クラウド型文書管理サービスを提供する米Evernote(エバーノート)は2014年11月10日、日本経済新聞社と資本業務提携すると発表した(写真)。日経から2000万ドル(約23億円)の出資を受け入れる。2015年1月をめどにエバーノートが2014年10月に発表したニュース記事自動表示機能「Context(コンテキスト)」と日経が運営する「日本経済新聞 電子版」を連携させ、エバーノートの有料会員にはクラウド上に保存した「ノート」の内容と連動した日経の記事を表示するなどの機能連携を進める。
エバーノートは米国時間の2014年10月2日、有料会員向けにEvernote内で編集している内容に関連性の高いニュース記事を自動的に検索して表示するコンテキストを発表(関連記事:EvernoteがThe Wall Street Journalなどと連携、ニュース記事を自動検索)。米ダウ・ジョーンズと提携し、傘下の米ウォール・ストリート・ジャーナル誌と情報検索サービス「FACTIVA(ファクティバ)」などとEvernoteの連携を発表していた。日経は米国以外では初のコンテキスト連携先となり、日本市場では独占契約となる。
エバーノートのノートのコンテンツに連動した日経電子版ニュースを表示するほか、日経電子版のニュース閲覧時に関連するエバーノートに保存済みの関連するノートを表示する機能も加える。例えば、自動車メーカー勤務者がエバーノート上で中国市場におけるレポートを執筆している際、過去に日経電子版で掲載された中国の自動車市場に関する記事が自動的に表示される。逆に日経電子版で記事を読んでいる際にはエバーノートに保存したノートの中から、名刺情報など記事と関連した情報を自動的に表示する。両サービスの機能連携はともに有料会員のみが利用できるが、エバーノートの有料会員であれば日経側は一部機能を利用可能にする方針。
今後、企業や人事情報を提供する会員制情報サービス「日経テレコン」や日経グループが提供する各種サービスとの連携を進めていくという。日経テレコンでは2015年1月をめどに、検索した記事の見出しやURL、キーワード情報をエバーノート内に保存し、保存したURLをクリックするとテレコンで記事本文を表示する機能を実装予定。日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJ、日経ヴェリタスの4誌を対象に開始するが、来年以降、さらにサービス連携を深めていく予定。