卒業式。それは新たなる旅立ち。
春の話題作「Angel Beats!」もついに最終話です。
色々残念な点もありますが、それでも自分はこのアニメ嫌いじゃなかったんだ・・・
あれから三日後―
前回の出来事で消滅せずに再びこの世界で目を覚ましたゆり。
それを待っていた音無たちは、奏の望みである“卒業式”を行うことを彼女に告げる。
奏ちゃんは岩沢の遺した曲「My Song」が随分とお気に入りの様子。
彼女的には第2期ガルデモの評価ってどのくらいなんでしょうね。
「お前のギターのせいでバンドが死んでいる」程度かなやっぱり・・・
気になる他の戦線メンバーについてですが、アッサリ「消えた」で済まされました。
分かってたけど残念というか・・・・消化できないなら元からあんなにキャラを出すべきじゃなかったのでは?
NPC化した高松が最期は自分を取り戻せたというのは安心しましたけど。
こうして考えてみると前回のガルデモメンバーの扱いは比較的良かったといえるかもしれませんね。
あれ・・・・?なんか中村さんが可愛い・・・・
憑き物が落ちたかのごとく急に女の子らしくなりました。
まさに彼女のことを唄ったED曲「Brave Song」における“普通の女の子”状態ですねw
もっと早くこんな姿を見せていれば、ゆりっぺ人気ももうちょっと上がったろうに・・・・
およそヒロインと呼んでいいのか微妙な扱いには同情を禁じ得ない(泣
死ぬまでにくっとけ~♪ ま~ぼ~ど~ふ~♫
ってなんだコレww
戦歌斉唱の すごい 脱力感(というか戦歌か?w
まさに“おきらくナンバー”ですがまぁ麻婆豆腐好きだし別にいっか!(ェ
それより気になったのは奏ちゃんのキャラ変わりすぎだということ。
これはこれで可愛いとは思うけど、なんで急に感情豊かになったんでしょうね。
今さら言うことではないですがこの辺りキャラの感情が掴めないのがこの作品の損してる部分な気がするなぁ。
「みんなと過ごせて本当に良かったです・・・・ありがとうございました」
まぁでもゆりの卒業証書のくだりとか卒業式→別れの部分の演出はそれほど悪くなかったと思いますよ。
どこか締まらない、ゆるい面を含めて戦線“らしい”卒業式でした。
日向・・・お前の名前HIDEKIだったんだな・・・
校内のあちこちに置かれている戦線メンバーの小道具-足跡-が印象的でしたね。
野田のハルバートがたて掛けてある壁の一部が削れていたりなど結構描写が細かい。
それぞれの別れ。あるいは旅立ち。
「女の泣き顔なんて見たくない」とか言いつつ真っ先に泣いてる直井は最後まで良いキャラだったなぁ。
変に中ボス扱いせずに最初からメンバーとして登場しててもよかったかも。
音無の「もう逝け」が後の発言を考えると妙に邪悪な台詞に聞こえるという不思議。
ゆりは心残りだった奏に謝ることができた様子。
しかしまぁ、結局どうしてゆりが死んだか明らかにならなかったのはいいにせよキービジュアルなどで中心を飾っていたキャラの末路がこの程度とは誰が想像できようか。
せめて日向より後に成仏させてやれよw
HIDEKI・・・もとい日向は最後まで良いヤツでした。
前日譚の主役を張りながら本編でも良き友人キャラとして活躍した男は去り際も爽やかでしたね。
「ここに・・・残らないか?」
三人が去り、残るは音無と奏の二人だけ。
少し風にあたらないか?と外に出た音無がここで衝撃の一言。
いやいやいやいやいやry ちょっと待てよ。
これから来る人を一緒に成仏させようとか言ってるけど、単に奏と一緒にいたいだけじゃないのかそれは。
この私欲にまみれた発言、「愛ならしょうがない」ではすまされないよ!?
最後に主人公として株を上げるかと期待していたら、むしろ下げてきたとか・・・・
ほら見ろ、この「見損なったわ」とでも言いたげな奏ちゃんの冷めた態度!
