2016年7月24日に行われた、広島対阪神の公式戦18回戦の試合結果
阪神 021 103 010|8
広島 102 200 000|5
勝 島本 1勝0敗
負 一岡 0勝1敗
S ドリス 3勝3敗7S
【本塁打】原口8号、新井良3号
まず、阪神のスタメンに鳥谷の名前がないことが、今日のスポーツニュースの話題を独占するだろうことは明白。
そんな状況で、久々の一軍登板となるのが中村恭。
前回の一軍での先発登板は計7度あり、6回を投げ切れたのはわずか1度しかないが、ストレートを投げる割合が非常に少なく、投球の幅が狭かった印象が強い。
今回は戸田の負傷による緊急登板の意味合いもあり、その辺りの改善は望めない。
初回からストレートの割合は低く、福留には真ん中に入ったスライダーを、あわやライトスタンドへ放り込まれるかという打球を飛ばされる。
わずかにタイミングがずれていたおかげでフェンスオーバーにはならなかったが、ヒヤリとした打球だったし、投球パターンが変わらない限りは、長いイニングは持たないだろうなという印象が強く残った。
またカープの初回の攻撃は、田中、菊池はメッセンジャーの力押しのピッチングに押されて打ち取られたが、2アウトから丸が四球を選んで出塁すると、メッセンジャー対策で4番に入った松山には真ん中付近のスライダーが来る。
クソボールを本塁打にしたこともある両者の対決だったが、今日は甘い球を普通に打ち返してライト線への二塁打で、2アウト2、3塁。
新井はアウトハイのストレートを素直に右打ちすると、ライナーで抜けていくライト前タイムリーヒットで1点先制。
鈴木は中途半端なバッティングでショート大和へのゴロとなり1点どまり。
先制しても1点だけの場合は、先行きが怪しくなる。
その通りの展開が待っていたのが2回表。
先頭の原口に本塁打を浴びて、早くも同点に追い付かれる。
このイニングも変化球が多く、ストレートでストライクが入るケースはほぼ皆無。
それではと投げた、新井良へのフルカウントからのフォークは、ほとんど変化することなくど真ん中に入り、バックスクリーンへ勝ち越し本塁打を浴びた。
大和にはアウトコースのストレートを捉えられ、左中間を破る二塁打でピンチが続き、軸になるボールがスライダーしかない苦しい状況に置かれた。
メッセンジャーは三振に打ち取ったものの、高山は追い込んでから変化球要求だったものの、変化せずにアウトコースのベルトの高さ。
バットに合わされて三塁右横への内野安打とされ、2アウト1、3塁となったところで中村恭は降板。
要求通りのコースに投げられないケースが何度もあり、ストレートはほぼ捉えられ、フォークは変化せず。
これでは、交代も仕方ないかなと思える。
今週2度目のロングリリーフのマウンドに九里が向かい、北條をツーシームでショートゴロに打ち取って、中村恭の残したピンチは切り抜けた。
ただし、やってしまったな、と良くやった、の両方が出たのが3回表のカープの守備。
1アウトから福留と原口の連打でピンチとなるが、ゴメスはツーシームで引っ掛けさせてサードゴロ。
確かに難しいバウンドの打球だったが、確実に捕っておけば少なくとも一つはアウトが取れた場面。
しかしゲッツーを狙いに行ったのだと思うが、攻撃的な守備がエラーとなり、1つアウトを取るどころか、アウトが1つも取れずにタイムリーエラーになってしまった。
さらに、新井良に四球を与えて満塁としてしまうが、大和を投ゴロ併殺打に打ち取って、エラーによる1点だけで凌いだ。
これで少しはカープに流れが来た。
1アウトから、丸がアウトコースのストレートをセンター前ヒット、松山はやはり甘いスライダーが来て、きっちりライト線へ打ち返して1アウト2、3塁。
新井は四球で満塁となり、鈴木に対してもボール先行となる。
3-1というカウントで押し出し四球の可能性もあるが、思い切って振って行けるカウントでもある。
レフトの高山は深めの守備位置を取っており、鈴木が3-1から打っていった打球はバットの先だった分、レフト前に落ちる2点タイムリーとなった。
ただ、続く安部がフォークで空振り三振、會澤がファーストファールフライで同点どまり。
同点に追い付き、さあここから試合が作り直せる、というところだったが、コントロールに苦しむ九里は3イニング目ということもあり、さらに甘いコースが多くなる。
先頭のメッセンジャーにヒットを打たれ、高山にはボール先行の後、甘いストレートをライト前ヒット。
荒木の一塁前への送りバントを、新井が三塁へ強い送球が出来ずにフィールダースチョイスで満塁となってしまう。
ここで大量失点してしまうと、一気に阪神側へ流れが行ってしまうところで、江越には追い込んでからファールで粘られ、最後は甘いスライダーをレフトへ犠牲フライを打たれてしまう。
ただ、左中間寄りの打球で松山の捕球態勢は苦しかった。
二塁ランナーの高山が三塁にタッチアップできなかったのはカープとしては助かった。
福留はフェンス手前まで飛ばされるセンターフライで、ここでも高山は二塁からタッチアップできず。
最後は、原口をフォークで三振に取り、ノーアウト満塁のピンチを1点で凌いだ。
