Windows 8のConsumer Preview版が2月に公開された。製品版のリリース時期は未定だが、仮に年末に発売されれば、来年の今頃は量販店の店頭に並ぶパソコンはWindows 8搭載機一色になっていると思われる。新しいOSがリリースされれば、パソコンの新機種にはすべてそれが搭載されるのは当たり前だが、それが当たり前でないのがAndroid機である。
最新版のバージョン4.0がリリースされたのは2011年11月のことだが、それから4カ月経った今も、国内で発売されている4.0搭載機はわずかに2機種(サムスン電子の「GALAXY NEXUS(SC-04D)」とシャープの「AQUOS PHONE(104SH)」)。残りは、タブレットを除けば2010年10月にリリースされたバージョン2.3を搭載している。2.3で出荷した後、4.0へのバージョンアップをアナウンスしているメーカーはいくつかあるものの、それが可能になった端末は今のところ国内ではまだない(サムスン電子の「Galaxy S II」が4.0へのバージョンアップを3月13日に開始したが、国内ではまだ始まっていない)。
パソコンに比べてAndroid機のリリース計画には、通信事業者の意向が強く働くことと、ハードウエアを含めてメーカーが作り込まなければならない部分が大きい。それがOSのリリース時期と製品への実装時期にタイムラグが生じる理由だ。特にメーカーの作り込みは、Android特有の“機種依存”という問題を生んでおり、それがアプリやWebサイトの開発者を悩ませる。
例えば、Androidの標準ブラウザはオフラインでの利用を実現するための「Web SQL Database」という機能を備えている。ここに格納できるデータ容量には上限があるのだが、その値が機種ごとに異なっており、その値はカタログに記載されていない。実機にデータを投入して検証するしかない(関連記事)。また、バグなのか、仕様によるものなのかは不明だが、Web SQL Databaseが動作しない機種があることも確認している。
もっと身近なところでは、OSのバージョンとディスプレイの問題がある。2011年4月、このコラムで「“ややこしい”Android」と題する原稿を書いた。当時、発売されていたAndroid機のスペックを整理し、分断化の実態をレポートしたものだ。それから約1年経った今、分断化の実態はどうなっているだろうか。その後の状況を見てみたい(4ページ目の表1)。