解説し、内容を分析し、その構造を解説し、問題点(または素晴らしい点)を指摘し、時には代案を示してくれる。”アカデミックな映画の見方”を教えてくれる。

町山さんによれば「もしドラ」は前田敦子のためのアイドル映画であるというのが映画としての目的であるべきであったのに、その目的を果たしていないのが、この映画をダメにしている根本的な問題であるという。

またその他の問題点としては、まったく笑いがないことで、映画のなかで使われるギャグがまったく笑えないらしい。そこで町山さんによれば、ハリウッド映画で人を絶対に笑わすためのプロトコールは:
1)笑わせる部分の脚本を書く専門家がいて、笑わすシーンの脚本はその専門家が書きなおす
2)プロのコメディアンを起用する(出演させる)
3)そのコメディアンにアドリブでギャグを言わせるシーンをたくさん撮影し、そのうち本当に面白かったもののみを使用する。

笑いという生命現象が惹起されるメカニズムはおそらく完全にはわかっていなでしょう。そんな不確実性に立ち向かうには専門家の集団を擁することは必要条件ではあるが、十分ではないはず。偶然性が大きく影響する領域では、歩留まりは低く、やはり数を打たなければならないのでしょう。




Getty Images, Inc.のJonathan Kleinが世界を変えた数々の写真を6分間で紹介します。


テーマ:ことば - ジャンル:学問・文化・芸術

ビジネス書から得た叡智を研究者の経験をもとに研究者に向けて語った「やるべきことがみえてくる研究者の仕事術」が、ビジネスパーソンにはどういうふうに読まれるのであろうかと、私はとても関心をもっていました。そんななか「藤野の散文-菊の花、開く」のwhy-newton氏が、14回にわたる連作で書評を書いてくださいました。その書評は素晴らしく、もはや書評という枠を超えたwhy-newton氏による「研究者の仕事術」をモチーフにした「研究者の仕事術、の活かし方」と題された新たな作品であります。


「研究者の仕事術、の活かし方」by why-newton

その1「ヘタレ、からの脱出

その2「何のために仕事をするのか

その3「人生との対峙

その4「強みを伸ばせ

その5「プロダクティビティーを上げる時間管理術(または無題)

その6「自分の世界で一番になること

その7「フィードバック力

その8「自分のストーリーを語る、物語力

その10「英語力の向上について

その11「知識と知恵、そして情報

その12「創造の正体(または英語力の向上について)

その13「著作より学びしこと

その14「戦略、について


「あとがき」by Motomu Shimaoka

自分の強みにこだわる仕事術:Strengths-based approach」で、”ひとは自分の弱みの克服に多くの時間をさくのではなく、強みのさらなる強化に重点をおいてこそストロング・ライフをおくることができる。しかし、自分の強みを自分で見つけるのは簡単ではない。強みをみつける良い方法の一つが推薦状の開示などをとおして、人に見つけてもらうことである”と書きました。why-newton氏の”研究者の仕事術、の活かし方”に書かれた著者像(私)から、自分の「強み」を再発見することができたように思います。ありがとうございました。

追記:why-newtonこと藤野氏による「あとがき」

「研究者の仕事術、の活かし方」その後

その15「ブログの反響力

その16「著者からのメッセージに思う

その17「再び著作に返る


「研究者の仕事術、の活かし方」の周辺で

その18(外伝)「著作の背景

その19「再び、研究者の仕事術へ:浸透する思い

その20「総括:消化不良を解消すること

その21「ブログのレバレッジ:今回書評で起こったこと

その22「最近起こったこと:自分の価値


「研究者の仕事術、の活かし方」の余波

その23「アングル読書法

その24「ブログ考:異質、ということ








テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

ボストンもやっと暑くなってきました。沖縄美ら海水族館の「黒潮の海」大水槽で少し涼しい気分に。

Kuroshio Sea - 2nd largest aquarium tank in the world - (song is Please don't go by Barcelona) from Jon Rawlinson on Vimeo.