点を取った直後に、すぐに点を取られる展開と言うのは、正直なところ良い流れではない。
少なくともチャンスをつかんだ時には確実に点を入れておかないと、ズルズルと相手の流れに持っていかれる。
それどころか、逆転まで持っていっておかないといけないくらい。
4回裏には、先頭の九里に代打西川を送ると、久々の打席だったがメッセンジャーのストレートを打ち返して、ライトフェンス直撃の二塁打でチャンスメイク。
田中はセーフティバントを試み、自分はアウトになったが、西川は三塁へ送ることが出来た。
1アウト3塁で菊池が打席に入り、1-2と追い込まれてしまったが、粘って、アウトコース低めのワンバウンドしそうなフォークに食らいついて、セカンドの頭上を越える、ライト前タイムリーで同点に追い付く。
そして丸の打席で、エンドランを仕掛けると、左中間を深々と破る打球を放つ。
菊池は三塁を回っていたが、残念なことにワンバウンドでフェンスオーバー、エンタイトルツーベースで、1アウト2、3塁となる。
ここで松山が打席に入り、過去2打席の内容から想像するに、どこかで甘いコースに来るだろうと、それを叩ければというところになる。
ただ、この打席ではボール先行、甘い球はくることがなく、インコースのストレートに詰まらされてサードゴロ。
しかし、打球は弱く、菊池の走力で焦ったのか、サード新井良が弾いてタイムリーエラーで1点勝ち越し。
今日は両チームのサードにタイムリーエラー、そして新井兄弟でもエラーという、ちょっとよろしくない試合内容。
新井が四球を選んで、この試合2度目の満塁のチャンスで再び鈴木の打順。
メッセンジャーも踏ん張りどころと感じているのだろう、一球たりとも甘いコースには来ない。
際どいコースをファールで粘っていたが、最後はカーブで空振り三振。
2アウト満塁と場面が変わって、今度は安部が打席に向かう。
三塁のポジションを狙う西川に二塁打からこのイニングの攻撃が始まっており、タイムリーエラーを帳消しにするようなバッティングをと期するものはあったとおもうが、ショートゴロで満塁となってからは得点が入らなかった。
とは言え、4回を終えて5-4と1点勝ち越し。
が、2時間以上経過してまだ4回までしか終わっていない、というのが正直な感想。
これは今日の主審のコールの遅さにも原因があるように思えてならない。
キャッチャーがピッチャーに返球してからストライクコールをする場面もあり、これだけ試合展開が遅いのだから少しは考えてもらいたいとすら思う。
それはさておき、プレーする立場としては、ここからペースアップしていくのは、カープの3番手投手にかかっている。
その3番手としてマウンドに上がるのは、連投となる一岡。
一岡ともう一人で5回と6回をリードを保って投げ終えられれば、789回は役者が揃っている。
まずは一岡が三者凡退で抑え、カープ側へ流れを引き寄せかける。
またこのイニングから西川が、安部に代わってサードの守備に就いた。
これはどういう意味での交代かは、誰もが感じる通りだと思う。
そして6回表のマウンドの誰が上がるのかと思いきや、一岡が回跨ぎ。
今村は点差が僅差ということで継ぎ込み切れなかったのだろう。
中村恭の序盤KOというのがここにきて影響してきた。
先頭の荒木のイレギュラーバウンドでのセカンド内野安打、北條のエンドランなどで打線がつながり、福留を敬遠気味に歩かせて、満塁となったところでヘーゲンズに交代。
1人を抑えて、7回もヘーゲンズに、という計算だったと思うが、原口の高く弾んだ打球がサードの頭上を越えていき、2点タイムリーで逆転を許すと、ゴメスの投手強襲の当たりが内野安打となり、さらに代打鳥谷のセカンドへのタイムリー内野安打で、2点のビハインドと変わった。
当然、ヘーゲンズの7回も続投と言うプランはなくなり、オスカル、今村で終盤を凌いでいくことになる。
6回裏の攻撃はマテオの前に三者凡退。
2点差のまま9回裏を迎えるのであれば、まだ楽しみは残るがどうだろう。
まず7回はオスカルが三者凡退に抑えたが、8回もオスカルがマウンドに上がり力尽きた。
先頭の江越のライト線へのライナーに対し、鈴木がダイビングキャッチを試みるが後逸。
次の1点を与えてしまうと、相当不利に追い込まれるという思いからのプレーで、これは責められない。
満塁のピンチを背負ったのち、鳥谷に押し出し死球を与えてしまい、3点差となった。
今日の試合展開では、各投手の回跨ぎは仕方がない。
こういう投手リレーを避けるためには、先発投手として適した状態にある投手の起用をするしかない。
阪神のリリーフ陣が無失点リレーを見せ、負けるパターンは多分にあるという試合となった。
9回の攻撃では、會澤が手首に死球を受けて交代してしまうアクシデントもあり、最後まで悪い流れが続き、ただただ時間だけは長い試合は敗戦に終わった。
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来週は九里先発かもしれませんが今日の結果を見ると…
冷静に見て今のカープは勝率5割で良いとはいえイニングを食えない谷間ばかりだと今後が心配です