主人公がなんかキモい以外はアクションありラブありの総合型SFエンタメ施設映画だった66点。
空に浮かぶ楽園ザレムと地上のゴミ箱アイアンシティ。そのアイアンシティで医者をやっているイドはゴミ山で半壊した記憶喪失の女性型アンドロイドを発見、持って帰って修理してアリータって名前を付けて色々教えたりする。アリータはパーツ調達の仕事をしているヒューゴとなんかいい感じになったり、賞金稼ぎになったり、モーターボールとかいう世紀末スポーツに参加したりしてアイアンシティを覆う黒い陰謀に立ち向かっていく。
みたいな感じの話。
主人公のアリータがたぶん人間とCGIの融合した形で描かれてるんだけど、目が異様にデカくてそこもちょっとキモいし、少女みたいな顔つきなんだけどふとした表情がめっちゃオバサンでそれもなんかキモいし、頭に対して身体が小さくて細すぎるのもなんかキモい。
日本の漫画的、アニメ的なデフォルメを現実的に落とし込んだんだと思うんだけど、まぁ、まだまだかな。顔はともかく、ボディに関してもバーサーカーボディに換装した時は、デコルテまでが人肌でそれ以降が機械なんだけど、デコルテの広がりに対してボディが小さすぎて違和感がすごくて笑った。
ただ、じゃあヴィジュアル全部が悪いのかっていうと全体的な完成度で言えばこないだ見た実写版のGITCよりも相当レベルが高い。アイアンシティもしっかりしてるし、アリータ以外にもいろんな半ロボが出てくるけどだいたい(一部ウーンってのもいるけど)よくできてた。ザパンとかいう見た目全振りのプライド高いかませロボがいるんだけど、こいつの造形の特に背中とかはめちゃめちゃカッコいいけど機能性全くなさそうで完璧だった。この辺はキャメロンの力やろな。
アクションもいろんな工夫が凝らされていてよかった。路地裏でアリータが身体の記憶――格闘術を思い出すアクションは徒手型と元来アリータが持つ残虐性が出ててよかったし、酒場を飛び回りながらのアクションも昔ながらのスラップスティックアクション形式でよかったし、その後の負けイベも縦横無尽に襲い来るチェーンブレードを立体的にかわしながら戦うのがイカしてたし、モーターボールの走りながら妨害、武器アリと様々なギミックを使って戦ったりと、アトラクションとして飽きさせない工夫が感じられた。
ストーリーに関しては物語全体の大筋は散漫なところがあり3部作の1作目みたいな感じなのでなんかスッキリしないなってなりながらも、細かい部分は意外とちゃんと考えられててよかった。
例えばイドは自分の娘のために楽園を棄ててきた愛の民でしかし娘は死亡、娘に与えるためのボディをアリータ(娘の名前を付けているのも象徴的)与え、彼女を娘のように溺愛して育てるが恋を知り思春期になった娘は反発し、ボディは破壊され、大人の(バーサーカー)ボディを経た後は彼女の意思を尊重するようになる、とかは子育てものとして一貫した姿勢を感じるし、娘をめぐって対立していた妻も最初はアリータを目の敵にするけど最終的には受け入れて彼女を救い、そして死ぬ。
実はイドと妻、それぞれが序盤と終盤でアリータの涙を指で拭うシーンが登場してなんかエモいし、恋人を失った後、エンドロールの直前、ザレムを目指すために文字通りバーサーカーになった彼女がこぼれた涙(人間性の象徴)の雫をブレードで真っ二つに切り裂いてそのブレードでザレムを指すのも、ここから始まる復讐譚の幕開けとして完璧。ちなみに2025年の11月に2絶対作ろうね!って二人で言い合ってるよってキャメロンとロバロドが話してたらしい。
またヒューゴもパーツ調達と言いながら実際には集団強盗でその辺のロボを襲ってパーツを奪っていたんだけど、結局、そこで奪ったチェーンブレード入りの腕が愛するアリータを破壊するところを目の当たりにするというカルマの円環を成しているのもいいし、強盗団の一員であった過去が自身の命を奪いかける。
ちょっと話が逸れて、ヒューゴが強盗してまで金を稼ごうとしていたのは金を貯めればザレムに行けると思っていたからでそれを知ったアリータが高額な自身の心臓(ハート)を差し出すというのは未来のラブとしてめっちゃエモいなーって思ったし、命を失いかけたヒューゴの頭部に自分の循環器を接続するっていうもうそれセックスじゃんってのもよかったし、頭部だけ生き残ったヒューゴが機械の体というアリータと同じ存在になるのもよかった。
そのあと亡くなっちゃったんだよね。
そんなこんなで主人公の見た目に対してある程度許容できる人だったら普通に見て楽しめると思う。たぶんもう10年くらい前の映画だからその時見てたらCGスゲーってなった可能性もあると思うし、大アバター時代を経て今のキャメロンの技術で作られる予定(などと本人らは供述している)2はもっとすごいかもしれないなとか思った。
プリンおいちぃ!