2015年7月30日に行われた、広島対ヤクルトの公式戦15回戦の試合結果
広 島 000 200 030|5
ヤクルト 301 000 000|4
勝 ヒース 1勝4敗4S
負 オンドルセク 4勝2敗
S 中崎 0勝5敗14S
【本塁打】畠山20号、菊池7号、グスマン1号
昨日の小川に対しては、ほぼ一方的に抑え込まれるのに対し、今日対戦の石川には勝ったり負けたりで、その時のチーム状態が影響していることが多い。
打線については、昨日はじわじわとした反撃があり、決して絶不調という状態ではないように思う。
グスマンの3番は既定路線としても、その他のスタメンがどうなるかに注目していたところ、菊池と丸の1、2番という打順を組んできた。
バントが上手ではない丸の2番が嵌るのかは疑問だが、後半戦に入ってからエンドランを多用していたことを思えば、すんなり送りバントを指示するとは限らないか。
さて、久しぶりの一軍での先発となる薮田は、立ち上がりからコントロールが乱れてしまう。
スライダー、カーブが抜け、ストレートが高めに浮き、どのボールを軸にしていって良いものか、掴みかねないうちに3失点となってしまった。
ただ、ノーアウト2、3塁のピンチで山田を迎え、3-0というカウントからサードゴロというのは、1失点となったもののかなり助かったシーンだった。
2回以降もコントロールがまとまってくる気配はなく、ボール先行で苦しいピッチングが続くが、ストレートの球速は150キロを計測しているように、何とか荒れ球という表現が出来るくらいは、ストライクが入るようにはなってきた。
また、ストライクが入らないだけで、決して逃げているようなピッチングではなかったことが、昨日の今井との違い。
そういう姿勢が示せたことで、5回まで投げることが出来たともいえる。
4回以降は、ストレートに対し、各打者が打ちにくそうなスイングをしていたし、もう一度先発の機会はあるのではないだろうか。
一方のカープ打線は、石川の前にチャンスらしいチャンスもほとんど作れず、得点を奪えたのは菊池とグスマンの来日初本塁打による2点のみ。
6回表に、ようやく1イニングに2人のランナーを出し、石川を攻め立てるが、新井が併殺打で得点ならず。
このチャンスで1点でも返せていれば、終盤の反撃に期待が持てていたのだが、ここは勝負の分岐点ということで、石川も最後の力を振り絞って抑えにかかってきた結果。
7回からはロマン、オンドルセク、バーネットの3人が登板してくる展開で、2点差は厳しい。
まずはロマンに対し、先頭の鈴木誠が粘って四球を奪い取り、エンドランで梵が進塁打を打つ。
しかし、鈴木誠は弱い当たりのサードゴロの一塁送球の間に、サードを狙ってタッチアウト。
二塁ベース手前で、一旦打球の行方を見るためにスピードを弛めて、送球したと同時に再加速しての走塁だったが、あれだけ余裕をもってアウトとなるということは、状況判断が出来ないと思われても仕方ない。
以前も暴走気味の走塁死をしてしまっている鈴木誠だが、状況判断が甘いと、いくら脚が速くても宝の持ち腐れとなってしまう。
8回からはオンドルセクが登板。
ここでも先頭の野間がセンター前ヒットで出塁し、今度こそ1点でも返していかないと苦しくなる展開で、カープの作戦は、代打松山。
その松山は期待に応え、ライトオーバーのツーベースで、ノーアウト2、3塁のチャンスを作ると、菊池のライトライナーで、野間がタッチアップで生還する。
野間の脚力でなければ帰ってこられなかったかもしれない。
この1点でムードが変わった。
丸が四球で繋ぎ、打席にはグスマン。
正直なところ、オンドルセクの続投はかなりカープに有利に働いた。
全くタイミングの合わない秋吉が、グスマン対策で登板してくるようだと、結果はどうだっただろうと想像してしまう。
ボール先行のオンドルセクに対し、アウトコース高めのボールを巧く右中間へ運び、逆転のタイムリーツーベース。
さらに、新井がライト前ヒットで続き、走塁ミスをしてしまった鈴木誠は、打って借りを返したいところで死球となるも、気持ちを抑えて一塁に歩き、満塁のチャンス。
ただ、梵のセンターフライでタッチアップを狙った中東は本塁憤死で、これは8回裏に登板する投手が三者凡退で抑えないと、もつれる展開となりうる。
その8回裏に登板する投手とは、もちろん大瀬良。
逆転したすぐ後のマウンドで、当然気持ちは昂る状況。
いきなり山田との対決となり、151キロのストレートと、スライダーの組み合わせで三振を奪い、畠山には152キロのストレートとスライダーで三振を奪う。
ただ、雄平には同じく152キロのストレートとスライダーの組み合わせで勝負に行ったが、流石に三者連続で同じ攻め方では読まれていた。
雄平の好走塁もあり、右中間へのツーベースで一打同点のピンチを背負う。
しかし、大引をセカンドゴロに打ち取り、無失点で中崎へバトンをつなぐことに成功した。
9回表の攻撃では、1アウトから野間が内野安打で出塁し、盗塁を決め、再び得点のチャンスを迎え、會澤の当りはセンター前へ抜けようかというライナー性の打球。
しかし、この打球を山田がグラブをいっぱいに伸ばして捕球し、ライナーゲッツーで無得点となってしまった。
流れはヤクルトに傾くというムードが球場に蔓延しつつあるが、相手のムード無関係に抑えるのが、言葉通り抑え投手というもの。
7番から始まる下位打線ということもあり、変に受け身になることなく攻めの投球を貫ければ、そうそう打たれるものではない。
代打今浪のショートライナー、代打森岡をアウトローの150キロのストレートで三振。
そして最後は波乱のプレーでゲームセット。
三輪の詰まった当たりのセカンドゴロで、おそらく菊池は捕球後、グラブトスか、右手に持ち替えて投げるか一瞬判断を迷って、考えがまとまらないうちに投げてしまって暴投となってしまったのではないかと思う。
ただ、フェンスまで到達したボールを、バックアップの會澤が、二塁を狙った三輪をセカンド送球で刺してスリーアウトとなったプレーだった。
完璧な投球を見せた中崎はもちろん、無駄な動きの一切なかった會澤をはじめ、チーム全体としては最後までよく集中して守った。
ただ、菊池は後味は悪いことだろう。
とは言え、序盤の4点のビハインドを、よく粘って逆転勝利まで持って行ったと、素直に喜んで終わりたいと思う。
個人的に機能すると思っていた3番グスマンが、ようやく嵌ったのも明日からの試合に向けていい材料となる。
ヒースに今季初勝利が記録され、ようやくリリーフ陣の負け越しが9個となり、2桁を切ってきたのも良い傾向。
- 関連記事
-