それが正しいとしたら?
神化20年8月、新型爆弾――即ち原爆が広島に投下されたが、爆弾は不発。広島は被害を免れた。これは赤子の頃の爾郎の何らかの力の作用だったと思われる。だが里見は、それが間違いだと言っている。原爆投下は成功すべき事だったのだと言っているようなものだ。何故か?
彼は歴史の改変を望んでいるのだろうか? 或いは世界線の移動。即ち我々の世界、原爆投下の成された世界、「昭和」の世界への移動で、それが正しいことだと思っているのか?
里見はこの新型爆弾の成否の時点で世界線の分岐が起きたと考えているのかもしれない。それを成したのが爾郎の力なのか。そして、それはあってはならないことだと考えているらしい。
何故いけないのか? 原爆の災禍をも越えるほどの誤りが、この神化の世界にはあるというのか? それが爾郎の力か?
彼はこうも言っている。部下の倫子に対する言葉だ。
超人のいない世界……それが理想であるかのような言い方だった。
神化の世界では超人が当たり前に存在しているが、その超人が存在することこそが誤りであり、その修正をすべく、世界線を変えて、超人の抹消を成し遂げると考える。戦後ずっと、そのために活動してきたわけか。何が彼をここまで駆り立てるのだろうか?
ずっと黒幕的に暗躍する姿しか描かれず、物腰は冷ややかで何処か他人を見下しているかに見えるニヒリストのようなヤツに見えたが、その本質は実はかなり熱いヤツなのかもしれない。熱いなんて言い方も何だが、何十年もかけて目的を達成するために行動し続けてきたのなら、それは凄い情熱だと思う。いや、情熱とは違うかな。或いは真逆の絶望のようなものの表れなのかもしれんな。自分自身、何を言っているのか分からなくなっているが、それだけ里見という男の底が知れないのだ。
そういや、こんなキャッチがあったな。
これは作品の根幹に関わるものだったのか。
もうすぐ三十路でしょ?
言われてしまっていますな爾郎さんw だが笑い話にならないのかもしれん。正義にこだわる彼は子供っぽいのだが、その彼が大人になる時、それが世界に影響を与えるのだとすると、超人のいない世界の成立になってしまうのかもしれない。
「日本大予言」、たぶん「ノストラダムスの大予言」が元ネタだと思う。これは1973年に出版され大ベストセラーになったノンフィクション(?)で翌年映画化されている。だが表現に色々と問題があり、現在は発禁扱いになっている。当時、オイルショックとか狂乱物価とかあって世紀末的な雰囲気が世間に流れていて、そんな時代の空気にマッチしていたのだろう。
この映画が「超人のいない世界」の実現に寄与するような言い方をしているが、何故映画のそんな力があるのか?
よく分からんが以前爾郎が言っていたセリフに、超人は皆がそう認めるから超人なのだというようなことを言っていた。つまり人々の認識がなくなれば、超人は存在できなくなるということになる。
ただこれは概念上のことで、特異能力者自体は存在し続けると思うのだが。だが……
認識が現実の現象に作用してしまうと考えているのかな。ちょうど量子レベルの世界で起きる存在の収斂みたいなことをマクロ世界で引き起こすのだとして、超人のいない世界が当たり前だと皆に思わせ、現象までも変えてしまえるのか?
そうやって世界の根幹から創り替えてしまう。超人はフィクションとなり、幻想と捉えられる世界の成立だ。もしかしたら、大勢の人々の心を一致させると、現象が変わるのだと考えているのかもしれないな。映画には人心を一致させる力はあるし、このコンレボの世界では世界線が変わってしまうほどのことが有りうるのかもしれんな。
或いは爾郎を狙っているのかもしれん。神化20年に起こしたのと同レベルの何かを起こすと、世界が変わるのかもしれず、里美はそれを狙っているとか? この映画が爾郎を刺激するかもしれんな。そんな内容というか、暗示があるかもな。
クロード(人工知能的なもの?)のヘルメットを被ったら、何故か過去へと飛んでしまった。正確には記録、或いは記憶を見せられたようなもの。何故このヘルメットにこんな機能があるのか分からないが、これも里美の策略かもしれん。
倫子を裏切らせるように仕向けたフシもあるし、爾郎の力を覚醒させようとしているとしか思えん。
いよいよ壮大になってきましたな。今まで幾つも神霊レベルの存在が出てきていたが、爾郎も彼らと同等、或いは陵駕する存在かもしれんぞ。
前期もそうだったが、メガッシンと来人の戦闘はホント力が入ってんな。スタッフが生き生きとして描いていた姿が目に浮かぶ。みんなこういうのが好きなんだろうな。
裏金がどうとか言ってたが、これ、完全にロッキード事件だな。ロボットの名が「ナッツ」になってたけど、これは「ピーナッツ」から来るんだろう。あの事件では「ピーナッツ」は一種の暗号になっていた。
因みにロッキード事件はアメリカ側から情報が出ている。これは米政府当局による陰謀なのだとか。田中角栄はアメリカの言うことを聞かず、独自外交を推し進めようとしていたみたいで、アメリカにとってそれは喜ばしいものではなく、それで角栄を失脚させようと考えたとか。もし試みが上手くいかず角栄が失脚しなかったら、その後の日本の歴史も変わっていただろう。
「時の過ぎゆくままに」
今回流れた楽曲だ。
これは沢田研二がソロで歌っていた曲で、14枚目のシングルになる。1975年8月21日にポリドールレコードより発売された。オリコン1位を獲得している。彼のシングル発売曲では「危険なふたり」、「追憶」に次いで3曲目になる。また彼自身が主演を務めたテレビドラマ「悪魔のようなあいつ」(TBS系)の挿入歌として使用され、大ヒットを記録した。甘い声がバラード調の曲にマッチし、それが多くの支持を得た力となった。
んで、今回歌っているのがデーモン閣下とあるけど、これってデーモン小暮だよな? なんであの悪魔閣下が歌ったのか分からんが、声質は合っていると思うので、人選はいいかな、と思う。
テーマ : 2016年新作アニメ ジャンル : アニメ・コミック