2019年4月26日AM0:00
前日の九時ごろに仕事が終わり、十時頃帰宅しお風呂に入ったり出発の準備をしたりで、丁度日付が変わる頃に自宅を出発する事になりました。
今回北海道へ行くルートは青森発の函館着の津軽海峡フェリーを利用する事にしました、当然大洗苫小牧のフェリーの方が楽なのですが、費用の問題やそもそもこのGW船自体が取れそうに無かったのでこのルートになりました、当然カブで行くのでオール下道となります。
具体的なルートはいつも上小川キャンプ場へ行く時に通っている国道118号線を北上し国道4号線にぶつかってからはひたすら国道4号線を北上すると言うシンプルなルートにしました。
タイムリミットは船を予約してある翌日27日の朝7時です、今思えばかなり無茶なプランニングでしたし実際今までの旅の中でも自分的には間違いなく一番苛酷で大変な道中になりました。
この日は写真を撮る余裕が無く文章が多めになりますがその過酷さが少しでも伝わればと思います。
AM3:00頃
日付が変わった頃に出発し、国道118号線に入りひたすら北上を続けます、ここで一つ目のトラブルが発生します。
なんとガス欠しそうになりましたw
これは自分でも反省していますが最後に通りがかったガソリンスタンドの時点でガソリン残量は約半分程でした、そのときは「まだ先にスタンドがあるだろうからそこで入れよう」と言う安易な判断をしてしまいましたが深夜の国道118号線福島以降はガソリンスタンドがあまり無くスタンドがあっても営業時間外だったりでメーターがEに限りなく近づいてきていよいよ焦ってきます。
幸いガス欠直前に立ち寄ったローソンで店員さんに聞いたところ親切に10分程先に行った所に24時間営業のガソリンスタンドがあると言う情報を頂きその通りの場所にスタンドがあった時は非常に安堵しました。
メーターの表示を見る限り後走っても20キロ前後位だったと思われたのでかなりギリギリでした、これは本当に猛省するべき事でした。
ガソリン問題が解決したのもつかの間その頃から雨が降り出しました、事前に天気予報はチェックしていたので雨が降るのは分かっていましたがこの雨が自身でも最も過酷な道中の主な原因となることに・・・・・。
AM9:00頃
着実に北上を続け国道4号線に入り仙台の辺りまで来ました、未明から降り続けている雨も大変ですがとにかく気温が低く寒い中での走行には慣れている自信がありましたがこれだけの長時間雨に打たれ続けながら走るのはあまり無い経験です。
雨に濡れるのはまだいいのですが流石にバイク用のレインウェアで身を包んでいても長時間雨にさらされると幾ばくか体が濡れてきました、これが体温を奪うことになり道中寒くて仕方が無かったです、装備が濡れてきたらコインランドリーに駆け込み休憩を兼ねて装備を乾燥機に放り込んで一度リフレッシュすると言う事をこの日は何度かすることになります。
そんな中で仙台のコインランドリーで印象的な出来事がありました、装備を乾燥機に放り込み下半身はパンツの上にレインウェアのズボンと言う我ながら変な格好で装備の乾燥を待っていると丁度コインランドリーの管理人さんが掃除にやってきました、話しかけられたので「今回のGWでバイクで北海道に行くんです」と言う話をした所「そう言う自由な旅が出来るのが羨ましい」と言う話になり応援と言うことで自販機のコーヒーとお茶を下さいました。
その後乾燥が終わり出発する時もわざわざコインラインドリーの入り口から見送って下さって、こう言うやりとりが非常に旅を感じさせる物があり、しかもその後はしばらく雨が止んで気分も上々で北上を再開します。
雨が止んだのもつかの間、しばらくしてまた雨が降り出します、雨に体温を奪われながらひたすら走っていきます、今回今までの旅とは事情が違うのがタイムリミットがあると言う点です、今までだったら天気が雨だったら迷わずに予定を先延ばししていましたが今回は明日の7時の船を逃したら北海道上陸が叶わない状況でした、なのでこうしてずっと走り続けている訳なのです。
昼過ぎ頃
着実に歩を進めて岩手県に突入します、この頃になると体が冷え切って「温泉に入りたい」と言う欲求が頭の中を支配しだします、丁度通っていた近くにあった金ケ崎町にあるみどりの郷と言う温泉施設に駆け込みます(先ほども書きましたが写真を撮る余裕が無かったので写真はありません・・・・)
温泉に浸かりかなり復活しましたが時間が限られていたのであまりゆっくりはせずにまた出発しました。
その後も走り続けますが温泉で温まった体はしばらくしてまた冷え切ってしまいました、そんな頃にはじめての日本一周の5日目位に通りがかった紫波町にあるひなびたドライブインに到着します、(写真は帰りに撮影した物です)当時の記憶では確かコインランドリーもあったと思い立ち寄りましたが記憶の通りにコインランドリーがあったのでここでまた装備を乾かす事にしました。
ここで食べたカップラーメンがトップバリューの小さい物で200円と言う通常だったら正直ぼったくり価格としか思えないのですが体が冷え切っていた事や当時の過酷な状況も相まって今までの人生で一番美味しいカップラーメンとなりました。
カップラーメンを食べ終えて室内の暖房で冷え切った体も温まり復活したところで一度体制を立て直す事にします、今回持ってきている装備品をすべて着込みとにかく体温が下がるのを防ごうと言う作戦です、着膨れしてもこもこの状態で再度出発します。
日が暮れる頃から国道4号線の案内掲示に青森と言う表示が出てくるようになりました、最初に見たのが240km先と言う物でしたがその後の道中で体感的に中々これが減っていかなかった記憶があります。
青森県に突入ししばらくしたところでなんと天候が雨から雪になりました、天気予報でその可能性があることは知っていましたがこの冷え切った体に季節はずれの雪で本当に大変でした、今回の道中あまりにも過酷で正直何度か「もう船の予約もしてあるけどあきらめて引き返して家でぬくぬくだらだらと過ごそうか」と言う誘惑に襲われました、それを何度も振り切り走り続けます。
23:00頃
そんなこんなで今までの旅の中でも最も過酷だった道中を経て青森市街に到着しました、ベイブリッジを通った時自然と「ついにたどりついたぞー」とヘルメットの中で絶叫したのを覚えています。
そして津軽海峡フェリーの青森側のフェリーターミナルに到着します、前日仕事を終えてから眠る事無くほぼ休み無しで走り続けること約20時間程での到着です、それでも8時間ほどしか時間の余裕が無かったことになります、我ながらなんとも無計画でしたしこのような無茶は二度としたくないですが今思えば良い経験になりました、個人的には旅は少し過酷な面があったほうが良いと思っています(流石に今回はやりすぎましたがw)その方が生きている事を実感できる気がしますし日常の些細な事に自然と感謝できるようになるからです。
過酷な道中での疲れと無事に到着したと言う安堵感を抱きつつフェリーターミナルで休憩して次の日を迎えることになります。