写真1●日本テラデータのビッグデータ分析専用機「Teradata Aster Big Analytics Appliance」。高さ約2メートルのキャビネット型
写真1●日本テラデータのビッグデータ分析専用機「Teradata Aster Big Analytics Appliance」。高さ約2メートルのキャビネット型
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写真2●新製品について説明する米Teradataインターナショナル担当プレジデントのハーマン・ウィマー氏
写真2●新製品について説明する米Teradataインターナショナル担当プレジデントのハーマン・ウィマー氏
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 データウエアハウス(DWH)製品大手である米Teradata傘下の日本テラデータは2013年3月7日、大規模企業向けのビッグデータ分析専用機「Teradata Aster Big Analytics Appliance」(写真1)の販売を開始した。

 POS(販売時点情報管理)データに代表される「構造化データ」だけではなく、ソーシャルメディア上の文章やカメラ・センサーから取得した情報などの「多構造化(非構造化)データ」も含めた分析を効果的にできるようにした。

 価格は最小構成で4500万円(税別)から。初年度に約20億円の売上高を目標とする。

 新製品は、従来型のデータウエアハウスに近い「Aster SQL-MapReduce」と、オープンソースソフトウエア(OSS)の分散バッチ処理ツール「Apache Hadoop(アパッチ・ハドゥープ)」をベースにした「Aster SQL-H」を同じ筐体に収容。多種多様なデータの加工・分析を迅速にできるようにしたのが大きな特徴である。

 Hadoopはビッグデータ分析の基盤ツールとして有力になっているが、大手ハードウエアベンダーが自社製品に標準搭載するのは珍しい。米Teradataで、欧州や日本などの事業を担当するハーマン・ウィマー氏(写真2)は「Hadoopは従来型データウエアハウス製品の競合だと見られがちだが、我々はそうは考えていない。大量のデータを収集・蓄積しやすいHadoopの技術と従来型技術を組み合わせることでデータ分析の成果を最大化できる」と説明した。

 Hadoopのデータを直接扱うには、ある程度高度なプログラミングスキルが必要になる。そこで、比較的習得が容易なSQL言語に近いAster SQL-Hを採用。プログラミングの専門家ではないビジネス担当者や、研究開発・設計部門の担当者などが自力で分析作業を行いやすくした。

 日本テラデータは同時に、従来型データウエアハウス用アプライアンスの最新版「Teradata Data Warehouse Appliance 2700」も販売開始した。前モデルの「2690」(関連記事:日本テラデータ、ストレージ効率を高めた新DWH専用機を出荷)に比べて、プロセッサーやノード間接続、データ圧縮などの性能を高めた。価格は最小構成で5700万円(税別)から。

[日本テラデータの発表資料]