電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

回顧と展望

本年、何やってたんだよ? と言われるかも知れないので、今年後半の仕事の一部を説明。 『日本の神様イラスト大図鑑』(isbn:4800263050)、スサノオノミコト、建御名方神、猿田彦、熊野三神、菅原道真、蛭子神、などの項目を執筆。 『60分で名著快読 マキア…

本年、書き落としたことなど

トランプ大統領実現について一言。日本は天皇がいて良かった。もう日本は永久に選挙で国家元首を選ぶ共和制にはならないで欲しい。 『あまちゃん』劇中の「海死ね」が許されて「日本死ね」が許されない謎。「海死ね」なら日本一国で済まず全地球規模で不謹慎…

列外.『東離劍遊紀』

脚本:虚淵玄(http://www.thunderboltfantasy.com/) 本年、純粋に娯楽作品として接した中ではもっとも熱中した番組かも知れない。仮面ライダーの次は台湾の浄瑠璃みたいなもの(布袋劇という)に手を出すとか、虚淵の引き出しの広さは予想以上。登場人物が…

10.TVドラマ『精霊の守り人』脚本:大森寿美男

脚本:(http://www.nhk.or.jp/moribito/) とりあえず、やっと日本で「ファンタジー物=西洋風でないといけない」の呪縛を脱して、日本人の役者が演じて違和感ない作品がメジャーな形で放送されたことに喝采。久々に松田悟志の派手なアクションが観られたの…

9.映画『バットマンvsスーパーマン』

監督:ザック・スナイダー(http://wwws.warnerbros.co.jp/batmanvssuperman/) アメコミヒーローへの関心は低かったが、町山智浩による原作の紹介が興味深かったので観賞。当然「ただの人間のバットマンがどうスーパーマンと戦うんだよ?」と思っていたら、…

8.映画『帰ってきたヒトラー』

監督:デヴィッド・ヴェンド(http://gaga.ne.jp/hitlerisback/) 独裁者を生むのは民衆――というよくできたお話。ラストシーンでは現代ヨーロッパの排外デモが1930年代になぞらえられるが、ふり返ってみると、2010年代ではなく1960年代でも1990年代でも社会…

7.ルポ『インド独立の志士「朝子」』

笠井亮平:著(isbn:4560084955) 第二次世界大戦中、日本やドイツと連携していたチャンドラ・ボースらインド国民軍の義勇兵の顛末。インド国民軍の婦人部隊では17歳の女の子が隊長で大尉とか、ガンダムか何かのアニメみたいな話だが、動乱期の革命軍ではこ…

6.評論『「反戦・反原発リベラル」はなぜ敗北するのか』

浅羽通明:著(isbn:448006883X) 本書は左翼批判というより、動員が目的化した方法論の批判、「デモなどやらなくても政治が変われば結果良し」という話。その選択肢には、ロビー活動、外国勢力を引っ張り出す、ストライキなどのほか、究極的には暴動やテロ…

5.ルポ『戦争中の暮しの記録 保存版』

暮しの手帖編集部(isbn:4766001036) 本物の戦争経験世代が次々と亡くなる中、大東亜戦争の大義だの大局視点の政治思想論ではなく、庶民の実感として戦争はどうだったという視点は急速に忘れられつつある。本書は、NHKの朝ドラマで注目が集まった花森安治の…

4.映画『この世界の片隅に』

監督:片渕須直(http://konosekai.jp/) 『あまちゃん』の頃から、能年玲奈(のん)は兵庫県出身と聞いて、いずれ関西弁キャラを演じて欲しいと思っていた。広島は兵庫の2つ隣だが、劇中の広島弁の自然な上手さに舌を巻く。この人、日本全国どこの田舎娘を…

3.『シャルリとは誰か?』

エマニュエル・トッド:著(isbn:4166610546) この人、いっけんリベラル派のようでドイツ人には口汚いところとか微妙に性格が悪いが、着眼点はあなどれない。 伝統的宗教(カトリック)が排外主義の温床ではなく、むしろ「ヨーロッパ人でもアフリカ人でも同…

2.『ヘイトフルエイト』

監督:クエンティン・タランティーノ(http://gaga.ne.jp/hateful8/top/) 3時間近い上映時間がまったく退屈に思えなかった快作。ラストで主要登場人物は全員ろくでもない最期を遂げるというのに、一番激しく対立していた南部出身の白人と北軍の黒人兵が仲良…

1.映画『シン・ゴジラ』

監督:庵野秀明(http://www.shin-godzilla.jp/) なんか、2年ほど前に書いたこの文章(http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20140611#p2)が、結果的に本作品の予告みたいになった気分。 とりあえず、仮面ライダーとかウルトラマンみたいな長期人気シリーズが、…

2016年最後の挨拶とか年間ベストとか

申し訳ありません、年末年始は仕事が詰まってるんで今年のベストは簡単に済ませます。 というか、本年は無駄に忙しく仕事と関係ない読書とか映画観に行ったりとかの余裕がほとんどなかったので、実際に内容も薄いです。 1.映画『シン・ゴジラ』監督:庵野秀…