また色々と考えさせてくれる話でした。
ついに念願の新入部員・中野 梓(あずにゃん)が入った軽音部。
しかし、軽音部はろくに練習もせず、放課後はお茶を飲んでゆっくりまったりするばかりで・・・・・・。
と、まぁあらすじはこんな感じ。
今回あずにゃんは「一般的」を演じる役回りであるように感じました。
放課後はお茶を飲み、先生も何も言わず、自分がギターを弾けば怒鳴られる。
そりゃ、あずにゃんだって怒りますよ。新歓ライブに感動して入ったら、実情はこんなんだったんですからね。
そもそも、練習をしない部活なんてありえないわけです。お茶を飲み、練習もあまりせず・・・明らかに異常です。
最初のあずにゃんがキレるシーンは、ギャグチックに描かれていましたが、ここからあずにゃんの中で理想と現実の剥離が始まっていったように思います。
CM明け、制服が夏服に変わっていました。澪の「新入部員が入ったのに、いつまでもダラダラしてるわけには~」というセリフから、ここに至るまであまり練習してきたわけではないようです。
活動計画を立てなきゃ、ということであずにゃんの歓迎会が催されますが・・・ああ、違う、そうじゃないんだよ。
あずにゃんが望むのは「ゆっくりまったり部活ライフ」じゃなくて「放課後は普通に練習する部活」なんですよ。
だから、あずにゃんは唯たちに連れられて行った先でアイスを食べている時に思うんですよ。こののんびりした雰囲気に
「てゆーか、慣れたくない」、と。
その後、あずにゃんのことを案じた澪の強い要望で練習が行われますが、やはり途中でだれてしまいます。
自分が望んでいたのは軽音部のようなバンドではない、外のバンドにはもっとステキなバンドがあるはず、と一人でライブハウスに行ってしまうあずにゃん。
しかし、そこには新歓ライブのときのような感動はありませんでした。みんな、軽音部より上手いのに。
後日、部室を訪れたあずにゃんは泣いてしまいます。
どうして自分が軽音部に入ったのか分からない、と。しばらく一緒にいれば分かると思ったけど、分からなかった、と。
どうして―?その答えは、澪の言葉を借りれば
「きっと私は、このメンバーでバンドをやるのが好きなんだと思う。きっと他のみんなもそうで・・・だから、いい演奏になるんだと思う」ということ。だから、のんびりした雰囲気も必要なものなんだ、と。
新入部員・あずにゃんが軽音部に持ち込んだ「練習したい」という一般的な思いは、確かに軽音部に変質をもたらしたと思います。
それは澪の「今度は絶対練習するぞ!」というセリフにも表れていると思います。
それは、以前のある種閉じたコミュニティであった軽音部では手に入らなかった変化であります。
ベクトルが内から外へ向かったことで、「特殊」な集団が「一般」を吸収した、とでも言えるでしょうか(語弊があるか?)。
周囲のいいところを取り込んだり、迷ったりして成長していく彼女たちは、まさしく女子高生であり、Cagayake!Girls なのです。
- 2009/05/29(金) 07:07:45|
- けいおん!
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