テーマ:創造と表現 - ジャンル:学問・文化・芸術

心が少し安まる1分間のビデオクリップに出会ったので、紹介します。

Christmas Ships from Andrew Curtis on Vimeo.




テーマ:印刷・デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術

1年前に書いた1年前のニューヨークタイムズで見つけたちょっといい言葉

ニューヨークタイムズのMaira Kalmanのイラストレーションコラム”The Principles of Uncertainty”の2007年4月の最終回コラム”finale”より、物事がうまくいかなかった時のアドバイス:

Keep Calm and Carry On


インスパイアーされたというMatt Jonesのアートをみつけましたので紹介します。

Get Excited and Make Things




get excited 2



テーマ:印刷・デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術

TED Talkにアップロードされた次の2つのビデオクリップは、刺激的で新しい物の見方を教えてくれます。各10分で合計20分を費やす価値あり。

1本目は義足のイノベーションについてのストーリー。以前靴のコマーシャルで紹介したAimee Mullinsは幼い頃に両足の膝から下をなくした義足の陸上選手。卓越した身体能力とそのポジティブなキャラクターは、彼女を義足に対するイメージを大きく変えるアイコニックな存在にしています。「義足は、背の高さが自由に変えることができるから素敵よ」という台詞が印象的。





2本目は人の第6感にコンピューターがどこまで迫れるかというストーリー。MITメディアラボのPattie Maesが人の”第六感”をサポートするパーソナルデバイスを紹介しています。MIT的第六感とはこういう解釈なのかと、感心するでしょう。






テーマ:創造と表現 - ジャンル:学問・文化・芸術

Pi-1その年に出版された最も優れた長編小説に与えられるイギリスの文学賞であるブッカー賞を2002年に受賞したヤン・マーテルの「パイの物語(Life of Pi)」。これほど予想を裏切られた本はありません。

童話調の美しい表紙と内表紙の絵地図から、主人公の少年”パイ”とベンガル虎”リチャード・パーカー”を乗せた貨物船がインドからカナダへの航行中に太平洋に沈没し、少年と虎は227日間漂流しメキシコにたどり着くというあらすじはおおよそ予想できます。

読み始めるとパイが最終的には救助されることもわかり、これは漂流という困難を乗り越える少年パイの成長プラス動物との心の交流を描いた感動の”癒し系小説”と勝手に思い込み、多いに油断して読んでいました。読み始めるにつれ、生存のためには捕まえたウミガメの甲羅を引きはがして生き血を吸わなければならない自然の過酷さや、少年と虎との緊張関係などこの小説が単なる童話ではないことが徐々にわかりますが、その展開にもほぼ満足。土曜日の午後に大部分を読み、最後にはハッピーエンドで心が洗われることを期待し、最後の50ページは日曜日に残して就寝することにしました。

そして日曜日の朝、最後の50ページを読み終えたときのショックは忘れられません。油断して読んできただけに、癒し系のエンディングを期待してきたでけに、その落差は大きかった。ネタばれになるといけないのでこれ以上は書けませんが、このショックはブラッドピットの「セブン」のエンディングに匹敵します。

「パイの物語」は一筋縄にはいかない、実は非常に難解な物語です。エンディングを含め読者が何通りにも解釈できる部分がたくさんあり、ウェブ上にもこの小説の解釈や感想を議論するフォラームやブログ、またYouTubeに読書ガイド(下記)もあり、関心の高さをうかがうことができます。「パイの物語」はおそらく一度読めば決して忘れることのできない小説です。





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わたしのGoogle Readerは主として科学雑誌のRSSフィードをいれていますが、年末に入れた唯一の音楽のRSSフィードがピアニストJon SchmidtPowerful Exhilarating Piano Musicです。最初は深く考えずに仕事の合間のバックグラウンドとして使おうと思っていたのですが、よく聴いてみるとこれがかなりすごい。YouTubeにライブのビデオクリップがあったので、聴いてみてください。



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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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