マイクロソフトが同社の会員サービス「MSDN(Microsoft Developer Network)」「Technet」でWindows 7日本語製品版(RTM,Release to Manufacturing)の提供を開始したのは,2009年8月12日のことだ。そのころ,筆者は日経ソフトウエア2009年10月号の校了で忙殺されていた。
8月20日に,ようやく会社で主に使う環境をWindows 7に移設し終えた。それ以降,毎日Windows 7で仕事をしている。数日で慣れて新鮮味が薄れており,あっという間に書くべきことを忘れそうなので,今のうちに気づいた点を急いでつぶやいておく。
まず結論から。筆者は2007年からVistaを愛用してきたが,Windows 7をメイン機として使い始めた今,Vistaを懐かしいと思うことはない。Windows 7は必要十分なパソコン用OSの新バージョンである。これからパソコンを買うなら,10月22日に発売されるWindows 7プリインストール機がお薦めである。
それまで待てないなら,Windows 7への無償アップグレードが可能なものにすべきだ。自分でアップグレード作業をするのは面倒だが,無償アップグレードの対象機種なら,ドライバー・ソフトを含むサポートの点で,さほど不安はないだろう。10月22日より前に,アップグレード作業の分だけお買い得なパソコンを買える可能性もある。
IPv6の設定時に問題発生
今回筆者は,それまで使ってきた会社のメイン機とは別に,AMD Athlon 64 X2 4600+(2コア,動作周波数2.4Gヘルツ),メモリー8Gバイト,ディスク500Gバイト,グラフィックス・チップはAMD 780G(統合グラフィックス・チップセット)というハードウエアを用意してWindows 7 x64(64ビット版)のインストールを始めた。
ドメイン・コントローラへの接続時にIPv6を切る必要があるのはわかっていた。しかし,Vistaと同じ手順ではうまくいかず,レジストリを編集する必要があった(マイクロソフトのサポート・ページを参照)。うまくドメインにつながり,必要なアプリケーション・ソフトウエアをインストールして,旧メイン機のハード・ディスクを移設して必要なデータをコピーすれば,新メイン機への移行は完了である。
IPv6の設定以外に,特に問題はなかった。これまで使ってきたのがVistaのx64なので,アプリケーション移行の難関は既に越えていたということかもしれない。
タスクバー右端のアイコンが幅を取る
ん?と思ったのは,タスクバー右端に並ぶトレイ・アイコンだ。Vistaでは図1のようになっていた。Vistaでは「アクティブでないインジケータを隠す」という設定が標準でオンになっているが,筆者はアイコンが出たり引っ込んだりするのが嫌いで,図1のようにすべてを表示する設定にしていた。
Windows 7で同様の設定にすると,図2のように微妙に幅を取る。Vistaでは16画素幅のアイコンが18画素間隔(すき間2画素)で並んでいたが,Windows 7では24画素間隔(すき間8画素)なのである。Windows 7は,タスクバー右端に「デスクトップの表示」という領域ができたし,最もタスクバーの高さが低い40画素の場合でも日付を表示するようになった。しかも,筆者は日本語入力ソフトをタスクバーに入れている。これではタスクバーがすぐ一杯になってしまう。
そこで,Windows 7では「タスクバーに常にすべてのアイコンと通知を表示する」設定を使わないことにした。Windows 7では「隠れているインジケーターを表示します」という上向き三角形のアイコンがタスクバーに追加されたので,それを使えば必要なアイコンをすぐ操作できる(図3)。Vistaより気が利いている。