そらそうよ。ある意味この世界に残るってことは奏の幸せを無視して縛り付けると考えられなくもないんだから。
とまぁ取り乱してしまいましたが真面目な話、彼女が音無の案を受け入れられないのには理由がありました。
「わたしは・・・あなたの心臓で生き永らえることができた女の子なの」
彼女がこの世界に留まれない理由。
それは上記の台詞にあるとおり、音無から授かった心臓のお礼を言いにきたからでした。
あぁ・・・なるほど「Angel Beats!」とはそのまま「天使の鼓動」だったわけですか。
そして音無は文字通り心臓がないから「音無」なんだと(加えて言うなら“ゆずる”という名前にも意味があるわけですね
ドナーカード、記憶の取り戻し方・・・しっかり伏線を拾ってますね。
「心臓を一刺ししてすぐにわかった」とありましたが、そのような不完全な身体でこの世界にきたらユイとか五体満足な状態ではないと思うわけですが、これはやっぱり音無の存在そのものがバグ、いわゆる例外であると考えるのが妥当ですかね。
たしかに事故死した人間がグロ死体のまま召喚されても嫌ですけど(汗
「命をくれて・・・・本当に、ありがとう」
「あなたが信じてきたことを、わたしにも信じさせて。・・・・生きることは素晴らしいことなんだっ、て」という奏の言葉を受け、自分の愛を伝えた音無。
それを受けた奏は与えられた生命に感謝して消滅。
音無の手の動きワロタwwとか空気の読めないコメントはNG。
ここからEDの集合絵に入ってみんなが消えていく演出はちょっと心揺さぶられましたね(泣かなかったけど
これもひとえに中の人の熱演、そして音楽の力でしょうか。「一番の宝物」ほんと良い曲だぁ。
愛する人に先立たれるという「ANGEL PLAYER」作成者と同じ状況になった音無ですが、はたして彼はちゃんと成仏できたのでしょうか?
この世界では時間の概念が存在しないことからみて案外音無自身がAP作成者だったのかもしれません。
Bパート最後、天に昇っていく光の玉は奏か、あるいは音無なのか。
Cパート。
そして少年と少女は再びめぐり合う―――?
この終わり方は・・・・素直に転生エンドと受け取っていいんだろうか?
個人的にはこれは音無が描いた妄想、あるいはユイ×日向回のように“あり得たかもしれないif”の表現だと思いますね。
転生エンドと考えた方がハッピーエンドで良いとは思うのですけど“時に理不尽でも、一度きりの人生”
やり直しはきかないものだと思うのです。
そう考えるとこの最後のシーンは別になくてもよかったかな。
でも綺麗な終わり方でした。
というわけで、放送前から数々の話題をさらっていった本作もついに完結となりました。
「生きることの素晴らしさがここにあります」
テーマ自体は良かったと思いますが、そのストーリーに説得力を持たせるだけの尺が圧倒的に足りなかったのが本当に悔やまれます。
2クールかけてじっくり描写できればキャラクターへの感情移入もでき、かなりの名作となっていた可能性もあるだけに勿体なかったです。
とはいえ先の読めない展開には毎週ワクワクさせられましたし、ポジティヴに解釈すれば1クールだからこそ飽きる余裕もないほど楽しめたわけで。
謎が多く残ったまま終わってしまいましたがここら辺については解説本やドラマCD、そしてBD最終巻に収録されるという噂の特別編で何らかの補完が為されることを期待したいです。
音楽についてですが、これは本当に良かった。
何度か上手く乗せられて(笑)感動してしまいそうになるほど魅力的なサウンドが多く、素人目線ですけど麻枝准の音楽家としての才能に衰えはないと感じました。
とりあえず月末のガルデモのアルバムとサントラは購入予定。
あ、あと背景美術も何気にクオリティ高かったですよね。
死後の世界はキホン学校が舞台でしたが、その狭い世界の魅力を余すことなく再現した背景や光表現などは魅力的でした。
扱いに不満はありますがキャラクターの個性の強さも、1クールであれだけ登場人物が多いのに随分印象に残るキャラが多かったですね。だが音無テメーはry
なにかと批判の多い作品でしたが、1クールあれやこれやと考察するのはとても楽しかったです。
売上で作品を評価するのは好きではありませんが商業的には成功するだろうし、麻枝さんにはこれからも頑張ってほしい。
そんな麻枝さんを始め、岸監督以下スタッフの皆さまお疲れさまでした。
そしてTB関連でお世話になった方々にも感謝を。
麻枝准が贈る“人生賛歌”ここに完結!?
もし何か動きがあるとしたらその時を楽しみに待ちたいと思います。
テーマ:Angel Beats! - ジャンル:アニメ・コミック