2012年12月1日、三鷹市で「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト2012」の最終審査会が開催された。U-15(15歳以下)の部の最優秀賞は東京都の武蔵野東学園武蔵野東小学校6年山内奏人くんの「忘れ物なくし隊」が、U-18(18歳以下)の部の最優秀賞は長野県松本工業高等学校3年の電子工学部Ruby班の「Around to the GOAL(アラウンド・トゥ・ザ・ゴール)」が受賞した。
中高生国際Rubyプログラミングコンテストは、三鷹市が出資する第三セクターのまちづくり三鷹や、Rubyの普及推進組織であるRubyアソシエーション、ネットワーク応用通信研究所、IIJ、コミュニティ・クリエイション、三鷹ICT事業者協会により組織された実行委員が開催する、高校生以下の学生を対象としたRubyプログラムのコンテスト。2011年に第1回を開催(関連記事)、今回が第2回となる。審査委員長はRubyの作者まつもとゆきひろ氏が務める。
中高生国際Rubyプログラミングコンテスト2012にはU-15の部23件、U-18の部32件の合計55件の応募があった。その中から、U-15の部4作品、U-18の部5作品がプレゼンテーションを行い、最優秀賞と優秀賞、奨励賞が選ばれた。
U-15の部の最優秀賞を受賞した小学6年生、山内奏人くん(写真1)の「忘れ物なくし隊」(写真2)は、学校に持っていく物をパソコンに打ち込んでメールを送信、チェックするというもの。独学でC言語を学び、Rubyを始めたのは半年前だという。審査委員長のまつもと氏は「最年少で最優秀賞、審査委員もやられたなという、最優秀にふさわしい作品」と講評した。
また、米アリゾナ州の14歳の少年Sidharth Kulkarniくん(写真3)の、迷路から脱出するゲームソフト「Lasertag - An action text game」は、優秀賞を受賞した。14歳という若さながら、「いろんな言語を試した中で、Rubyのよさを感じてプログラミングした」という。
U-18の部最優秀賞を受賞した、長野県松本工業高校電子工学部Ruby班(写真4)の「Around to the GOAL(アラウンド・トゥ・ザ・ゴール)」(写真5)は、最大10名まで同時プレイが可能な対戦型バスケットボールゲーム。「マルチプレーヤーゲームはプログラムするのが大変だが、UDPやスレッドの活用を含めて、完成させたことを高く評価した」(審査員講評、写真6、写真7)。
その他の受賞作品は表1、表2のとおり。
挨拶に立った三鷹市長 清原慶子氏は「いまやコンピュータなくして暮らすことはできない。皆さんが21世紀を切り開く」とスピーチ。経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長 江口純一氏は「経済産業省は、若い世代の育成を目的に、U-20プログラミング・コンテストやセキュリティキャンプを実施している。皆さんが、次の世代を作っていく」と語った。
また宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所・教授 國中均氏が「はやぶさ小惑星探査 ~電気ロケットが拓く宇宙大航海時代~」と題し特別講演を行った。
賞 | 受賞者名 | 作品名 | 学校名 |
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最優秀賞 | 山内 奏人 | 忘れ物なくし隊 | 武蔵野東学園武蔵野東小学校6年(東京都) |
優秀賞 | Sidharth Kulkarni | Lasertag - An action text game | アメリカ |
優秀賞 | 縄田 智宏 | 宝玉の冒険 | 鳥取大学附属中学校2年(鳥取県) |
奨励賞 | 坂東 侑 | Making Dictionary | 岡山県立倉敷天城中学校3年(岡山県) |
賞 | 受賞者名 | 作品名 | 学校名 |
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最優秀賞 | 電子工学部Ruby班 | Around to the GOAL(アラウンド・トゥ・ザ・ゴール) | 長野県松本工業高等学校3年(長野県) |
優秀賞 | 今野 陽介 | Bomb to fall | 山形県立山形工業高等学校2年(山形県) |
優秀賞 | 新名 哲成 | 暗記君 ONLINE | 東京都立新宿山吹高等学校1年(東京都) |
奨励賞 | 山下 翼 | 高機能電卓 CaRuby | 岡山県立東岡山工業高等学校2年(岡山県) |
奨励賞 | 宮坂 佳奈 | 星だって星に願うんだ! | 長野県岡谷工業高等学校2年(長野県) |